鬼の居ぬ間に話し合い
色々あって、更新が遅れました。
申し訳ありませんm(__)m
(ダーク…聞こえますか?ダークよ…女神です……今…あなたの心に…直接…呼びかけています……覇王さんと…楽しい異世界生活を送るなとは言いません……ただ…私が…ボッチという…孤独に耐えている時に…楽しそうな雰囲気でしたので…「忘れるな」と…伝えたかったのです…)
ああ、女神か。
急に頭の中に声がするから何かと思った。
(…軽くないです?もっとこう「久しぶり!」とか「会いたかった!」とか無いんですか?)
実際、ここ来てすぐの感覚喪失以降から一日経った程度だしな…。
(そんな…!)
女神に頼るより、覇王頼った方が早いし、確実だし、効果ありそうだからな…。
(私のメンタルにダイレクトアタック!
もう許しません!罰として、こっちに来てもらいます!)
その言葉と共に、俺の意識は何処かへ引っ張られた。
・
・
・
「お久しぶりです(ニコッ」
…俺、寝てた筈なんだけど?
「ここに来たのは意識だけですから、身体は寝たままですよ?」
それって、結局精神的な疲労は回復しなくない?
「大丈夫ですよ。
覇王さんは何だかんだで優しいですから、二度寝三度寝くらい許してくれますって」
…二度寝は無理だろうけど「あと5分」なら許してくれそうだな。
じゃなくて、俺をここに呼んだ理由は?
何か伝えたい事があったんだよな?
「ありませんよ?理由なんて」
へ?
「私を放ってエンジョイしてるから、邪魔したくなっただけですよ?」
この駄女神タチ悪い!
「というのは9割でして」
おい。
「残り1割についてお話しします」
何だ?
1割のくせに、やたらシリアスな雰囲気を出しやがって…。
「覇王様についての事です」
ん?さっきは「さん」だったのに、なんで変えた?
「私と覇王さんでは、格が違い過ぎるので…。真面目に話す時は「様」を付ける事にしています」
でも、覇王はそういうの嫌いだろ?
呼び捨てしても気にしないってか、むしろ「様」なんて付けられた方が嫌がるんじゃないか?
「いいんです!」
お、おう…。
「覇王様は、価値観があなた方と大きく異なります」
そうか?
結構ノリ良いし、ネタ振ったら返してくれるぞ?
「確かに、覇王様はとても優しい方です」
だろ?
「ですが」
?
「それは『身内』限定です」
覇王の身内…?
「ざっくり分けますと、覇王様にとって「神」と「人格」は始めから身内です」
まあ、元が覇王なんだし…身内だな。
人間は、分かれてから更に変化したから別なのか。
「身内に含まれない者や物は、全て「その他」つまり、有象無象として片付けられます」
平家でなければ何とやらってか…。
「ですが、身内だからといって覇王様の意に反する事を繰り返すと「その他」に認識されます。
逆に、その他でも覇王様の御眼鏡に適えば「身内」として認識していただけます」
…俺、大丈夫?
思った事をそのまま伝えてたけど…。
「覇王様は、礼儀作法等を嫌います。覇王様に対し無礼な態度であろうと、覇王様の周りにいる方々が殺意を向けるだけで、覇王様本人は全く気に止めませんよ?」
え?覇王の周りにいる奴等に殺意向けられるとか、普通に恐いんだけど?大丈夫じゃないよ?
魔王クラスがゴロゴロいるんだとしたら、殺気だけでショック死も有り得る。
「無礼と言っても、あからさまに覇王様を見下したりしなければ問題ありません」
なら大丈夫そうだ。
「…対等に見るだけで暗殺を企む方もいますが(ボソッ」
ん?何か言った?
「いえいえ、何も」
そうか?
「それで、ダークさんに覇王様の価値観を伝えた理由ですが」
ん?
「あなたには取るに足らない些細な事でも、覇王様が暴走する事があると伝える為です」
…何で?
「覇王様は、御自分が侮られようと『有象無象の考えなど、取るに足らん』と捨て置きます。ですが、『身内』が侮られると話は別です」
つまり、覇王の逆鱗は覇王本人じゃなくて、身内にあるって事か。
「その通りです。先程の、王とのやりとりで噴火寸前になるレベルで話が変わります」
…沸点低くね?
「御自分の事に関しては、完全に興味が無いのですが…。その分、身内の事になると直ぐに激昂されるのです」
…てことは何か?覇王の事になると激怒する身内と、身内の事になると激怒する覇王。
こいつらで構成された集団に世界は支配されていると?
「覇王様は世界を創っただけで、後は放置していますが…。気に食わない存在を次々と消しているので、王が配下の粛清をしているとも取れますね…。
その実は「あいつさー、ウザくね?殺っちゃう?」程度の軽いノリですが」
…そんなノリで国とか更地にしてんの?
「覇王様が本気で潰しにかかるのは、身内に何かされた時くらいですから」
そうか…。
俺も人付き合いの仕方を考える必要が有るのか。
「まあ、ダークさんと仲の良い人であれば、覇王様も大目に見てくださるので…。
ここでの話は参考程度に受け取ってください」
大丈夫?俺の一言で、喧嘩した知り合いが、翌日死に体になってたらトラウマものよ?
「死体では?」
言葉遊びだよ、分かんないか…。
駄女神だもんな。
「言葉遊びくらい知ってます!ちょっと出てこなかっただけです!」
例えば?
「しりとりとか…回文とか?」
他には?
「……あ!そろそろ時間です!いやー、名残惜しいですが、時間になってしまったので仕方ない!お別れです!ではまたいつか!」
そう女神が言うと、俺の意識はまた何処かへ引っ張られていった。
女神…逃げたな。




