第21話 ちょっとだけな
また時がたち……
二十枚の畑はすべて土レベル20レベルに到達した。
≪農園全体図≫
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【小屋】20%20%20%20%
【庇 】20%20%20%20%
20%20%20%20%20%20%
20%20%20%20%20%20%
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つまり、二十枚の畑すべての畑が20%の確率で種を増やしてくれる。
一世代(一週間)で4つ種が増える計算だ。
「今魔力はいくつになったニャ?」
「ええと、67かな」
これまでの収穫でも、魔力は順調に増えていると思う。
たが、こうなるとやることがない。
ドーラの森の西側でFクラス魔物を倒しても、もうその肥料じゃレベルは上がらないからな。
いよいよ農園の拡張。
木こりを連れてくる段階だな。
攻略本には木こりについて書かれていなかったので、ひいじいさんが付けていた膨大な日記を探ってみたんだけど……
たぶん『サク』って呼んでいる木こりがその男なんじゃないかってアタリはついていた。
ただ、その男の住んでいる家の場所とかの細かい記載はない。
まあ日記だもんな。
「我もそいつの家までは知らんニャ。しかし、『ベレーの町』では一番の木こりと呼ばれていた男だったニャ」
ベレーの町は、東のダンジョンを越えたところにある町の名前である。
「とにかく町へ行って聞いてみるしかねーな」
それから。
約束どおり、また二カ月ぶりにゴードンがやってきた。
「こちらが5千G銀貨2枚、千G銅貨20枚、100G銭貨50枚でやんす」
ゴードンはそう言って、貨幣の入った革袋を手渡してくれた。
そう。
東のダンジョンを抜ければドーラの森圏外なので、宿などもフツーに取らなければならない。
他に、町で買物や外食もできるというので、どうしても貨幣が必要になるというワケだ。
「これで足りるんだよな?」
「ええ。一週間程度で帰って来るんでやんしたら十分でやんす。宿などは一日1000Gもかければそこそこのところで寝られやんすよ」
思ったより相場が安い。
「もし高額の買物がありやしたら、フツー貨幣では取引いたしやせん」
「どうすりゃいいの?」
「あっしは商人ギルドに登録していやすから、小切手で通用いたしやすよ」
と言って、ゴードンは小切手の使い方を教えてくれた。
それからプロテクターがだいぶヘタっていたので、買い替え。
靴、シャンプー、治癒ポーション(低)3個、水筒と弁当箱を10個ずつ、邪魔にならない小さな肩掛けカバン、そして食料の買い足し……
貨幣での引き降ろしも含めゴードンへの債権は15万4000G減った。
・138万5600G→123万1600G
「そのご様子ですと、空間魔法をマスターしたでやんすね」
「マスターはしてねえよ。ちょっとだけな」
そう。
コツを教わって三カ月くらいたった時だったか。
俺はイメージ上の箪笥にモノを収納し、取り出すことができるようになっていた。
その代わり、最大魔力67から常に5目減りした状態になるんだけど……
正直、戦闘中の身軽さや食料の持ち運びなど、そのメリットのデカさは計り知れない。
水筒と弁当箱を10個買ったのはそのためだしね。
一方、治癒ポーション(低)が3個だけなのは、純粋に高けーんだわ、これが。
ひとつ2万Gするからさー。
「よし。じゃあ明日の朝、東へ出発だな」
「よろしければ、あっしが東のダンジョンまで案内いたしやしょう」
「いいの?」
「ええ。近くに村がありやすから、そこまで」
というワケで、その日は準備を済ますと早く寝た。




