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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ


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12/21

怪しい予約

「なんかこの予約、変な感じ〜」

 諏訪から戻り。白魔術師で多分日本でも有数な回復師である碧が実質ボランティアでやっているペット専用のカリスマ祈祷師(と言う名称の回復師サービス)のサイトへ入力されていた予約情報を確認していた碧が、眉を顰めながら言った。


 戦後に医療関係の既得権益層が行った政治家へのロビー活動が実を結んだ結果、この国では白魔術師が回復師として人間を癒す事は基本的に許されていない。

 退魔師として依頼を受けている最中に起きた負傷などへの緊急対応や、医師免許を持つ人間の監督下でなければ医師法違反として摘発されるのだ。


 しかも大手医療機関は白魔術師を徹底的に叩き潰さねば自分達を脅かす敵と見做している。なので碧の叔父の様に白魔術師の才能持ちが医師免許を取ってクリニックを開業しても、嫌がらせを金と人力に任せてひたすら繰り返し、離島まで追い払われる羽目になる。


 政治家や経営者などのお抱え回復師みたいに働く分には手を出してこないかもだが。残念ながら、金儲けよりも一般の人を助けたいなんて言う善意と誠意に溢れた白魔術師は、金と権威に拘る大手医療機関の嫌がらせに勝てないのだ。


 そのくせ、若い女性である碧が白魔術師として才能があるからと、自分を癒せと退魔協会に圧力をかけて来る政治家がいるのだから、ふざけるなと言う感じだが。


 と言う事で、碧は自分や私のダイエットや体調管理の為にしか回復師としての力を使う事はない。だがやはり持って生まれた才能を全く活かさないのは勿体無いということで、怪しげなカリスマ祈祷師が祈って奇跡を起こしているという形で治療サービスをペット限定で提供している。

 人間はどうしても、口を開くからねぇ。

 どれだけ助けられた瞬間には感謝していて絶対に話を広めないと約束しようと、金を積まれたり家族や親しい人が不治の病に犯されたらあっさり立場を変えて、自分が望む相手を癒してくれなければ違法行為の証人になると脅して来るのが人間だ。


 カリスマ祈祷師は碧の実家の知り合いでもある近所の神社の一室を借りてやっているんだけど、取り敢えず大学卒業後は週2日ほど午前中だけと言う形にしている。

 ネットで予約を管理して、私が当日受付の手伝いをしているのだが……妙なのが予約を入れてきたらしい。


「以前来たみたいな政治家?」

 以前、どこぞの政治家がカリスマ祈祷師の時間の枠を適当なペットの名前を使って確保して、自分を治療しろと脅してきたんだよね〜。


 愛し子である碧を脅して意に反する行為をやらせようとしたと言う事で、白龍さまから天罰をくらって最終的には政治の世界から姿を消していたけど。

 あれで政治関係の人間は碧に手を出すことの危険性を理解したと思ったが。


「前回から数年経ったから、あのアホの事を知らない別のお偉い先生がごねに来るんかね?」

 考えてみたら何度かあれから選挙もあったし、一度与党がボロ負けしてそこそこ歳をいった連中が落選した上に、次の選挙で今度は野党がボロ負けしてそっちのベテラン勢もかなり消えたからなぁ。


 触っちゃいけない存在の関する情報が途絶えたのかも?


「かもね。

 なんかこう、ペットに対する愛情も病気に関する心配の言葉も微妙な上に、症状とかの説明も妙に漠然としている。まるでネットで見かける病気相談サイトに書いてある内容を大袈裟にして適当に繋いだ感じで、一貫性がないんだよね。

 本当にこんな症状を1匹の犬が示していたら、死ぬ寸前なのか、仮病を使う世にも珍しいぐらい賢い犬なのかも」

 碧が言った。


 仮病を使う犬ねぇ。

 予防接種に行こうとしたら地面に這いつくばって動こうとしない程度はやるだろうけど、仮病なんて無さそう。

 まあ、飼い主が心配性で勝手に症状を想像してでっち上げているケースもゼロではないとは思うけどね。


「明日は、変な録音とかしてないか普段よりも更に注意を払って確認しておこう」

 ペットが相手とは言え、カリスマ祈祷師もやっている事が証拠付きで公になればこれも獣医師法違反かもだから、変な連中が来てないかを毎回私がさらっと記憶を読んで確認しているんだけどね。


 いや、『祈祷師』を自称していて、道具は何も使わずに祈って奇跡を起こしてペットの体の不調を治しているだけなのだ。

 しかもやっているのは宗教法人の敷地内。

 奇跡を起こすのを違法行為として取り締まれるかは微妙なラインかも?

 これで取り締まれるとなったら、実質世の中の祈祷師は全て詐欺師じゃなきゃいけないって話になるよね?


 現実としては祈祷師なんて詐欺師が殆どだとは思うけどさ。流石に国の権力で詐欺師以外は違法行為だと摘発するのはそれはそれでどうなの?って話になる。


 取り敢えず。

 明日は飼い主の記憶のチェックだけでなく、身の回りの電子機器に関しても注意を払っておこう。


 黒魔術師って魂だけでなく、神経伝達を含む意思に介入できる特性があるせいか、今世で頑張って鍛錬したら電気の流れとかにも敏感になって、多少は干渉もできる様になったんだよね。


 せいぜい盗聴器を見つけられる程度なんだけど。

 ペットのキャリーケースや首輪に何か盗聴器や盗撮用のカメラを付けてあったら分かる筈。

 多分。


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