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3年前からの気持ち

第14章 3年前からの気持ち


春祭の後、校舎裏の自販機に琥珀を呼び出した瑠華。

その姿は春風に吹かれ髪をなびかせどこか遠くを見ていた。


砂利の音を立てながら、喉をゴクリと鳴らし瑠華の前に立った。


「柊君」


「はい」


その軽そうで重い言葉のキャッチボール。

瑠華が口を開いた。


「あの日...私と話してくれた日本当に嬉しかった」

「私が変な噂をされて辛くていなくなりたいと思ってた時に、君が話しかけてくれた」

「私はそれに本当に救われたの。君が私に色をくれた」


「私、柊君が好き」


琥珀はこの状況に意外と落ち着いていた。もう言われることが分かっていたからだろうか。

琥珀はもちろん答えは決まっていた。


――俺から言わないと。


「俺も菫城さんが好き」

「あの冬の日は有栖さんとして好きだった、でも今でも忘れられなくてずっと好きなんだ」

「噂なんて関係なかった、ただのココアだけであんなに楽しそうに喋る君が好きになった」


「好きだ。瑠華さん」


すると瑠華はもじもじし始めた。

「ん?どうかした?」


瑠華は下を向いて、スカートのポケットからものを出した。


「これ、柊君であの日写真撮っちゃって...」

「ごめんなさい!」


琥珀は優しく包むような笑顔になった。

「ふふっ、全然いいよ。これからもいっぱい写真撮ってね」


瑠華は顔を隠しながらゆっくりと頷いた。

「じゃ、教室戻って帰る準備しなきゃね!」


去ろうとする瑠華の腕を掴んだ琥珀。


「えっ?」


瑠華を反転させ、琥珀の方へと向かせた。


「俺からの気持ち受け取ってほしい」

琥珀は瑠華の目をまっすぐ見た。

それは優しく琥珀の全部を現したような口づけだった。


だが、瑠華はもう心を琥珀に預けていた。

ゆっくり目を閉じ琥珀に身を任せた。


「も、もうやめてよ!いきなりキスなんて!」


そういって走って去っていった瑠華。


「いいじゃん、瑠華ちゃんもしてきたんだし」


「瑠華ちゃ...」

さらに顔が熱くなる。


「こ、琥珀君うるさい...」


「ココア飲む?」


「....うん」


コトン


その音は自販機からココアが落ちる音でもあり、2人の恋人としての始まり音でもあった。



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