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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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『コーヒー』『指サック』

『コーヒー』


 少し寒い事務所で、温かいコーヒーを淹れて飲むのが好きだ。


 その日も、コーヒーを淹れた。コーヒーのいい匂いとマグカップのぬくもりに癒されながら、仕事で少し疲れた頭を休めた。


 電話が鳴って、応対した。大した用事でもなく、1、2分で電話を切った。


 冷めないうちに飲もうとしたコーヒーは、マグカップの中で凍っていた。



『指サック』


 手が乾燥気味で、紙の書類を触るときは輪っか状で指の先端部が出るタイプの指サックを愛用している。


 短時間だけだし、蒸れにくいのが気に入っている。


 この前買った、可愛い見た目の指サックをはめた。少しきついけれど、書類を触っている間は問題なく使えた。


 外そうとしたら、外れなくなった。シリコン製だし、伸びるはずなのに一向に外れない。


 終業時まで外れず、私はハサミで切ろうとしたがうまくいかず、カッターで切った。


 指まで切ってしまって、少し泣いた。


 


読んでくださり、ありがとうございます。

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