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204.神 対 神

204.神 対 神



「ローレライも来てたんだな」


「はい。存在を忘れられてなくて良かったです。ご依頼が難しいものでしたので、外交ルートを通すのが大変でしたよ?」


「お前にしか任せられないからな。俺がいないとなると、お前くらいにしか任せられないと思ったんだ。すまなかったな」


「私だけが頼りだった。良い言質ですね。これは加点ですね!」


「???」


駆けつけてくれたアリシアやラッカライ、そしてブリギッテだったが、実はローレライもいた。実は彼女にはちょっとした依頼をしていて、見事その役目を果たしてくれたようだ。


ただ、アリシアやラッカライたちを見ながら『加点』とか何とか言っている意味はよく分からずに、俺は首を傾げる。


そんな俺たちの会話の一方で、ブリギッテの存在に仰天している者たちもいた。


もちろん、俺の生徒達だ。


「ブリギッテさんて旅館の女将じゃなかったんですか!? え!? 本物!? え!? 本物ってどういうこと~!?」


先ほど合流した際に、彼女が何者かをちゃんと生徒達にも説明した。


『ブリギッテ』という名前は、世間にはよくある名前なので、まさかブリギッテ教の始祖であり、リズレット・アルカノン教皇を超える存在。というか、そもそもの始祖であるとは予想だにしていなかったようだ。


そんなわけでフィネも、ソラも、キュールネーも、騒いだり目を丸くしている。


まぁ、実質的には生きる神だしな。


「ちょっと長生きしているだけですよ。これからも女将ブリギッテとして、仲良くしてくださいね」


「しかも無茶言う人だ、この人!」


「フィネ! この人じゃないでしょ! 『この神!』が正解よ」


「大事なのはそこでいいのかしら?」


「あらあら、なかなかいいつっこみですね。さすがアリアケ君の生徒さんたちです。将来は旅館に引き抜いてお姉さんと一緒に旅館経営しませんか?」


ブリギッテはニコニコとしていて、まったく緊迫感がない。


ただし、


「賢者パーティーがそろいぶみですか。そろそろ世界の趨勢が決まるって感じなのじゃろうな」


「まぁアー君がそう思ってるんですから、そうなんでしょうね」


「お姉様たちは相変わらず余裕ですね。ボクは緊張してきました」


「お主は邪神を倒したりしたのに、初々しいのう。だが、それが良いの」


賢者パーティーの面々も緊張感はやはりなかった。


「ていうかですね。アー君がいつも通りだから、緊張感がないんですよ? まったく。これから神様をぶち倒そうっていう時なのに」


「アリシア。当たり前のように、俺の考えを読むんじゃない」


夫婦生活が始まってから、以心伝心の度合いが急上昇している気がする。


まあそれは置いておくとして。


「ついたぞ、お前たち」


俺の言葉に、全員がそれぞれ前方に向き直る。


空中神殿の終着点。


そこには白亜の神殿が鎮座していた。


神おわす場所。


ここに二柱の神がいることだろう。


ワイズ神。


最も新しい神。ルギ。


そして、そのことは一つの事実を率直に告げていた。


「神と神の戦いか。まさに終末戦争だな」


俺の言葉に、生徒達がゴクリと喉を鳴らした。


そう、これは神と神の黄昏の戦い。


こちらにブリギッテとそしてもう一人……。


ゆえに、神同士が戦うことになるラグナロクに他ならないのだ。


「準備はいいな、お前たち」


その言葉に、


『おう』


余裕な者。


緊張する者。


感情を見せぬ者。


だが、いずれにしても、俺を信じた者たちは威勢よく返事をかえす。


そして、神座カミクラたる神殿へと、足を踏み入れたのだった。


もちろん、そこには、


「待っていたぞ。救世主アリアケ、現人神ブリギッテよ」


「ケルベロスも倒すなんて、さすが先生たちですね」


神たる二柱が待っていた。


俺たちと神と神の戦い(ラグナロク)を始めるために。


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