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想い

第10章 想い


琥珀の元から離れた瑠華、友達の方に駆け寄りながら横目で琥珀を見ていた。

――一緒に回りたかったな...


「瑠華?大丈夫?」


瑠華の友達が違和感を感じ聞くが、瑠華はそれを流すように言った。

「全然大丈夫だよ!どこ行こっか!」


「そういえばあっちにいちごあめあったよ」

「ほんと!行きたーい!」


友達と一緒に歩く瑠華教室を通り過ぎる時。

瑠華の目は寂しような目をしていた。


いちご飴を食べながら友達が瑠華に聞く。


「ねぇ瑠華って琥珀君のこと好きなの?」


咽る。


「え!なんでよ!」


「だって1年の時からずっと見てたじゃん、最近になってもっと見るようになってるし」

「相手があんなに鈍感じゃなかったら好きバレしてるよ?」


瑠華は自分がどれだけ琥珀のことを見ているか、第三者からの視点で改めて分かった。


――そ、そんなに見てたかな...


スマホをみて琥珀からの連絡を待っている瑠華。

「私から連絡した方がいいのかな」


その時ちらっと見慣れた姿。


女の子2人と利久と並んで歩く琥珀の姿。


それを見て、瑠華は持っていたいちごあめを落としかけそうなくらい体の力が抜けた。


「あ...あ...」


「ごめん先行ってて」


「あ、ちょっと瑠華!!」

友達を置き去りにして、どうしても琥珀のことが気になった瑠華は人ごみに紛れて

琥珀たちを追いかけた。


楽しそうに歩く琥珀を見る瑠華からは胸が痛くなり呼吸が浅くなって

瞬きの回数も多くなっていた。


後をつけてから数分後、琥珀がトイレに行ったことを確認した瑠華は

トイレの前に立った。


「もう言ってやるんだから」


トイレから出てきた琥珀に瑠華は言った。


「柊君ってそういうことするんだ!」

「私に連絡しないで、他の女と歩いて楽しんでるんだもんね!」


琥珀が後頭部に手を回し、申し訳なさそうに言った。


「ご、ごめんなさい」


どうして君は私無しで平気でいられるの?

私はこんなに――


「もうしらない!」


そのまま早歩きで、去って行く瑠華に後ろの琥珀の声は届かなかった。


瑠華は下を向き、ぼんやりとローファーで小石を蹴っていた。


「はぁ、言いすぎちゃったかも」


瑠華が下を向き歩いて着いた場所は校舎裏の自販機の前だった。

「ここ...」


まだぼんやりした目で自販機を見ていると後ろから声が聞こえた。

「瑠華さん」


なぜかその声は落ち着かない。

そこに立ってたのは見知らぬ男だった。


「だ、誰?」


その男は制服を着ていてこの学校の人だ。

眼鏡をかけていていかにも真面目という身振りの男だった。


「僕、瑠華さんのことが好きです」

「まずはお友達からでもいいのでお付き合いを前提してください」


そうお辞儀して、腕を差し出してきた。

「え、いやあの...」


――やだよ..この気持ちはずっと


その時、目の前が暗くなりかけた瑠華に一つの光が刺したような声が聞こえた。


「瑠華?何してるの?」


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