26話 挨拶と演習!なのです!!②
海上基地に設けられた演習ドック。
湊たちが到着すると、すでに別のドックには一つの部隊が待機していた。
「おっ、来た来た!」
元気な声とともに、一人の整備士が手を振る。
その後ろには四人の潜水娘が整列していた。
「初めまして。第二ドックの整備士『海鳥』だ。今日はよろしく!」
湊も軽く頭を下げる。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
整備士同士が握手を交わすと、潜水娘たちも前へ出る。
「私は、みきしお型新型潜水艦・1番艦『みきしお』なのです!」
「そうりゅう型新型潜水艦・13番艦『てんりゅう』よ。よろしくね」
「ん~~、私は~ドイツ製ハイドラ級輸送潜水艦・1番艦『U-ハイドラ』……よろしく~」
「くろしお型工作潜水艦一番艦『くろしお』です! 一緒に頑張ろうね!」
最後に、ずいほうが一歩前へ出る。
「ずいほう型水中機潜水母艦・1番艦『ずいほう』なの……よろしく、なの」
演習相手の潜水娘たちは少し驚いた表情を見せた。
「その子が噂の試作機? 私は、おやしお型潜水艦・2番艦『うずしお』よ」
「長い間眠っていたって聞いたけど、本当に動くんだ~。あ、私はU-ジークフリート級潜水艦・5番艦『ブリュンヒルト』ですよ~」
「しかも水中機潜水母艦って……初めて見た。……あ、私はジークフリート級・6番艦『ファフニール』……です。よろしく、です……」
「…………ふかしお型輸送潜水艦・1番艦……『ふかしお』……です……」
視線が集まる。
ずいほうは少しだけ湊の後ろへ隠れる。
まだ、人前には慣れていなかった。
湊は優しく声を掛ける。
「大丈夫」
その一言だけで、ずいほうは小さく頷いた。
「……ありがとう、なの」
演習相手の整備士は笑う。
「でも、今日は遠慮しないからね」
「こちらも全力でいかせてもらうよ」
湊も笑みを返した。
「望むところです」
穏やかな空気の中にも、演習前らしい緊張感が少しずつ漂い始めていた。
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