帰り道
第4章 帰り道
メロンパンを食べた二人は歩きながら帰り道を辿っていた。
「柊君はお家どのへんなの?」
バイト先から帰っていた二人、学校より少し離れていた。
「えっとね、バイト先からは近いよ」
「そうなんだ!じゃあ私の家と近いかもね」
「近かったらなんか嬉しい」
その言葉は琥珀が零した言葉ではなくしっかりとした本音の言葉だった。
「えっ」
「うれしいってどういうこと?」
瑠華が目を見開いて聞いた。
「え、だって友達と家近かったらなんか嬉しくない?」
「え、友達?」
「そうでしょ、メロンパンもらったし!もう友達だよ」
それを聞いた瑠華は、顔を赤らめながら笑顔を見せた。
「うちここのマンション」
琥珀が指を指して瑠華に教えた。
「あ、ここのマンションかー!」
「私の家はそこの奥にある鼠色のアパートだよ、近いね!」
瑠華はその日は幸せな時間だった。
「近いな、また時間があったら帰れるかもね」
「うん!」
「約束だよ!また明日ね!」
「また明日」
そういって別れを告げた後、琥珀には心残りがあった。
まだ話していたい、ただ一つその気持ちだった。
「菫城さん!」
気づいたら、琥珀は瑠華を呼び止めていた。
それに気づいた、瑠華は振り向いた。
「どうしたの?」
琥珀は連絡先を交換したいだけだった。帰ってからも話せるように。
「line交換してほしいな」
少しの静寂が、琥珀を襲う。
自分の心臓の鼓動が鮮明に聞こえる。
瑠華が歩いてきて差し出した。
その手に乗っていたのは瑠華のアカウントのコードだった。
「いいの?」
瑠華は斜め下に視線を置き、こくこくと小さくうなずいた。
「ありがとう!」
「またメロンパンちょうだいね!」
瑠華はその言葉に顔と胸がほんわりと熱くなり、琥珀を意識してしまった。
(ずるい...)
そうして二人は、別れ互いの家に入って行った。
家に入った瑠華は、玄関で胸にを手を当て自分の心臓の音を確かめた。
「柊君から連絡先交換しよって言われたよ...心臓破裂しちゃいそう...」
そうして、手帳を取り出し中を見て笑顔がこぼれた。
「柊君私のこと、思い出してほしいな~」
瑠華は手帳を撫でながらつぶやいた。




