プロローグ 闇の巨人
人間種と魔族——二つの大陸を隔てるその間には、危険な生物と龍族が棲む険しい山脈があり、その中心部には、巨大な緑の植物に包まれたエルフたちの森が広がっていた。
そして、その森のほど近く。紫色の霧に覆われた古代の遺跡が、静かに眠っている。
その日、遺跡の調査を目的に、森を進む一団があった。魔術、機人、魔獣——あらゆる学問を究めた学者たちの混成チームだ。
しかし、彼らが鬱蒼とした木々の間を進んでいるとき、突如、森の向こうから爆風が襲いかかった。
烈しい衝撃が頭部を直撃し、全員がその場に倒れる。
やがて、しばしの沈黙の後——意識を取り戻した学者の一人が呻いた。
「いってて……妙に森の中が熱い。いまのは一体……?」
「おい、上だ」
「上?」
見上げた先。枝葉の隙間から見えるはずの青空は、紫炎に覆われていた。
全員が息を呑み、言葉を失う。
やがて学者たちは、恐怖よりも好奇心に突き動かされ、爆風の来た方向へと足を進めた。
そして森を抜けたその先で——彼らは見た。
「おれが……守る」
黒き鎧のような半透明の巨人が、死に満ちた大地の上に直立していた。
巨人の兜に包まれた頭部。その腕の中には、傷だらけの少年がいた。
少年は両手に傷ついた女性を抱きしめながら、なおも立ち向かおうとしていた。
今回が初投稿になります、いろんな小説がある中で自分も書いてみたくなり今回のを投稿しました、不定期で更新する予定ですので、面白かったらぜひ続きを読んでみてください。今後よろしくお願いします。




