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十九話 次回最終話

十九話 打ち切り臭


19話 物語は、ここから始まる


夕暮れだった


城の屋上


赤い空


強い風


いかにも“ここから新章始まります”って感じだった


海斗は柵へ寄りかかりながら空を見上げる


「なんか……

 最終回みたいな空気だな……」


でも違う


タイトルは、


“物語は、ここから始まる”


つまり、


ここから新展開だった


海斗は覚えている


当時の自分だ


PVが伸びなかった


だから考えた


“ここで一気にデカいこと始めよう”


新章


新設定


新敵


新勢力


全部まとめて入れるつもりだった


「うわぁ……

 焦ってるなぁ当時の俺……」


その時だった


空が揺れた


ゴゴゴゴゴ……


巨大な魔法陣が空を覆う


兵士達がざわめく


「な、なんだこれは……!?」


「空が……!」


セレスが顔を青ざめる


「まさか……

 “終焉の門”……!」


「増えたぁ!!」


海斗が絶叫する


『新章要素だった』


「雑に生やすな!!」


空中へ巨大な亀裂が走る


黒い雷


不気味な光


完全に“ラスボス編始まります”の空気だった


ヴァルドが剣を抜く


「ついに来たか……」


「お前知ってんの!?」


ガイムまで真剣だった


「伝承は本当だったんだな……」


「伝承増えすぎなんだよ!!」


海斗は頭を抱える


覚えがあった


当時の自分だ


新章を始める時、


“なんかデカそうな設定”


を大量に投下する癖があった


だから今、


世界が急に終末感を出し始めていた


その時、


空の裂け目から声が響く


『――見つけた』


低い声だった


世界そのものが震える


兵士達が膝をつく


セレスが震える声で呟く


「“星喰らい”……」


「名前だけ強そう!!」


『世界を滅ぼす存在だった』


「スケール急に宇宙行くな!!」


海斗の視界に文字が流れる


【新章開始】


【神代編】


【十二使徒】


【真なる魔王】


【世界の真実】


「増やしすぎぃ!!」


海斗が絶叫する


完全に覚えがあった


風呂敷を広げまくっていた時期だ


“ここから面白くなる”


をやろうとして、


全部一気に出した


問題は、


整理できていなかったことだった


その時だった


空の裂け目から、


巨大な“目”が現れる


世界より巨大な瞳


空そのものを埋め尽くしていた


兵士達が絶望する


「終わりだ……」


「こんなの勝てるわけ……」


ヴァルドが歯を食いしばる


「これが……

 世界の敵……」


海斗は静かにその光景を見上げる


「うわぁ……」


小さく呟く


「絶対“ここから本番です!”やりたかったんだな俺……」


その瞬間、


視界が白く染まった


「……え?」


世界が止まる


音が消える


そして、


無機質な文字だけが浮かび上がった


【次回】


海斗が瞬きをする


【第50話】


「……は?」


【最終決戦前夜】


「…………は?」


次の瞬間、


景色が崩壊した――

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