『少しは遠慮しろ…』
覇王の素がちょっと出ます(* ̄∇ ̄)ノ
ダークは目を瞑った。
それを確認すると同時に、ダークの時を止める。
『時間逆行など、神にすら与えていない力だ。それを軽々しく使えとは…』
最近、ダークのようすがちょっとおかしいんだが。
調子乗るにしても、遠慮が無さすぎる。
一度突き放すべきか…?
ダークの時は止めた。国王は脱け殻同然。宰相は蜂の巣。
近衛は…コイツも時を止めるか。
そして、此処ら辺一帯に認識阻害っと。
良し。
これで素を出そうと、構う者は居らんな。
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面倒だ…非常に面倒だ!!何が時間を戻せ?
ふざけるな!この体で時間巻き戻す程の力が出せるか!
出来るか出来ないかの話であれば出来るが、それは可能であっても易々と実行出来る類いではない!
時間の加速と停止であれば容易いが、逆行だけは必要な力が跳ね上がる。
本来逆行するなど有り得ない物を有り得る形へと変え、更に元の流れに戻す。
言うなれば「海へ流れる川」を「川へ流れる海」へ作り替え、一定時間逆流させ、更に「海へ流れる川」へ戻すという事だ。
川を一定時間塞き止めるのは、人間にも出来る。
そして加速、つまり増水させるのもダムを使えば容易だろう。
だが川の流れを逸らすのであればまだしも、真逆に出来るか?
不可能だろう。
そんな莫大な力を行使するなど、封印してある本体を持って来る他に解決策が無いわ!
それに本体動かすと、強大過ぎる力により全世界に無視できない規模の歪が大量生産されるしな…。
後の事を考えると無い。有り得ない。面倒くさ過ぎる。
そもそも、世界そのものに干渉すれば、それだけ大きな影響が生じる。
気紛れで同行しているだけの端末一つの為に、んな事が出来るか!
世界に干渉すると云々の展開は、アイツの読んでた異世界モノに腐る程出てきた展開だろうが!
何故考えない!?
考え無しの行動全てが悪いとは言わんが、それが許されるのは行動により生じた影響を自力で抑え込める範囲内での話だ!
……ふう、少し吐き出したら落ち着いた。
おい駄女神。
(お呼びですか!?)
声だけが響く。
お呼びだ、さっさと来い。
女神が目前に現れ、俺の腰にすがりつく。
「捨てないで下さい!何でもしますからあ!」
ダークは、今の態度が続くならば見捨てる事も検討するが…。
女神よ、お前は俺に何か迷惑をかけたか?
「だって…あんな姿を晒してしまいました。それに、覇王さんへ断りもせずに宰相の体を風通りの良い様に…」
ん?
もしかして、主って呼ぶの苦手だったのか?
「少しだけですが…。主と従者では、遠く感じてしまうので…」
成る程、神達が俺を呼ぶ時は「主」で統一だったが…個体により感じ方も異なる、と。今度、皆と話し合ってみるか。
「それで、私を呼んだ御用件は…?」
女神、王と宰相の影武者を用意して処分。この国の大臣や将軍、ついでに近衛も含めて全てを暗殺。これ等にも影武者を用意。そして、ダークが王に会った際の状況を再現。ダークが旅立つまで演じさせ、然る後にクーデターでも起こして国を滅ぼせ。
「分かりました!信者から適当なのを、適当な神託で引っ張って来てその様にさせます!顔は…」
任せろ、適当な形へ造りを変えてやる。
「ありがとうございます!絶対に成し遂げてみせますから!」
ああ、期待しとく。
「覇王さんが守ると言った姫と、覇王さんが異空間へ送ってから放置している二人は…?」
じゃあ、姫は何とかして生かす方向で。
あの二人は…放置で良いだろ。
「頑張ります!」
良し…用意が終わり次第、ダークの時間停止を解除すれば戻った様に見えるだろう。




