余韻
第12章 余韻
辺りは夕日が差し込みはじめ、終わりの雰囲気が近づいてきていた。
もう出店や出し物を片付け始めているところもあり終わりを感じさせる寂しさを
全員残していた。
琥珀は余韻が抜けずぼーっと教室に戻っていた。
「ええ」
琥珀の場合余韻というより困惑の方が強かった。
歩いてるときに、利久に会った。
「おお、琥珀どうした探したぞ」
「え、ああうんごめん」
「お前...」
「な、なに?」
「お前...大人になったな」
「ついに言葉にしたんだな...」
利久は感極まって声が震えている。
「うおおお俺の琥珀ちゃんが大人になってしまったわ!」
「何言ってんだよお前」
琥珀は変わらない利久の対応に自然と笑顔が零れる。
「とりあえず教室戻ろうぜ」
利久が親指を後ろに刺し琥珀を連れ出した。
「それで?どういう風に言ったんだよ」
「え?何が」
「菫城さんになんて言ったんだよ」
琥珀は利久に校舎裏で起きたことをキスの件以外はすべて話した。
「ええ」
利久も困惑するしかなかった。
「まあ想いを伝えられたのならそれでもいいと思うけどね」
教室に戻るとクラス中の生徒たちが片付けを行っていた。
その中で一番先に目が行ったのが瑠華のことだった。
なぜか瑠華がいつもより、可憐だった。
ずっと意識していた。
瑠華が動くたびに琥珀の目も動く、キリが無い。
――ああもう、だめだ集中できない。可愛い。
「ちょっとトイレ行ってくる」
利久にそう言った琥珀は顔を洗いにトイレに向かった。
琥珀が大きく動くとやはり瑠華も琥珀のことを目で追っていた。
水道の流れる音がトイレに響く。
「はぁ」
――あのキス、どういう意味なんだ。ぐるぐるする....
顔を洗ってトイレを出た琥珀。
「柊君」
名前を呼ばれた。呼ばれた方に目を向けるとそこには瑠華がいた。
――何て呼べばいいんだこれ
「なーにどうしたの?」
「集中できないんでしょ」
瑠華がくすくすと笑いながら言ってくる
瑠華は笑いあった後にすっと真剣な顔になり言ってきた。
「この春祭終わった後、もう一回あの場所に来てほしいの」
「伝えたいことがあります」




