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瑠璃色

第11章 瑠璃色


その言葉に瑠華は琥珀の方を向いた。

「柊..君?」


「あ、ごめん邪魔しちゃった?」


告白男が琥珀に対抗するように声を上げた。

「僕は瑠華さんのことが誰よりも好きなんだ!」

「彼女を愛せるのは僕しかいない!」


その瞬間琥珀の呼吸が聞こえなくなった。

下を向き暖かいはずの春風が妙に冷たく感じるほどに。


「うるせーよ、俺は三年前からずっと好きなんだよお!!!」


その言葉が乗るように春風が瑠華を襲い髪が吹き上がる。


「そんな言葉に瑠華さんが...」

瑠華の顔をみた男は、瑠華の目が琥珀に釘付けなのを気づいた。


「そんな...」


男はその場からとぼとぼと去っていた。


琥珀はその姿を見て、あとから自分が恥ずかしいことを言ってることに気が付いた。


「はっ!」


固まる首を瑠華の方に回しながら顔が赤くなる。


「菫城さ..ん」


瑠華は琥珀の手をぎゅっと握りながら下を向いていた。


――いつから気が付いて、え?


「菫城...じゃない、有栖瑠華さん」


「君のその感じ中学でずっと見てきた」

「怒ってる姿がまんまだった」


「ココア、覚えてるよ」


その言葉に涙が出そうになるのをこらえる瑠華。

「琥珀君...」

「なんで気付いてくれなかったの!」


「だって、苗字も変わって呼び方まで変わってたらわからなくなるよー」


「....でも有栖さんはずっと好きな人がいるんだよね」


琥珀は何かを察したように顔を背け自分の恋の終わりを感じていた。

その顔を見た瑠華は琥珀のことがずっと好きだって言いたかった。


だが、三年間ずっと思い続けてきたこの気持ちが一番心地よくて幸せな時間

だと思った。


自分の気持ちに嘘はつけない。だけど言葉にするのが怖い。

ずっと見てきた琥珀の顔をジッと見つめ、校舎裏で二人の時間。


瑠華は琥珀の顔をつかみ唇を合わせた。


「!?」


琥珀はいまゼロ距離に瑠華の顔がある。

その顔は肌が白く、唇の感触は柔らかかった。


数秒唇を合わせた後、離れる。


瑠華の火照った顔、目を開くその瞬間。


琥珀が見つめる瑠華の目は瑠璃色のように輝いていた。


「これは、私の気持ち」

「どう受け取るかは琥珀君次第だよ、片付け始まっちゃうよ」


その場に立ち尽くし、唇を触る琥珀。

ずっと胸が熱くなり琥珀のファーストキスの味はココアのように甘かった。




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