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お誘い

第16章 お誘い


桜が散り、花が枯れ、春の暖かさが夏の暑さに変わっていく中

琥珀たちには夏休みが近づいていた。


「ああ~あちい~...」


シャツをパタパタする利久に琥珀が机に突っ伏して言った。


「もう夏だもんなぁ」

「夏休みなにするの~」


利久は椅子をグラグラさせていた。


「部活と彼女とどっか行くかなぁ」

「お前は菫城さんとどっかいかないの」


「うーん話してはいるけど予定合うかなぁ」

「瑠華ちゃん忙しそうだしな~」


「私がなんだって?」


利久はその声の方向に向いたら瑠華がいた。

椅子をグラグラさせていた利久は驚きでこけた。


「いってぇ...」


「何してんだ、慣れてくれ俺らは付き合ってるんだから」

「そうはいっても菫城さんが来たら誰だって驚くよ」


「はあまったく一乃寺さんは忙しい人ね、で何話してたの琥珀君」


瑠華は机にぐでんとしている琥珀に寄りかかり聞いていた。

教室でクラスメイトがいるのにも関わらずくっついてくる。


「菫城さんって結構学校でもくっつく人なんだね..」


「まあねもう琥珀君と付き合ってるのみんな知ってるし隠す必要ないからね」


それを聞いていた琥珀


「いや夏休みどうしようねって話、瑠華ちゃん暑いよ~」


「あー夏休みね、叔母の家でみんなでバーベキューでもする?」


利久が音を立て、立ち上がった。

「やります、彼女も誘います。彼女菫城さんのファンなので」


「あら、嬉しいわ」


琥珀は淡々と瑠華に言った。

「いいのか?そんな人数行っても迷惑にならない?」


「もー琥珀君は優しいね」

そう言って腕を絡め、ぐいぐいとする。


「瑠華ちゃんや、やめてよ~」


「大丈夫よ、私から言っておくわ」


そうして瑠華の叔母の家でバーベキューが決まったが、琥珀はどこか夏休みに不安を感じていた。

放課後、すこし一緒に帰ることが慣れてきた琥珀たちは一緒の帰り道で話をしていた。


「俺夏休み少し不安だな」


そう下を向き言う琥珀。


「どうして?」


瑠華が首をかしげて顔を覗き込んできた。


「不安って言うか、会えない時間が多くて寂しくなっちゃう」


その言葉を聞いた瑠華はその場に立ち止まってしまった。


――琥珀君...可愛いいいい!!無理無理、え可愛い過ぎるよ!?


「ん?瑠華ちゃん?」


「な、なんでもないよ!できるだけ会おうね!」


「うん、会う」


その日はやけに日が落ちるのが遅く感じた。

リンリンと鳴く虫の声が、やけに耳に残った。

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