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妖気を扱うコツはとにかく恨むことらしい

俺の体中の筋肉が盛り上がり、体色が赤くなる。

牙が生え、髪が腰まで伸び、尖った爪が伸びていく。胸や腹にも毛が生え茂っていく。


完全に鬼化した俺は怒りのままに獄卒に飛び掛かった!


だが獄卒は俺のパンチを軽く受け流し


「なるほど、これが邪気による変身か。中々のものだが我ら獄卒は皆、訓練によって積尸気に近いレベルの妖気を身に着けている」


獄卒の周りを炎の渦が覆う


「燃え尽きろ!!」


鬼化した俺の肉体が一瞬で消し炭にされる


「あ…?何が起こったんだ?」


地獄の再生力によって、俺の体が復活する。


「鬼になっていたときの記憶がないようだな。そんなことでは悟空はおろか、

我らを倒すのも夢のまた夢だぞ」


鬼化して攻撃したにも関わらず、獄卒にはまるで通じなかった。

妖気が使えるらしいし、強さの桁が違うということか。


「一つアドバイスをやろう。怒りの感情は強いが怒った瞬間しかエネルギーがでない。

一方、恨みや憎しみという感情は長くしつこい。具体的には、過去に受けた不条理を何度も思い出し、憎しみへと高めることだ」


「一時的ではなく何度も、自分にひどいことをした相手のことを恨み、憎しみ、妬んで

何としても復讐したいという思いを募らせるのだ。」


怒りを爆発させず、内にため込み続けることでより強いエネルギーに進化させるわけか。

だが、精神をのまれずにやろうと思ったら相当難しそうだな。


「では拷問を再開する。拷問を受けている間も我ら獄卒への恨みを募らせることを忘れるな」


しかし、こいつら獄卒なのになんで俺にここまで協力的なんだ?太上老君に命令されたのか?それとも俺が強くなった方が都合がいい何かがあるんだろうか…?


「次は鉛漬けの刑だ」


「な、鉛漬け!?名前からしてヤバそうなんですが…?」


「体中のから地獄の業火で溶かした鉛を流し込み、その後 桶に溜めた溶けた鉛の中に漬けるのだ」


俺は言葉を失う。どこの誰がそんなとんでもない刑を考えたんだろう。


俺は燃え盛るワイヤーのようなもので拘束された。

溶けているのに炎が燃え盛っている鉛が持ってこられ、漏斗で俺の口に流し込まれる。


「ぎあああああっ…喉が…腹がぁぁぁぁ…!!」


俺の喉が焼け首筋から炎が上がる。胃に鉛が到達すると腹も焼け焦げ、熱さと痛みで

脳が焼ききれそうになる。

しかし拷問を受けている間は意識を失わないようになっているらしい。


「さあ!恨み憎め!貴様がこんな目に会うのは誰のせいだ!我らを恨め!太上老君を恨め!自らの境遇を恨むのだ!」


「怒りでなく…恨む…」


思えば俺は転生前も転生後も不条理な目にばかり会ってきた。


何故、転生直後から俺の知らない政治問題で殺されかけなけりゃならない?

何故、信用できそうだと思った住職が殺される?

何故、兄弟が化け物になって襲ってくる?

そして何故、俺が地獄に落ちなきゃいけないんだ!!


好きでニートになったわけじゃない。

俺だって働けるものなら働きたかった…学校にだって行きたかった

俺のせいじゃない…俺は悪くない……。


あいつが…あいつらのせいで……。


「体中に鉛がいきわたったようだな」


俺の体は内部から焼け焦げ、体中から炎が昇っている

それでもまだ意識はあるし、体が全焼して再生されることもない


「拷問の内容によっては、死ぬような苦痛を受けても死なぬときがある。

今回のように時間をかけた方が亡者の苦痛が高まるときだ」


なんて悪趣味な機能なんだ。


そう言っている間に溶けた鉛を貯めた桶が運ばれてくる


「この中に漬けた上で、桶を地獄の釜にくべるのだ。

最低限、これで妖気に目覚めないようであれば、それまでだな」



それから1週間、俺は鉛漬けのまま地獄の釜であぶられ続けた


熱さと痛みでろくに思考ができない中で、ただただこの境遇を呪っていた

獄卒のアドバイスのおかげか、死にたいなどという思考よりも

前世での境遇と、転生と太上老君と獄卒達を恨む気持ちが精神を支配していた。


た か し … 許さない … …


極限状態の中で俺は、うわ言のように前世の親友の名を口にしていた


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