1話 新整備士!着任です!!①
バタバタバタ、と激しい輸送ヘリの音が響いている。窓の外には、どこまでも続く鈍色の荒れた海。座席に座る不思議な服装の人影が、タブレット端末のメールを見ていた。
「おまえには整備士として潜水娘たちの指揮と整備……つまりは世話をお願いしたい。そのヘリに乗り、基地に向かってくれ。そして、そこがおまえの仕事場であり暮らす場所だ。必ず成果を上げ、我が国と同盟国に明るい未来を届けてくれ。」
メールにはそう書かれている。
「たしか、何十年も前に地上資源が枯渇して、海底資源に頼ってるんだっけ……。今日の海は特に不気味だな……あ、あれが海上移動基地『アーク・トリニティ』かな」
ヘリの窓の外、目の前には海上に浮かぶ巨大な建造物が見えてきた。
「あれ、全部海底資源でできているのか……すごいな」
輸送ヘリはやがてヘリポートに着陸した。
「……ここが……」
整備士は荷物を持って歩き出した。周りを見ると、作業員や他の整備士の姿が見える。整備士は青を基調とした迷彩服のような格好のため、すぐにわかる。それと、サングラスのようなものが付いた帽子「スマート・バイザー」を被っている。
ピコン、と、整備士の端末にメールが来た。
「着いたようだな。おまえの仕事場は『第四ドック』のエリアに用意している。そこへ向かうといい。場所がわからなければ、周りの人に聞いてくれ」
そう書いてあったので向かう。
「ここか……」
壁に大きく「第四ドック」と書かれている。整備士は中に入った。
ドックの中は、出撃・練習用巨大プールと整備士の部屋、そしてくつろぎスペースのある普通の空間だ。
「……」
視線を感じる。
「ん?」
整備士は巨大プールのほうを見る。そこには女の子が三人、こちらを覗いていた。
「あの子たちは、もしかして」
ピコン、とまたメールが来た。
「言い忘れていたが、おまえに三人の潜水娘を譲渡しよう。彼女たちをバッチリ導いてくれ。」
「なるほど、」
「もしかして、整備士さん?」
三人の女の子の一人が声を上げる。
「あぁ、そうだよ。今日からここに着任した。整備士の『湊』、よろしくね。」
「整備士さんが来ました!」
「ちょっと! 慌ててでないでよ!」
「~?」
三人は慌てて出てきて敬礼した。
「はじめまして! 整備士さん! 私はみきしお型・1番艦『みきしお』です! よろしくお願いいたします!」
茶髪と茶色い瞳の小柄な少女「みきしお」が元気よく挨拶する。
「そうりゅう型・13番艦『てんりゅう』よ……よろしくね、整備士さん」
黒髪ショートの少女「てんりゅう」が挨拶する。
「ハイドラ級輸送潜水艦・1番艦『U-ハイドラ』だよ~よろしくね~」
眠そうにしている白髪の少女「U-ハイドラ」が挨拶した。
「うん、よろしくね。皆!」
「「「はい!」」」
三人娘は元気よく返事をした。これから何が始まるのか、それは大海原が知っているかもしれない。
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