初夏
第17章 初夏
琥珀と瑠華が付き合って2カ月が過ぎた頃、周りはすっかり夏になった。
外で鳴くセミ、肌を焦がすような太陽の光。
琥珀は窓の外を眺めてその反射で映った瑠華を見つけ、瑠華の方へと目を向けた。
瑠華はしっかりノートを取り授業を受けている。
髪の毛を耳にかける仕草、シャーペンをカチカチとする指、黒板からノートへと目移りする横顔
先生が授業の内容を説明してるが、そんなことは耳に入ってこなかった。
――俺の彼女こんなに可愛いくていいのか?
授業終わりのチャイムが鳴り、片づけていると横から瑠華の声がした。
「琥珀君!!」
「は、はい!」
大きな瑠華の声に驚き、声が裏返った琥珀。
瑠華から何を言われるのかと胸が焦る。
瑠華から耳元で小さな声で言われた。
『授業中見過ぎだよ!ずっと見てるのバレバレだよ』
琥珀は耳が赤くなるほど赤面していた。
「ご、ごめん」
瑠華はふふっと笑い教室を出て行った。
そのやり取りを見ていたクラスメイトから冷たい視線を感じた。
――付き合ったことはみんな知ってるとはいえ、マドンナの瑠華ちゃんとくっついてたら
そりゃ見られるよな...
放課後の前の帰りの夕礼、先生からの言葉。
「明日から夏休みだが、羽目を外して生徒指導にならないような~」
明日から夏休みだ、じりじりとする空気陽炎が立ち蝉の鳴き声が聞こえる外。
どんな夏休みになるだろうか、全員期待に胸を膨らませていた。




