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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
先祖の念?

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昔の背広

「こちらです」

 洋館の玄関に入ったら、直ぐに執事っぽい人に2階の寝室へ案内された。

 家の主人(依頼人)は顔を出さないか、子供の除霊の後らしい。


 と思っていたら、2階の奥にある寝室のドアを執事が開けた先に父親らしき人がベッドの枕元に座って横たわっている少年の手を握っていた。

 おや意外。

 母親ならまだしも、父親がここまで献身的に子供の世話をしているになんてあまり見かけないよね。

 いや、母親の方が子供を大切にしていると決まっている訳ではないし、考えてみたら退魔協会の依頼で赴く様な旧家の女性陣はキツい人が多かった気もする?


 まあ、それはさておき。


「旦那様。

 退魔協会から藤山さまと長谷川さまがいらっしゃいました」

 執事がこちらを見上げた男性に声を掛ける。


「ああ、やっと来たか。

 いや、ゴールデンウィークなのに急な依頼を受けて頂いて、感謝する。

 父親の東条 秀幸だ」

 男性が立ち上がってこちらに挨拶して来た。


「退魔協会から来ました藤山碧と長谷川凛です。

 息子さんに憑いている霊を祓った上で、外にある蔵の中身を全て清めるという依頼でよろしいのですね?」

 碧が挨拶を返しながら応じた。


 社会人になったしと言う事で快適生活ラボの名刺を作ろうかと言う話もしたんだけど、下手に直接依頼の連絡なんて来たら面倒なので、今までどおり退魔協会の名刺を使っている。

 今回は相手から名刺を差し出されなかったからこちらも出さなかったけど。


 と言うか、名刺って基本的に会社の連絡先や役職を記しているものだよね? そう考えると、個人として依頼を出して家に呼んでるのに会社の名刺を出されても微妙な気がする。

 まあ、こんな旧家の当主だったら家の名前だけの名刺を持っているかもだけど。

 いや、これ程の旧家だったら家の電話番号とかを渡して回ったら困るかもだから、個人としての名刺なんて作らないし渡さないかな?


「ああ。

 当家の蔵は祖父が亡くなってから基本的に虫干しの時以外は鍵を閉めたままだったのだが、今回中身を全て大学に寄贈することになってね。

 その準備を始めようかと鍵を開けて風を通していたら息子の悠斗が忍び込んでしまったのだよ。

 気付いたら中で倒れていたので、慌てて医者に診せたが原因不明と言われたから退魔協会に連絡した。

 あそこは以前から虫干しに入ると気持ち悪くなる人間がでることが多かった。どれが原因かわからなかったので放置していたが、どうせ全部出すのだ。下手に運搬会社や大学の人間が当たって倒れてしまっても申し訳ないし、全て清めてくれ」

 東条氏が言った。


 なるほど。

 大学に寄付するなら煩い古物商とかが売値が下がるから清めるなとか言いに来る心配もないね。


『じゃあ、碧が蔵はブッパしちゃえば良いから、私が悠斗君を祓うね』

 碧に念話で伝える。


『お願い。

 じゃあ、おっさんと執事を追い出すね』

 碧が返してきた。


「では、これから祓いますのでお二人は外で待っていて下さい」

 碧が東条氏に扉の方を示しながら言った。


 祓っている最中とかって見物客がいたらうざいんだけど、考えてみたら倒れたのが若い女性で術師が男性だったりしたら二人(三人の場合もあるかもだけど)だけにするのって問題だって主張されそう。

 そう考えると、私らが女性であることで、仕事が増える場合もありそうだね。

 代わりに、元気になったらセクハラをしようと考えるスケベ爺とかもいるかもだけど。


 介護なんかで女性が老人男性の世話に行くと、本人や家族からセクハラされる事が多いらしいからねぇ。

 まあ、悪霊や呪詛に悩まれて退魔師を呼んだのに、その相手にセクハラする度胸がある人はあまり居ないと期待したい。


 いや、危険なホットスポットの行って悪霊を拾って来るようなアホだったら、懲りない馬鹿な場合もあるかもだが。

 そうなったら昏倒してもらうか、バチっと静電気モドキに痛い思いをして貰おう。


 幸い、東条氏は文句を言わずに出て行った。

 忙しいのかも?

 いや、ゴールデンウィークに忙しいなんてことは無いよね?

 自分であくせく働く必要もないだろうし。

 管理職だって色々と忙しいかもだが、一番上なら休みに働かないで済む程度には仕事量をコントロール出来なきゃ駄目だよね〜。


 ベッドに近付き、悠斗君の顔の上に浮かんでいる眼鏡を掛けたおっさんの霊に触れる。

 旧家で蔵なんて状況だから武器か防具に憑いていた侍っぽい霊が出て来るかと思っていたのだが。祟っていた悪霊は意外にも比較的現代に近い感じの格好をした男性だった。

 ちょっと古臭い感じのスーツを着ているから、高度成長期とか戦後なのかも?

 バブルの頃の服ってもっと肩のところがパッドで膨らんでると思うんで、それよりは前だよね。


 う〜ん。

 それ程昔じゃない人が悪霊になって子供を祟ってるって、ちょっとどう言う状況だったのか、気になるかなぁ。

 誰かが蔵で殺されたとかだったら、それを通報すべきかね?


 でも、確か2010年に時効に関する法令が変わった関係で、1985年より前の殺人は殆どが既に時効になっている筈。バブル前の服装の人が被害者だとしたらもう時効になっている可能性が高いから、通報してもあまり意味がないよねぇ。

 バブル期に貧乏すぎてもっと前の服を着ていたって場合だったら、殺されたのが1985年以降(つまり殺人に対する時効が無くなった後)の可能性もあるかもだけど。

 バブル期の頃って古着屋でスーツを買うことなんてあったのかな?


 まあ、もしかしたら死者の家族が探している可能性もゼロでは無いかもだし、一応背景を確認しておくか。


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― 新着の感想 ―
おや? 片親世帯でしょうか
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