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トカゲと散歩、私も一緒  作者: *ファタル*
番外編 新婚編
360/360

雨季ー51

今回は2000字程。

これで「トカゲと散歩、私も一緒」は完結です。

ご愛読ありがとうございました。

これからもシリーズをよろしくお願いします。

次のお仕事編はこれの続きじゃなく、新しいお話で書きます。

 落ち着いたので周りを見渡すと、ずぶぬれの隊士さんと濡れてない隊士さんで1階はごった返していた。

 いつの間に。さっきまで数人しかいなかったのに。



「クルビス隊長、シード副隊長。周囲を捜索しましたが、他の仲間は見つかりませんでした。」



「そうか。引き続き捜索と、巡回の強化をする。シード。」



「ああ。すぐ班を組む。」



 クルビスさんが来たことで、シードさんは護衛から外れるみたいだ。

 咄嗟に庇ってもらったのでお礼を言うと、苦笑が返ってきた。



「ハルカらしい。ありがとな。でも、それはルドに言ってくれ。捕まえたのはあいつだからさ。」



「はい。ルドさんにももちろん。でも、シードさんにもお礼を。おふたりがいたから、私は安全でいられました。」



 きっと外から伺ってたやつは、もっと前から潜んでいただろう。

 でも、ひとが減った後も手が出せなかった。



 それは、体術で強くて有名なシードさんがいたからだと思ってる。

 シードさんのニシキヘビみたいな独特の模様は目立つしね。



 あの模様がちらりと見えただけでも、近づけなかっただろう。

 だから、シードさんにもお礼を。そう言うとやっとうけてくれた。



「俺からも。ありがとう。シード。いてくれて助かった。」



「いいや。俺の仕事さ。ホント、番で似てるよなあ。じゃあ、班組んでくるわ。出来たら報告する。外回ってる巡回のやつらへの連絡はまかせるぜ。」



 楽しそうにシードさんが席を離れていく。

 何が似てたんだろう?今度聞いてみよう。



 シードさんと別れた後、クルビスさんは私を抱えたまま、通信機で各詰め所と連絡を取っていく。

 さっきの今じゃあ、とても離してくれそうにない。



 心配かけたしなあ。

 さっき怯えてたのなだめてもらったし、しょうがないか。



 そうこうするうちに、さっき捕まった犯人が連れられてきた。

 気を失ってるようだけど、こっちもスタグノ族だ。目の周りが真っ黒。



 腕にケガをしているように見える。

 ルドさんが抑えた時についたんだろうか。



「クルビス。後はまかせる。もう仕込みの時間だ。調書は後でいいか?」



 後ろからついてきたルドさんが声をかけてくる。

 当たり前だけど、外に出てたからずぶぬれだ。



 入口まで結構な距離があるのに、良く一瞬でたどりつけたよね。

 こういうのもこっちじゃ普通なんだろうか。



「ああ。ありがとう。ルドがいてくれて助かった。さすが元戦士部隊。」



ええっ。ルドさん、戦士部隊の隊士さんだったの?

そりゃ強いわ。



何か事情があって今は料理長をしてるんだろうけど、その立派な体格は伊達じゃなかったってことなんだなあ。

もったいないとも思うけど、毎日の美味しい料理を食べてる身としては、今はルドさんが料理長で良かったと思う。



「いや。たまたま外が見える位置にいただけさ。シードがいたから飛び出せた。ハルカにケガは?」



「ありません。ルドさんありがとうございました。」



「礼なら、今度の汁粉のトッピングを試すのに付き合ってくれ。アイスも焼き菓子も用意しておく。」



 ルドさんらしいなあ。もう根っからの料理人だよね。

 そんなことでいいならと二つ返事を返すと、楽しそうに笑って奥に向かった。



 その後、クルビスさんのところにいろいろな報告が大量に来るようになるけど、クルビスさんはそれをテキパキと片付けて、情報を精査していった。



 その情報を集めた所、結局、犯人の仲間らしき姿は見つからなかったそうだ。

 つかまったスタグノ族に魔素の感知を阻害する術式が掘り込まれていたことから、ひとりだけで搖動のために地上にヒビをいれていたのだろうという見解になった。



 後で目を覚ました犯人からも直接聞き出したから間違いなさそうだけど、少数で攻め込もうとしていると思った私の勘はあたったらしい。

 事態が落ち着いた後で、そのことにクルビスさんにお礼を言われたけど、思いつきで口にしたことなので何とも対応に困ったのはまた別の話だ。



 まあそれで、他の地区でも同じように魔素を感知できない犯人が潜んでいる可能性があるといって、急いで中央に連絡を取ると、メラさんがすぐに対応してくれた。

 いつまでも見つからない地上の犯人たちにメラさんもその可能性を考えていたらしく、話を聞いてすぐに犯人の感知が難しいことと、各守備隊でも班を組んで複数での行動を義務づける通達を出してくれた。



「成る程な。魔素を消すか。やってくれる。後はこちらで知らせておこう。それで、地下の連中の対策はどうだ?」



「それはキィが見つけました。」



 この騒ぎでも術式と塗料の検証を行っていたキィさんは、この短時間で上手く塗れば少しの量で術式が発動しないことまで突き止めていた。

 キィさんが結果を報告すると、メラさんはすぐさまこれも各地区に対応を求め、脱走を試みていた犯人グループを抑え込むのに役立ったそうだ。



 同じくフェラリーデさんも大忙しで、キィさんと一緒に塗料の効果を確かめた後は、塗料が害をなさないかの検査とこの騒ぎに不安になった避難してきたひと達への対応で大変だったらしい。

 リリィさんが「少しはお休みくださいっ。」と怒っている珍しい光景も見れたくらいだ。



 ちなみに、この辺の話の流れはぜ~んぶクルビスさんの腕の中で一緒に聞きました。

 ホントに離してくれなくなって、この後数日間は、お仕事中だろうとお風呂だろうと食事だろうと、ず~と一緒にいることになった。



 さすがにトイレは離してくれたけど…。

 ドラゴンの伴侶になるって、憧れてたけど実際はすごく大変。



 クルビスさんはトカゲの一族だからこれくらいですんでるって聞いたけど、純粋なドラゴンの一族だったらどうなるんだろう。

 あ、そっか、巣に籠って出てこなくなるんだっけ。それも大変だなあ。



 雨季の間に蜜月終わってくれないかなあ。

 雨季の後、私転移局ではたらくんだけど。

いろいろお知らせがあるので、ここにも書かせてもらいます。

年末年始にお休みをいただきます。

12月29日の昼から1月の12日の昼までです。

詳しくは活動報告にて。

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