155話 続く!なのです!!①
旧観測施設。
「よし! それじゃあ、この扉を確認しますね!」
くろしおは、目の前にある扉を調べ始めた。
扉の表面には細かな傷があり、長い年月が経過していることがうかがえる。
「……音は、まだ聞こえます……」
潜龍が静かに告げた。
「どんな音なの?」
ヴェイルが尋ねる。
「……一定の間隔で、機械が動いているような音がします……」
「なるほど……。まだ設備が動いている可能性があるということですね!」
よなぐにが頷く。
「はい! もしかしたら、電源が残っているのかもしれません!」
くろしおは扉の周囲を確認した。
「ただ、扉が古くなっているので、無理に開けるのは危険ですね……」
「それなら、私たちで慎重に開けましょう♪」
ヴェイルが提案する。
「はい! お願いします!」
くろしおは扉の状態を確認しながら、開けられそうな場所を探した。
「……右側に、少し隙間があります……」
潜龍が指差す。
「本当ですね! そこからなら、開けられるかもしれません!」
くろしおは慎重に扉へ手をかけた。
「せーのっ!」
4人で力を合わせ、ゆっくりと扉を動かしていく。
ギギギ……。
古びた音を立てながら、扉が少しずつ開いていった。
「開きました!」
よなぐにが声を上げる。
「それじゃあ、中を確認しましょう!」
くろしおたちは、警戒しながら部屋の中へ入った。
そこは、いくつもの機械が並んだ部屋だった。
壁には古いモニターが取り付けられ、中央には大きな装置が設置されている。
そして、その装置から小さな機械音が響いていた。
「……この音です……」
潜龍が装置を見つめる。
「これが、音の正体だったんですね!」
よなぐにが頷いた。
「ずいぶん古い機械みたいですね……。いったい、何のための装置なんでしょう?」
ヴェイルが周囲を見回す。
「少し調べてみますね!」
くろしおは装置の周りを確認した。
すると、近くに古い操作盤があることに気づいた。
「これなら、何かわかるかもしれません!」
操作盤には、いくつかの表示と小さな文字が残されていた。
くろしおは表示を確認し、資料と照らし合わせる。
「ええと……これは、海底の環境を観測するための装置みたいです!」
「海底の環境を観測?」
よなぐにが首をかしげる。
「はい! 水温や水圧などを測定して、そのデータを記録するための設備みたいですね!」
「なるほど♪ だから、観測施設だったのね」
ヴェイルが納得したように頷いた。
「でも、こんなに古い施設なのに、どうしてまだ動いているんでしょう?」
よなぐにが疑問を口にする。
「電源が完全には失われていないみたいです。それに、この装置は観測データを記録するために動き続けていたようですね」
くろしおは操作盤を確認しながら答えた。
「……こちらに、記録が残っています……」
潜龍が近くの端末を指差した。
画面には、古い観測記録が表示されていた。
「……かなり前の記録ですね……」
「本当ですね! これを持ち帰れば、施設が何を観測していたのか、もっと詳しくわかるかもしれません!」
くろしおが嬉しそうに言った。
「それじゃあ、記録を回収して、施設全体の状態も確認しましょう!」
よなぐにの言葉に、3人も頷いた。
その後、4人は施設の内部を調査し、残されていた記録を回収した。
幸い、ほかに異常な反応はなく、エネルギアの姿も確認されなかった。
「これで、今回の調査は完了ですね!」
くろしおが笑顔で言った。
「そうですね♪ 思ったよりも安全に調査できてよかったわ」
ヴェイルも微笑む。
「……機械音の正体もわかりましたし、これで報告できますね……」
潜龍が頷いた。
「はい! それじゃあ、アーク・トリニティへ帰還しましょう!」
よなぐにが元気よく告げた。
4人は旧観測施設を後にし、海上移動基地『アーク・トリニティ』へと帰還していった。
◇
海上移動基地『アーク・トリニティ』。
第四ドック。
「おかえり、みんな!」
帰還した4人を、湊が出迎えた。
「ただいま戻りました!」
くろしおが元気よく返事をする。
「任務はどうだった?」
「はい! 施設の調査は無事に完了しました!」
くろしおは回収した記録を湊に渡した。
「施設の中には、海底の環境を観測するための設備が残っていました。今も動いていたのは、記録を取り続けていたからみたいです!」
「なるほど……。そんな施設が残っていたんだね」
湊は資料を受け取り、頷いた。
「……ほかに異常はありませんでした……」
潜龍も報告する。
「そっか。みんな、任務お疲れさま!」
「ありがとうございます!」
4人は笑顔で答えた。
「それじゃあ、今日はゆっくり休んでね。詳しい報告は、あとでまとめよう」
「はい!」
こうして、旧観測施設の調査任務は無事に完了した。
◇
第四ドック。
「それでね! 施設の中には、古い機械がたくさんあったんですよ!」
くろしおは、仲間たちに任務の話をしていた。
「へえ~! そんな施設があったんだ!」
サクラが興味深そうに聞いている。
「観測記録も残っていたのです?」
ずいほうが尋ねた。
「はい! かなり古い記録でしたけど、回収できました!」
「すごいですね......」
ローズが微笑む。
「無事に帰ってきてくれてよかったのです!」
みきしおが嬉しそうに言った。
「うん! みんなのおかげで、無事に任務を終えられたよ!」
くろしおは笑顔で答えた。
その様子を見ていた湊も、穏やかに微笑んでいた。
今日も第四ドックには、みんなの楽しそうな声が響いている。
訓練をする者。
整備に励む者。
仲間たちとおしゃべりを楽しむ者。
それぞれが、それぞれの時間を過ごしていた。
「整備士さん! 次はどんな任務があるのです?」
みきしおが尋ねる。
「そうだね。司令官から、また新しい任務が来るかもしれない」
「楽しみなのです!」
みきしおは元気よく笑った。
「でも、その前に訓練を忘れないようにね」
てんりゅうが言う
「は~~い」
「ちゃんとわかってるの?」
「わかってるよ~~」
元気な返事が、第四ドックに響き渡る。
「賑やかで良いですね♪」
海の底には、まだ知られていない場所がたくさんある。
これからも、彼女たちはさまざまな任務に挑み、仲間たちと日々を過ごしていくのだろう。
湊と潜水娘たちの日常は、今日も変わらず続いていく。
――これからも続く。




