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第4話 ややのんびり魔物討伐

少しずつ森の一部を整地していく。それからも徐々にレベルも上がっていくが、経験値も少しずつ少なくなっていっている。


「あー! いつになったら終わるんだ!」

「まぁ、大変ですからね」


シュネは俺の口調に関しては気にしなくなった。あんな胡散臭い言い方をしていた時は、正直違和感しか感じなかったが、こっちの方が俺的にはしっくりくる。

畑を作り、種を埋めて農作物を作っていき、食料確保も少しずつだが行っていく。

家の方に関しては、木の家で完成まではまだ時間はかかる。


「休憩しますか?」

「うん、しようか。シュネはイフと一緒に王都の方へ行ってきてくれないか? この素材を持って装備を整えたほうがいい」

「分かりました! じゃあイフ。一緒に行こうね!」


グリフィンの名前は“イフ”となり、あっという間にシュネと仲良くなった。異世界に来てからだいぶ時間は経ち、二ヶ月が普通に超える。

何故シュネが死にたがっていたのか、理由は分からなかったが、これ以上追及はしない、と心に決めていた。


この『黒い森』には太陽光が差し掛かるようになり、常に暗かったはずの森には、光が照らされる。魔物の住処と言われるぐらい、魔物の量が多かったこの森では、だいぶ数が減っていた。


その情報としてはシックルが常に教えてくれる。ほんと便利。まじで。困ったらこれ。と言わんばかりぐらいにシックルが役に立ちまくっている。

一瞬でもパートナー交代してほしい。と、思ったがその思いは綺麗に消え去る。


少しずつ小鳥の囀りも増え、豊かになっていた。


(よーし! 決めた! ここに国を作ろう!)

『寝言は寝ていえ』

(えー、“死神が作った国”! よくね?)

『多分観光客は来ないだろうな』


確かにそうだ。死神が作ったとなれば、よからぬ噂が流れる。


元々死神は悪い存在として扱われている。死神が心霊写真に映ると命の危機が迫っているだとか、フランスやスペイン、イタリアでは死神は女性の姿をしているとのこと。


この情報は生前で調べた情報。最近では魔物の中で記憶力のいい魔物も増え、そのスキルとして貰った。その魔物というのがオーガ。この異世界ではそうらしい。俺のオーガでのイメージとは異なっているが、常識が外れている。

そのスキルというのが、『絶対記憶』

知識を忘れることはないらしく、万能スキル。だが、覚えたものは忘れることはできないため、嫌なことも思い出すというデメリットも存在するだとか。





そんなオーガの力では、強靭的な肉体と自由に姿を変えることのできるスキルも手に入れた。

スキル『擬態』

だが、死神の俺からしたら使うことはあるのか。

いや、あるわ!

このままずっと死神だったら、まじで人間と会った時、ガチで魔物扱いされるって!!




そんなスキルで生前の俺の姿にならないかなぁー、とか思ったがそこまで良いものはなかった。


(ハァ…、人間に戻りたいよぉおおおおお!!)





心に思っていることが叫び倒す。正直人間の頃の生活が恋しい。だが、また正直にいうと死神での生活に慣れた。


とりあえずまだ完成できなさそうにない、木造建築の家を見ながら、俺は取っていた果物を食べる。

リンゴのような果実が口いっぱいに広がり、満腹感は得られなくとも、うまい。





だが、後ろから嫌な気配を感じとる。鎌を握りしめ、後ろを振り返る。

そこには人間よりもでかく、生えている木よりもでかいゴーレムが姿を表す。

この森で魔物は殆どが小さな魔物。オークやオーガは違うが、大体が小さい魔物となっている。 





肩にキノコが生えているそのゴーレムは、巨大な手を握りしめ、拳の形にする。そんな拳を振り下ろした。

躱し、俺は鎌で交戦するもやはり圧倒的に強い。


「———『雷刃』!!」


雷の電撃がゴーレムの腕を切り落とす。血が出るということはなかったが、ダメージは与えられているはず。

雷の轟音と共に、ゴーレムの叫び声を聞こえる。


『ガァアアアアア!!』


———ドスン!!    ドゴッ!!


「あっぶねぇ! Bランクだろうが、平気!!」


確実に俺目当てで拳を落としてくる。地面にはその手形の跡がつき、下手したら骨がバラバラになる。


異世界での魔物は、強さなどによってランクが変わる。それを最初に決めたのが誰なのか、まだはっきりと分かっていないが、少なくとも1000年も前から言われている。と、今じゃ考古学の人たちに言われている。


FからSランクにまで分けられており、王都に存在する本屋ではその魔物の種類が書かれている分厚い本も置かれているのだそう。


「———『電撃弾』!!!」


鎌を大きく振ると、電撃纏った弾丸がゴーレムを射抜く。レベル上げの恩恵のおかげで、かなり戦いやすくなった現状。

Bランクぐらいなら余裕で倒せるようになる。


———ドン!! シュゥゥゥ


ゴーレムを倒したことにより、レベルは25になる。かなり早いんじゃないだろうか。異世界に来て二ヶ月で25は全然遅いのか。

これなら本格的にシュネとイフのレベル上げにも専念したほうが良さそうだ。


(2人のレベル上げでは、まずは衣食住を整えてからだな)


まず整えなければならないこの三つ。雨に打たれ、雷に打たれようが、家がない。

それじゃあ意味がなくなる。最初ではかなり整地の方に時間を費やしたため、家の完成が遅くなっているが、本当にあと屋根だけ。壁や扉などはしっかりと作った。

だが、あと屋根だけで家は終わる。それが終わった後は、一ヶ月ぐらいゆっくりしよう。



《新たなスキル取得》

 ゴーレムの使役

《詳細》

 魔法『土魔法・石魔法』でゴーレムを作ることが可能。レベルを上げれば言葉を話せるようになる。



という情報が一斉に脳裏に現れる。詳細の内容を見た後、早速俺は土でのゴーレムを作成した。

先程倒したゴーレムと同等の体格。守りにできそうだ。それに、新たな人手も増えた。

木材の運びや、石の撤去。のんびりに過ごすにはある程度の豊かさが必要だ。


(……よし、これで防御と…………)


ゴーレムは俺を主人と思っているのか、木材の撤去と石の撤去を始める。まだ言っていないはずなのに動いてくれるのは、正直助かる。


あの2人が帰ってくる前に、俺は再び森に入り獣を探していたが、やはり全然いない。

異世界に来てから獣肉なんて食べた事ない。ほとんどが魔物肉。最初は躊躇ったが、案外食べると美味しかった。あとは魚。

近くにある川で魚を取って焼いて食べた。魚担当はイフに任せて、魔物は俺とシュネがやっていた。

  




目の前にオークが姿を表す。今回の食材になってもらうしかない。そういう思いで俺は、持っていた鎌を握りしめ、オークに襲いかかる。




俺が襲いかかったのを見たオークは、生えていた木を地面から取り出し、それで交戦してくる。

ぶん回される木でなかなか近づけない。


『グガァアアア!』


「くそ、全然隙が生まれない」


なかなか隙が生まれず、結構苦戦していた。地面を蹴って、空中を舞う。そしてオークの持っていた木を利用し、オークの後ろに回る。

回ったことを確認し、俺は持っていた鎌で切りつけた。何度も何度も切りつけ、オークはよろめきを見せる。

もう勝負はついたも同然だった。


しばらくは様子を見た。オークからの攻撃にも対応できるように準備していたが、ピクリとも動かない。どうやら倒せたようだ。

腰があったはずの場所からナイフを取り出す。死神が鎌以外の武器を使うのも、最初は何だこれ。とか思っていたが、なんか慣れた。


(さて、解体)


この解体作業に慣れたことに恐ろしさを感じているが、これ以上は考えたくもない。

2人が帰ってきた時に準備できるように、焚き火で直焼をする。オークの肉を持てる限りで持って帰るとかなりの量になった。

香ばしい匂いが鼻をつく。


(美味そう)


死神なのに満腹感が得られるとか、最初は思わない。お腹が鳴る音が聞こえる。ちゃんとそこら辺は健在だ。2人が帰ってくるまで待つのも無理だったため、先につまみ食いした。



ーおまけー


「ただいま帰りました」

「ぐるる!」


一時間も経つと2人が帰ってくる。時間はもう夜。かなり遅かった。


「あれ、私たちの分は……」

「ぐるる?」

「あ、……」


すっかり忘れていた。頭からそのことを忘れていたため、気がついた時にはもう既に全部食べていた。

2人からの威圧な目線が怖い。


「リーパーさん、私たちの分は?」「ぐるる?」

「ごめん、もう一回狩ってくるから、それで許して」


その後は“3人”で仲良く食べた。

けど、流石にお腹いっぱいなため、殆どのオークの肉は2人がたらふく食べる。


ーーーーーーーーーーーーーー


リーパーのステータス

【名前】リーパー

【種族】死神

【職業】無職

【状態】死亡 骸骨

【レベル】25

【体力】0/10

【魔力】300/300

【スキル】

 ・鎌の声

 ・皮膚保存

 ・擬態

 ・絶対記憶

 ・ゴーレム使役

 ・強靭肉体



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