表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
先祖の念?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/55

先祖の念……じゃないと思うよ?

「東山さま?」

 執事がご老人に声をかけた。


 ここの分家って『東』を付ける慣習なのかな?

 と言うか、昔だったら適当に名前を変えたり与えたりとか、色々とやり放題だったみたいだけど、今って分家になったからって新しい苗字を好きに作れるの?


 なんか親にキラキラネームを付けられたのを変えようと思っても、社会的通念として問題がある名前じゃなきゃダメとかって記事を何処かで見て『うえぇぇ〜』と思った気がするんだけど。


 苗字の方が名前よりも重要そうな気がするが、次男とかが分家に分かれる時の慣習的に、苗字変更の方が名前を変えるよりは融通が効くのかな?


 と言うか。

 子供に親は選べないのだ。嫌いな親が本人に相談なく(当然だけど)勝手に変な名前を付けた場合に、それを変えたいって願っても変えられないとなると非常に不公平な気がする。


 まあ、それはさておき。

 ご老人がこちらを見上げた。


「そのお二人が退魔協会からの術師か。

 この蔵の中身を清めるのはお待ち頂きたいと本家に願い出た儂の言葉は、無視されたのか」

 重々しくご老人が執事に問いかける。


「悠斗さまが命に関わる程の高熱になりましたので。

 大学に寄付した際に、若い学生が同じ様な熱で倒れる事があってはならないと、東条家の当主として責任を持って安全を確保するとのことです」

 執事がご老人に答える。


 まあ、小学生になるか否かぐらいな悠斗君と大学生の体力が同じではないだろうけど、うっかりヤバい霊に取り憑かれたりしたら大学生の方が周囲により大きく害を及ぼせちゃうからね。

 清めて渡すのが良心的な動きだと思うよ?


「この蔵に納められているのは我が東条家の先祖からの品々!

 先祖の方々の苦しみや怒りの結晶をどこぞの学生が触れるだけでも腹立たしいのに、それを消し去ってしまうなどと! その様な蛮行はこの儂の目が黒いうちにはやらせん!!」

 ご老人が叫びながらドスンと尻を蔵の扉に押し付ける感じで座り直した。


『目が黒いうちにはやらせん』って青い目とか緑の目がある白人社会には使えない言い回しだよね〜。

 でも死んでも瞳の色って黒いままだと思うな? 少なくとも青くなったりはしないと思う。

 とは言え、そのうち腐敗が進んだら濁ってくるのかもだし、角膜が乾いたら白濁するのかも?


 まあどちらにせよ。

 この老人に蔵の中身に関する権利はないよね?

「この蔵にある物に関する法的所有権は全て依頼主の東条氏にあると言う理解で正しいのですね?

 親族から預かった物が一緒に入っているのでしたらそれを取り出す間、待っても良いですが」

 私と同じ疑問を抱いたのか、碧が執事に確認する。


「形見分けなどで分家に譲られた物は既に持ち出されております。

 この蔵の中に入っている物は、数十年間所有者が変わっておりませんし、ずっと東条家当主が管理してきましたので、それを清める権限は間違いなく旦那様にございます」

 執事が穏やかに断言した。


「では、やっちゃいましょうか。

 どちらにせよ、武器に穢れとして残る様な苦しみは通常でしたら殺された敵方の念ですから。

 東条家が内紛でお互いを殺し合ってその際に使った武器をこの中に入れているので無い限り、この穢れは先祖の苦しみや怒りではないと思いますからご安心下さい」

 碧が親切そうにご老人に話しかける。


 言っている内容はちょっと微妙に酷い気もしないでもないけど。

 本家に楯突いて、何も手伝わないくせにやる事に文句だけはいつまで経ってもがなり立てるのを止めない分家の老人に思うところがあるのかな?


 まあ、藤山家だったら白龍さまが出てきて一喝すれば直ぐに煩い騒音は消えそうだが。

 それとも、白龍さまの愛し子だからってことでぐちゃぐちゃ言ってくる連中がウザいのかも?


 そんなことを考えている間に、碧がいつもに清めの祝詞を唱え始めた。

 キラキラした魔素が辺り一帯に広がり、黒ずんで見えていた蔵も普通に漆喰の白に戻っていく印象だ。


 もしかしたら漆喰じゃなくてペンキの白かもだけど。

 まあ、古そうな蔵だし、漆喰だと思う方が夢があるよね。

 中身を全部寄付しちゃった後に蔵をどうするのか知らないが。


 漆喰の昔風な蔵だったら、もしかしたら真夏にも少し涼しくて過ごしやすかったりするのかな?

 だとしたら悠斗君の遊び場とか勉強部屋として使っても良いかも。


 キラキラを見ている間に、祝詞が終わり。

 パン!と碧が柏を打った瞬間にごうっと全て天へ飛んで消え去った。


 うん。

 蔵の周囲のジトッと鬱々とした空気も消えたし。

 流石碧。

 いつ見ても、見事だ。


「では、駅まで送っていただけます?

 今だったら混む前に帰れそうですよね?」

 呆然としているご老人を無視して、碧が執事に頼む。


 だね〜。

 老人も、碧が蔵を清めた際の余波で妄執が祓われたっぽいから、余生を静かで平和に暮らすと良いよ。


 碧に清めて貰えるなんて、そうそう無いんだから。

 当主さんにお礼を言うべきかもね〜。


 さて。

 帰りの電車は座れるかな?





 これで今回の話は終わりにします。

 明日は休みますので明後日からまたよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ああ勿体無い穢れを残しておけば高値がついたかも知れないのに
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ