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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
通り魔な生霊?!

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敢えて違法行為をする必要はないよ

『昼食が来た』

 生霊の本体(入院中の少女)を見張っていたハネナガから報告が入った。

 午前中に朝食したり体力検査したりしていたものの、その後は部屋で退屈そうに教科書を開いているのを符を描く合間にちらっと視界共有で見たのだが、そろそろランチの時間か。


 私も午前中の作業を切り上げて、ランチを食べるかな〜。

『ちょっと姿だけでなく声も聞かせて?』

 朝食時に視界共有で見た時、どうやら食事を持ってきた看護師さんと何か話している様子だったんだよね。

 今日の母親とかの訪問予定が話題に上ると嬉しいんだけど。


『うむ』

 ハネナガの合意を得て、聴覚も共有する。

 霊だから角膜も鼓膜もないんだけど、視界とか聴覚とかを生きている私と共有できるのって不思議だよね〜。

 便利なんでありがたいけど。

『は〜い、ミキちゃん、お昼よ〜!

 今日はオムライスなの!

 美味しいわよ〜!』

 看護師さんが元気に少女に話しかける。苗字じゃなくて名前でちゃん付けするのって明らかに相手を子供扱いしているからだろうけど、これって何歳ぐらいまでするんだろ?

 高校生ぐらいになったら子供扱いに反発しそう。


 しっかし。体力がない入院患者にとって、あまり元気に話し掛けられるのって疲れないかね?

 と言うか、色々と嫌がらせっぽい悪事をやりたがる様なタイプって元気な陽キャな人が苦手じゃないの?

 まあ、この少女が元気な時に陰キャなのか陽キャなのか、知らないけど。

 やっている事はかなり陰湿だけど、私の高校時代のクラスでもカースト上層部の陽キャな子達の虐めとかは中々酷かったからなぁ。


 私は陰キャとまでは言わないけど前世の記憶が戻ってからはティーンエージャーな陽キャと同じノリで日々を過ごすのはちょっと厳しかったから、その中間層ぐらいな感じで日々を過ごし、必要に応じて意思誘導や認識阻害を使ってウザ絡みするようなのは避けて、不快になる程の虐めも意思誘導で止めていた。


 まあ、それはさておき。

『ありがとう』

 ミキとやらが教科書をどけて看護師に応じる。


『今日もお母さんは来るのかしら?』

 看護師がジュースのパックを取り出してランチのトレーの横に置きながら聞いた。


『そうじゃないんですかね?

 いつもランチのラッシュ時間のパートを終えたら来るみたいだから、また2時半か3時ぐらいに来ると思います。来ないとは聞いてないですし』

 来なくて良いのにと言いたげな、投げやりな返事だった。


 お母さんがパートで働いているのってこの個室の差額ベッド代とかの負担がキツイからだったり?

 毎日お見舞いに来るのも大変だろうに、感謝する気はあまりなさげだね〜。


 本人としては親がこんなひ弱な体に自分を産んだのが悪いって内心で責めてるのかもね。だが幽体離脱体質は生まれつきかもだが、衰弱が酷くて入院する羽目になったのは自分が生霊状態の時に人や物にちょっかいを出し過ぎるせいだよ?


 まあ、本人は知らないんだろうが。

 育ててくれている事を親に感謝しなさいとか、人や物の意図的にぶつかったり蹴ったりするなって言い聞かせても無視しそう。

 取り敢えず、幽体離脱しない様に体にしっかり封じこんで、意思誘導で少しでも相対する人の立場に立って物事を考える癖がつく様にしようかな。


 2時半だったら、これから急いでランチを食べた後に行けば間に合うだろう。


「碧〜、今日のランチ、インスタントラーメンで良い?

 どうもあの生霊の子、親が2時半か3時ぐらいに来るらしいから、その前に忍び込んで処置しちゃいたい」

 符を描くのに使った道具をしまいながら碧に声を掛ける。

 今日のランチ当番は私なのだ。当番が食事の内容を選ぶ権利があるのだが、一応インスタントラーメンとかカップヌードルを選ぶ時は前もって相談することになっている。


 連日続くのはあまり良くないからね。


「良いよ〜。

 私も一緒に行こうか?

 看護師の気を引く必要があったり、その生霊の子があまりに酷い状態だったりしたら治療してあげた方が良いかもだし」

 碧が提案してきた。


「う〜ん……。

 意思誘導で誤魔化すなら人数が少ない方が良いかなぁ。それにあのミキとか言う子は一応普通に体が動くみたいだし、何か体に問題があるとしても碧に態々治療してもらう必要はないと思う」

 まあ、そう簡単にバレないとは思うしあの病院には白魔術師はいないと思うが、近いうちに死ぬかもしれないほどに酷い原因不明な衰弱状態になっていた患者が突然良くなったら、病院側が怪しむかもだからね。

 黒魔術師が幽体離脱癖のある人を体にしっかり封じるのは『治療』じゃないから違法行為にならない筈だが。碧が同情してあの子の健康状態を改善したら違法な治療行為だってイチャモンをつけられるかもしれないからね。


 碧は行かない方が無難だろう。


「そう?

 あんまりにも可哀想な病状だったりしたら、言ってね」

 私の言葉の微妙に納得していなさそうに碧が応じたが、特に何もそれ以上は言わなかった。


 さて。

 急いでラーメンを食べて、病院だ。

 あ、先に近所のキックボードを予約しておこうかな。


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― 新着の感想 ―
幽体離脱でエネルギーを消費すると言うことは ひょっとしてデザート食べ放題!?
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