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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第四章 黒尾の逆襲
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第80話 村岡の逆襲3

「行こうぜ…臭くて敵わん」


伊達は教師の痴態を生ゴミでも見るかの如くの目で一瞥をくれるとメンバーを引き連れて部屋を出て行き、そのままフケてしまう。


「胸くそ悪いったらありゃしない…全くよぉ…」


校門を出た直後にそうボヤいたのは指原だ。

指原は学園に入学した直後に行われた部活動の説明会で、村岡に代わりオカルト研究会の活動内容を説明していた加納に一目惚れしてしまい、加納の傍に居たいが為に幽霊や妖怪の存在とか一切の興味も無い癖にオカルト研究会に入部を決めた、ある意味、純情少年なのだ。


「ボヤくなボヤくな…ボヤいても何にも変わらんぜ?

シッカし裏切り者が秋田と我孫子先生だったなんて思いもよらなかったぜ」


指原を宥める様に春川が言う。

我孫子先生とは

我孫子守あびこまもる38歳既婚 子供無し

我孫子はオカ研担当だった教師で1年B組の副担任だ。

オカ研の担当は元々牧田と言う教師であったのだが、高齢であったが為に去年の3月で教師を引退し、その後釜で我孫子が居座ったのだ。


我孫子がやっていた事は

オカ研メンバーの監視と教頭への報告。

その報酬として性奴隷として扱っている生徒達との乱交への参加の権利。


最初は実に美味しい役を貰えたと大喜びしていたのであるが、我孫子にとってオカ研は苦痛以外の何者でもなかった。

何しろ、様子を伺いに行くと、訳の解らない用語やどの県の心霊スポットがヤバいだとか、果ては異世界は存在しているか?存在しているのなら行ける方法はないのか?と言った話しが飛び交っているのだ。


コレを苦痛と言わなければ何と言う!


と言うのが我孫子の素直な感想なのだ。


元々オカルト的な話が嫌いな我孫子が「オカ研を潰さないと精神衛生上良くない。絶対に潰す!」と言った考えになって言ったのは仕方がない事だと思う。

然し、潰そうにも理由も無ければ手段も無い。無理矢理潰そうとしたのならば、反発は必死の状況。

それは何故かと言うと、幽霊や妖怪等の研究で有名な学者や他校のオカルト研究会と深く繋がっているからであり無理矢理潰そうものならば学園自体叩かれる事になりかねないからなのだ。

困り果てた我孫子は教頭に相談を持ちかける。

相談を持ちかけた教頭はこれ幸いとばかりにオカ研を潰しにかかる。

実の所、GW直前に捕獲した紗弥加を調教する為に関わっている者達全員参加でGW中何度も学園内で乱交していた。

その現場を村岡に見られていたのだ。

教師たちはその事に全く気が付かなかったのだが、宏美と明里が部活動で登校していた村岡に乱交シーンを覗かれていたのに気付き、告げ口をする。

もし、証拠を抑えられていたら…それをネタに脅されたり教育委員会にチクられたりしたら…

得体の知れない恐怖に苛まれていた矢先の出来事であったが為に強引かつ合法的にオカ研を潰しに掛かったのだ。

オカ研は見事に乗り切ってしまい、さらなる恐怖を抱える事となってしまう。

そんな教頭に入れ知恵したのが明里と韮山だ。

オカ研メンバーの好成績を逆手に取り村岡を学園から追放する事に成功したまでは良かったが、いつ報復行動を起こすか解らない状況では夜も眠れない日々が続く…

そこで思い付いたのがあの事件だ。


そう、前川勘兵衛守定近の事を調べるヤツは殺せと何者かに指示されていたのではなく、漸く築き上げたパラダイスをガキ一人の為に潰されてたまるか!


と言うのが真の理由であったのだ。


伊達「それだけの器でしかなかったって事じゃねぇか?何れにしても間違いなく12人全員終わりだよ…」


加納「諸悪の根源は教頭だから教頭のみを殺れば良いんじゃないのかな?」


伊達「連帯責任一蓮托生ってな…オカ研だって潰されたんだ。文句は言わせねぇよってな。誰を警察に突き出して誰を殺すかはアイツのサジ加減1つだよ。  

それに奴等は桐原先生まで殺そうとしていたらしいぜ」


春川「マジかそれ!?」


伊達「その1言が無ければあの場所から動く事は無かったとも言っていたな」


「えーっと…黒田・秋田・羽田・赤井・町田・犬飼・韮山・山川・我孫子・校長…そして教頭…っと・・・アレッ!?後1人いるんですよね?誰ですか?」


犯人グループの名前を指折り数えて人数を確認する指原がもう一人は誰だ?それが解らんと気になって夜もおちおち寝てられんといい出す。

それには加納も春川も同意して伊達に回答を求める。


「12人目は警備員の大場まさしだよ」


忌々しそうに伊達が言う。


「そうか!だから今までバレなかったのか…やる事がエゲツないな…」


伊達は村岡が夢枕に立った時に教頭達の痴態の事を訊いていたが、1つ疑問に思った事があった。

その疑問が警備員の存在だ。

浦川学園には3人の警備員が交代で常駐していて外部の者の侵入を防いだり学園内の警備をやっている。

その警備員の一人が大場まさしだ。

教頭は大場まさしを抱き込む事で犯罪行為があったとしても知らぬ存ぜぬで通させているのだ。


「極め付けは村岡が死んだ日も大場が警備していた日で死体を運ぶのに一役買ったとの事だ。」


そう言った後で


「まぁ、現状では証拠が無いから警察に言っても何もならんがな」


と伊達が言う。


加納「だからって後始末は村岡に任せるの?それじゃぁ、学園はいつまで経っても正常化しないわよ?」


春川「だよな…気持ちは解るんだけどよ…」


伊達「俺もそれだけは止めた方が良いって言ったんだよ…けど、最後まで聞く耳持ってくれなかったよ…残念だけどアイツは学園の全ての人間を恨んじまってる…」


指原「じゃぁ、どおするんですか?このままだと僕達も巻き添えになるかもですよ?」


伊達「村岡は俺達だけは襲わないって確約してくれた。然し、俺は中退する事にしたよ…この街を出て別の街でオカルトの研究を続ける。」


春川「村岡との夢だった全国心霊スポット巡りをするってか?」


伊達「あぁ…行く行くはそれらを纏めて本にするのも有りかなって」


指原「それ…僕も協力しても良いですか?」


春川「俺も」


加納「私も」


伊達「物好きめ…親の許可は取れよ!?」


この日から1ヶ月後、元オカ研メンバー揃って雨音の街を出て関東でバイトをしながらお金を貯めて全国心霊スポット巡りを敢行し、それらを纏めたレポートを出版した。


尚、本の冒頭には


この本を不幸な事件で命を落とした我が友TM氏に捧げる


と記されていた。


………

……


その後、俺は2か月かけて5人の加害者を始末し学園内でオカ研を馬鹿にしていた奴等の精神を壊した…復讐の果に待つのは地獄と相場が決まっている。

然し、殺っても壊しても俺の気持ちは晴れることは無く、寧ろ、より強い悪意に飲まれるだけ…

だけど後悔はしない…

後悔したら負けだ!地獄だろうが何処だろうと行ってやるよ!!

俺はさらなる悪意を持って残る6人を始末する事にした。


冬の足音が聴こえて来た11月末。2学期が始まってから加害者の教師と生徒達そして、警備員の大場まさしが連続不審死と更に全校生徒の3分の1が謎の発狂騒ぎが立て続けに発生し、毎年行われていた学園祭も自粛された。

生徒達は揃って「コレは村岡の呪いだ」と騒ぎ立て校長と教頭を糾弾し、村岡の魂を鎮める為に霊能力者を呼んで謝罪をした上で成仏させた方が良い。じゃなければこの学園は呪われたままだと詰め寄ったのだが校長は


「幽霊?怨霊?呪い?フン!バカバカしい!偶然に偶然が重なっただけだ!そんな非科学的なモノを信じる暇が有れば英単語の1つでも覚えろ!」


と突っぱねてしまい、生徒達の声は届かなかったのであった。


この事も俺は想定済だったし、校長・教頭・犬飼・秋田・韮山・山川の6人を残したのも全て予定通りである。

本当は秋田ではなく我孫子を残したかったのだが我孫子はオカ研を潰した大罪人。

1分1秒でも生かして置く訳には行かない。

なので、黒田の次にスズメバチの大群に襲わせて殺した。


他の奴らは俺が憑依して操り自殺に見せかけたりとか酒で泥酔させた後、生ゴミに顔を突っ込まして窒息させたりとか、ありとあらゆる殺し方をした。

然し、今の今までこの6人には手を出さなかった。

それは何故か…

決まってる!教師達の性癖を全校生徒にバラす為だ!

それだけはゼッテーやらなければならん!

教師達は決まって昼休みと放課後に行動に出る。

その現場を撮影して校内放送で流すのだ。

この手に詳しいのは、やっぱり放送部だよな?俺は放送部に憑依してバレない様に視聴覚室にカメラを設置して奴等の暴虐の限りを撮影。

いやー…下手なAVよりエロくてグロいのが撮れたぜ…マジでよ…

そうして昼休みに各教室のみの放送でソレを流した。


効果は絶大だったぜ?思い出すだけでも笑いが止まらなくなる程にによ。


その放送で1番恥ずかしい思いをしたのは犬飼と秋田だ。

何しろ、校長と教頭にあんな事をされて喜ぶ変態なのだから俺達の前でも出来るよな?ヤレよ!!と脅されて自らヤってしまい、挙句の果てには校長と教頭の性奴隷をやめて生徒達の性奴隷になれと言われて承諾してしまったのだから。

騒ぎになってから放送を知った校長と教頭が青ざめた顔をして逃げようとしたのだが、生徒達が許す訳がなく、直ぐに捕まり逮捕された。

教頭は「コレは何かの間違いだ!私と校長を陥れる為の誰かの罠だ!」と最後まで逃げの一手に徹していたけど、もう遅い!

何しろ、観念した犬飼と秋田が全てを告白したのだから。

こうして俺は自殺ではなく12人の教師と生徒に殺されたと明らかにされ、校長と教頭は裁きを受ける事になった。

此処までやったら黒幕が出て来て事件を揉み消すかと思ったのだけど、出て来ない。

やっぱり塚の謎を追う者を殺せと指示されていたなんてのは建前だったんだな。

怒りに任せて殺そうかとも思ったのだけど、殺してしまったら後悔も反省もさせられない。なので、魂を半分掌握して粉々に砕いてやったぜ。

コレにより、校長と教頭は生ける死体と変わらない状態になり死ぬまで醜態をさらす事となったのであった。


因みに犬飼と秋田は翌年の春、暴走した一部の生徒に野外調教されていた所にホームレスの集団に遭遇し、拐われ調教していた生徒達もかなりの大怪我をした。自業自得だよな…コレって…

その後、GW直前の週末に名所で全裸で抱き合って死亡していたのを発見された。

死因は鋭利な刃物による刺殺と断定されたが状況的にお互いがお互いを刺した無理心中と言う事で片付けられたのであった。


この後、少し経過したある日の事、事態を重く見た理事長が漸く重い腰を上げ、祓い屋を連れて来て俺を塚に封印する事になったのであったが、俺も取り込んだ加害者の魂でパワーアップするのに都合が良かったので大人しく封印されてやったのだけど、ちゃちな結界ではなかったので破るのに苦労したぜ…ホント…


そして今…

やっぱりエロありの完全版も書いた方が良いのだろうか…

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