旅立…つ前に、勇者から国を滅ぼした大罪人になりそうなんだけど?
あの、数多の強者を葬り続けてきた最終奥義が登場します!
『此処だ』
覇王が立ち止まった部屋は、近衛兵達によって守られていた。
「これは勇者様!お目覚めになられたのですね。陛下は隣国の使者の方と会談中ですので、暫くお待ち下さい」
『では、入るか』
衛兵に止められるも、覇王は歯牙にもかけず突き進む。
「勇者様!この御方は一体!?」
「俺より圧倒的に強いから、邪魔しない方がいいと思うよ?」
「そう仰られても、仕事ですので。何人も入れる訳には行きません!
何方か存じ上げませんが、お待ち下さ」
衛兵が覇王の肩を掴もうとしたが…衛兵の手が消えていた為、それは叶わなかった。
「え…?」
そして、次の瞬間には衛兵が挽き肉に変わっていた。
何故か血は飛び散らなかったが…何が起きたんだ?
『有象無象の分際で、神と端末一同より贈られたマントに触れようなどと……』
なるほど、だからずっとその格好なのか。
でも、服は着た方が…って、あれ?何か雲行きが怪しいような?
『ダークよ、当座の資金と装備一式は俺から渡す。だからこの国、滅ぼしても良いな…?大丈夫だ、あの小娘は生かしてやる。お前はこの国に何の思い入れも無い。故に反対する理由も無い、違うか?』
えっと…?
『「はい」か「イエス」で答えろ。
この国、更地にしても問題は無いな?』
…せめて城だけに出来ない?
『……』
王の配下による不祥事が起きた。
その連帯責任で国ごと吹き飛ばそうって事だよな、だったら国ごと消すなん
『俺は、お前にそんな選択肢を与えたか?質問に対する回答が返っていない。繰り返し問う、問題は無いな?』
覇王が俺の発言に被せるなんて…。
うん、無理だ。
これ以上覇王を止めようとしたら、矛先がこっちにくる。
覇王、思う存分やっちま
「ちょっと待って下さい!」
…何?俺、発言に被せられる呪いでもかけられた?
『女神か…何用だ?我は此より此処ら一帯を消滅させる事を決定した。此処に居るべきではない、迅く立ち去れ』
「一人称変わってるじゃないですか!その状態の覇王さんを放置していて、良い事が起きた試しがありません!」
あ、そういえば「俺」から「我」になってる。
「僕」て言ってたキャラが、急に「俺」を使いだしたら危険信号的なやつだな!
さて、どうやって逃げよう。
キレたとは言え相手は覇王。
一通り暴れたら落ち着くだろう。
それまで安全地帯に隠れていたいんだが…。
「そこ!「俺は関係無い」って顔をしてないで、止めるのを手伝って下さい!」
でもさ?
俺が何言っても無駄よ?
『如何にも。女神よ、貴様も被災する前に去るが良い』
ほら、覇王が天災並みの破壊活動行う気満々だよ!
逃げよう、無理だって!
『左様、此より我は超越者として裁きを下す。決定は揺るがぬ』
「……ます」
『…?意見が有るならば、はっきりと口にせよ』
「…っ!このまま世界を滅ぼすなら、私はあなたを嫌いになります!!」
『……ッ!』
女神…覇王も世界を滅ぼすなんて言ってないし、ここで娘が父親又は兄に対し行う最終奥義「お父さん(お兄ちゃん)なんて大嫌い!」を使っても覇王は止まらな
『ガボハァッッ!』
凄い勢いで吐血した!?
『め…女神よ、考え直せ…』
「嫌です!私は人間を見るのが好きなんですよ!」
『待て…人間は…腐った奴等が多い…減っても、直ぐに増える…国の一つや二つ…消そうが、何も変わらん…ガハッ』
継続ダメージが覇王のライフをゴリゴリ削る!
「人間にだって、良い人は沢山いるんです!その人達を巻き込みかねない行為を見過ごすなんて、出来ません!今すぐに、その練り上げた魔力を霧散させないなら…明日から、一言も話しませんし、顔も見せませんからね!」
『………無、無念ッ!』
覇王は一言だけ残すと、何かに撃ち抜かれたかの様に後方へ倒れ込み…動かなくなった。
覇王…!
無茶しやがって!
初撃でグロッキーだったくせに、立ち向かうから……!
いくら揺すれど、覇王が目を覚ます事は無かった。
覇王と俺の、愉快な冒険譚
end
謎の声「最終回じゃないぞ、もうちっとだけ続くんじゃ!」
この台詞が出てきた時の○ラゴンボールと同じで、まだまだ続ける予定ですw




