実質首都だったよね?
「鎌倉市って一時期は国の首都というか幕府があった場所だし、今でもそれなりにメジャーだから新幹線が通っているかと思っていたら、思っていたよりも横浜寄りで場所が辺鄙と言うか……東京から西日本へ行くルートから外れているんだね。
小田原とか熱海とかに近くて新幹線が通っていて当然だと思い込んでたんだけど、実は半島の付け根で引っ込んだ位置だから新幹線は難しいのかぁ」
乗換案内アプリで鎌倉まで行く湘南新宿ラインの電車の時間を調べようと検索したら、思ったよりも移動時間が短かった。なのでマップアプリで実際に日本地図で場所を見てみたら、ちょっと想定よりもマイナーな場所だったのだ。
なんかこう、いつも出掛ける時ってアプリで何時にどこで乗り換えて何に乗れば良いって教えられるから、都市の位置関係とか電車が通る駅の場所とか、把握してないんだよねぇ。
高速だってナビの指示通りに運転すれば良いから、途中で出てくる出口の名称や場所もあまり気にしてないし。
碧の方はもっとしっかり色々と把握しているっぽいが私は基本ナビ頼り。
鎌倉が神奈川県なのは知っていたけど、何とは無しにイメージ的には浜松市と近い感じがしていたから、小田原とかと同じでもっと静岡寄りかと思っていた。
というか、地図で見たら小田原もそこまで静岡寄りじゃなかった。
湯河原が海沿いなのも地図で見て初めて知った。
箱根ももっと富士山寄りな山の奥深くかと思っていたら意外と海に近いし。
かなり私の地理のイメージがいい加減だったことが判明した。
「鎌倉って慶應大学のSFCがある藤沢よりも東京寄りだからね〜。
まあ、藤沢が東京から遠いという説もあるけど、それでもあそこも意外と近いし。
ある意味、鎌倉は東京の郊外って言っても良いのかも?」
碧が私のコメントに応じた。
藤沢キャンパスね〜。
なんかこう、慶應大学が新しい考え方に基づいた授業のやり方とかで教えるのに、ゆとりのある場所も必要だからと辺鄙な郊外にキャンバスを作ったって聞いた。新しい授業の方法って良さげだな〜と思ったけど不便そうだったし偏差値が高いしで、受験先に選ぶのは結局やめたからあまりしっかりとは調べてないんだよね。
「碧も藤沢キャンパスに興味があったの?」
「まあね〜。
ただ、週末とかに退魔師として遠出しなきゃいけないとなったら藤沢じゃあ不便だし、都内から藤沢まで通学するのは遠いと思ったから。場所を確認した後は、候補から外したの。
あの時に鎌倉の場所も地図で見て、意外に辺鄙と言うか新幹線とかを通しにくい場所にあるな〜とは思ったんだよね」
碧が言った。
まあ、それでもそこそこ東京に近いからこそ、以前仕事で呼ばれた際にはハイヤーで迎えが来たんだろうね。
遠すぎたら車より新幹線を勧められただろう。
そんな呑気なことを言いながら私たちは湘南新宿ラインに乗っていた。
「なんかこの湘南新宿ラインって言うのもよく分からないね。
なんだって湘南で止まらずに横須賀線に名前が変わるんだか。
まあ、今じゃあ色々と乗り入れてどんどん遠くまで行く電車が多くなったから、終点が行方不明なのはこのラインだけの話じゃないけど」
はっきり言って、最近の電車はどこ行きって終点の駅の名前を見ても何処なのか分からないのが殆どだからねぇ。
どっち方面ってことで東京とか品川とか横浜って書いてあるのをプラットフォームを選ぶからなぁ。
確かに乗り換えずにそのまま乗っていればさらに向こうまで行くのは便利っちゃあ便利だけどね。
でも、だったら最初から湘南新宿ラインも横須賀線を伸ばしましたって言ってはいけないんかね?
まあ、横須賀線と東海道線とに伸びているみたいだから、名前が違う電車が同じプラットフォームに来てたら乗客が混乱するから、分岐する前は共同の名称を使う為に湘南新宿ラインと呼んでるのかも?
ゴールデンウィーク中とは言え、今日はカレンダー上では平日の金曜日なお陰で電車の本数は平日と同じだけの数があり、今の時間だと東京発の観光客はもう出払っているのか電車もあまり混んでいなくて、良い感じだ。
これでもっと朝が早かったら混んでいたんだろうけど。
帰りは遅くなったら混むのかなぁ。
ちなみにゴールデンウィーク中は諏訪に移動するのも大変そうだし、都内の方が空いていて快適だろうと言うことで諏訪で過ごすのはゴールデンウィーク明けに移動して1週間あちらでと言うことに予定している。
先月にアイピローやクッションを発送した際にも、5月の発送は1週間遅れますと知らせを入れておいた。
予定がちょっと想定とずれて、観光地でもある鎌倉にゴールデンウィーク中に行くことになったが。まあ、いざとなったら、帰りは車で送らせて車の中で寝るのもありかも?
まだゴールデンウィークが始まったばかりだから、東京への帰路は高速も空いているだろう。
多分。
「鎌倉だったら古くてヤバい骨董品も多そう。
とは言え。古すぎて流石に付喪神付きでも武器とかは錆びて朽ち果ててるかな?」
ちゃんと油を塗って手入れしていたら、刀って700〜900年ぐらい保つのかな?
大事にされてなければ付喪神だってそれだけ年月が過ぎれば眠りについて消えてそうだが。
前世では魔素が豊かな世界だったから、人の想いの様な仄かな力は世界に溢れる魔力に押し流されて、付喪神なんて存在は無かったからなぁ。だから古くなりすぎた付喪神憑きな物がどうなるのかはよく知らない。
前世でも悪霊はいたけどね。
と言うか。
本当に鎌倉時代から残っている悪霊とかがいて、いまだに畏怖の念を集めているとしたらかなり危険な存在になっているかも?
まあ、いざとなったら白龍さまにペシっとやってもらおう。




