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軽い再会

「人間だ!!追いかけろ!!」

「逃がすな!!」


 後ろから大量の魔物たちが追いかけてくる。そういえば魔物って人間のこと食べるんだっけ。でも人の言葉を喋ってるのから知恵はあるのかな?今は無さそうだけど。


「ねー、もうちょっと速く走ってよ~」

「むちゃいうな!こちとら600歳超えてるんや!」

「チッ、このクソおじじが」

「口悪ない!?」


 くだらない話をしてる間にも魔物たちがどんどん迫って来ている。ここで魔術を使うのはなぁ~、偶然とはいえ魔物の住処に来たのはこっちだからな~。捕まったら捕まったで大人しく喰われるか。


「あかん‥‥体力尽きてきた‥‥」

「元魔王なんだから飛んでよ。そうしないと上からも魔物の攻撃が来るよ」

「え?」


 ドンッ

 衝撃と共にイリス達は弾き飛ばされた。吹っ飛ばされたイリスは回転して見事な着地を決める。因みにアヴニールは見事に屋台へと突っ込んだ。


「いててて‥‥」

「情けない元魔王もいたもんだ」

「この歳になるとどうしても鈍くなるんよ‥‥」

「別にいいけど、これで詰みは確定だね」


 じりじりと魔物達が近寄ってくる。そういえば、魔物だけで魔族が全然見当たらな―――。


「ちょっと待てぇい!!」


 誰かが止めに入ってきた。見るからに魔族だろうか、でもアヴニールと同じツノが‥‥、やけに魔物がざわざわしてるし、まさかこれは‥‥!


「魔王様だ‥‥!」

「魔王様がいる‥‥!」

「ま、魔王様、どうしてここに!?」



 現在、イリスとアヴニールは拘束され、魔王の元で跪いていた。魔界に人間がいるのが珍しかったのだろうか。それに元魔王といちゃな~。


「アンタがイリスなんか‥‥?」

「そうだよぉ」

「‥‥!やっぱそうなんか!おー良かったなあ!アンタの探しもん見つかって!!」

「ちょっ‥‥あんま大声で喋んな‥‥!」


 どうしたんだろ、誰かと喋ってる?それにしても私魔王と会ったことないのに、どうして私の名前聞いたとたん興奮し始めたんだろ。不思議に思ってると、誰かが出てきた。


「えー‥‥あー‥‥、姉さ‥‥いや、イリス様、えーと俺は―――‥‥」

「ロベリア!!ロベリアじゃん!あれ、女装は辞めたの?」


 突然の爆弾発言に、全員の時が止まった。



 現在いるのは魔王がたまに使う客室。そこにはイリス達がいた。


「えー、言いたいことは山ほどあるんやけど‥‥アンタ、ロベリアっていう名前やったんやね」

「え、そこか‥‥?」

「そうやでリュミ、問題はそこちゃうで!今はハスライムの人間が二人もここにいる状況についてや!」

「それも違うと思うよ?」


 なあんだ、全然喋ってないって言うから気まずいのかと思ったのに、普通に喋れてるじゃん。


「それよりも、姉さん‥‥この際だから言いますけど、俺が女装してるのはいつから知っていたのですかね‥‥?」

「え、最初から」

「最初から!?でも、俺のこと妹って‥‥」

「そりゃ家族の性別くらい知ってるし、妹って呼んでたのは可愛かったからだよ」

「最後答えになってない‥‥」


 どうしてだ、さっきから皆が冷たい目で私の事を見つめてくる。何かしたっけなぁ‥‥?


「そうだ、おとん。人間界の帰り方知らん?」


 やっと本題に入る。ここまで長かった。


「うーん‥‥知らん!」

「「知らん!?」」

「イリスには言うたが、俺は帰り方など知らんよ。そんなん作ったのどこかの代の魔王か、勇者くらいしかおらんやろ」


 勇者‥‥、勇者か‥‥そういえばうちの家系にも勇者いたな。今も生きてる、引退した元勇者が‥‥。


「あの勇者のせいで俺は魔力を半分封印されてもうてな、アンタらの助けになんぞなれへんわー」

「それならしょうがないな。魔界と人間界は違うと聞くし、人間界にいる魔物は魔界に行けない。魔界にいる魔物は魔族じゃない限りいけない。そんなもんだ」

「ロベリアあんた、やけに魔界と人間界の隔てについて詳しいんやな」

「そうか?一回父上に聞いたことがあるんだ」


 父上という言葉に一瞬、アヴニールが反応した。静かにイリスとロベリアを見つめながら、かつての勇者を思い出した。

 






 

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