やってきました魔王城!
間に合った…( ̄▽ ̄;)
警告に従って大人しく此方へ来た皆さん、実はかくかくしかじかでして…ええ、そういうことです。
『なんやかんやあったけど、無事到着したな』
謎の声により、強制的に魔王城が目視出来る程の近くに連れてこられた俺。
とりあえず魔王城に向かえと言うので、大人しく魔王城に向かう。
『ダークよ、謎の声謎の声と呼ぶがな、俺にも名が有るのだぞ?』
マジで?
『マジで』
謎の声がそう言うと、声がしていた辺りに黒髪黒目の中性的な美人が存在が現れた。
背は170㎝程で、髪型はショート。
服装は黒いマントと黒尽くめだ。
マントのせいで体型は分からない。
どちらさん?
『お前が散々「謎の声」って呼んでた奴だよ』
え?マジで?こんな中性的な美人だとは…
『姿は気分により変わるぞ?あと、俺に決まった性別は無い。男の体にも、女の体にもなれるが…俺の力は姿に左右される物ではないから、女体化している時に夜這いをするのはオススメせんぞ?
お前が消えるだけだ』
そう言うと、謎の声はニヤリと笑った。
一瞬ドキッとしたのは不整脈に違いない。
んな恐ろしい事、考えてすらないわ!
変身で力が変わらないという事は「私は変身を二回残している」とかキメ顔で言ったりしないのか…。
まあいいや、名前は?
『名前か…俺の名前はいっぱいあってな』
イッパイアッテ(ry
『たくさんあってな』
タクサンアッテナ?変わったお名前でs
『違う!』
『ふむ…長らく呼ばれていないからどの名前が良いか悩むな…』
例えば?
『化物、魔王、災害、災厄、天災、災禍、覇者、覇王、邪神etc…』
神生んだのお前なんだよな?
『そうだが?』
何で邪神?それに名前てか、それ二つ名じゃね?
てか、本物の魔王差し置いて魔王って呼ばれるとか…。
まあ、謎の声のが格上なんだろうが魔王の立場無いな。
『邪神については神をあごで使ってたからだとしても、二つ名の方は分からんのだ』
戦場あったらどうする?
『混ぜてもらう』
それだ。
参戦した後、どうなる?
『更地になるな』
そら天災だ何だと言われるわ。
常識が無いんだよな。
さっきもそうだ。
転移の光が収まったら、真っ暗で何も見えないし。
固い何かが体をピッタリ包んでいて、身動きもとれなきゃ呼吸も出来ない。
少ししたら謎の声が出してくれたが…
俺を殺す気か?と聞けば
『貴重な体験が出来たろう?』
と返す。
貴重な体験?と聞けば
『いしのなかにいる』
と、きたもんだ。
確かに貴重だがな、あと少し遅かったら俺死んでたと思うんだが?
『俺の見た所、窒息第Ⅱ期だった。安心しろ』
いや分からんし、Ⅱ期て何?
とりあえず、苦しい思いしたんで謝って貰えませんかね?
『この魔王城、何が凄いってな?』
あ、こいつ露骨にシカトしやがった。
『この魔王城、何が凄いってな?』
はいはい、何が凄いんだ?
『先ずは、やはり外見だ!
真っ黒な城壁に、真っ黒な城門。
重厚なシルエットに崖の上という完璧な構え!』
おお!ザ・魔王城って感じだ!
『一つ論外なダンジョンを抜けば断トツの難易度!』
おお!ん?その論外なダンジョンが気になるな。
『そのダンジョン、罠も無ければ雑魚敵もいない、ただの洞窟なのだが…ボスが俺でな』
なるほど、無理だな。
『そもそもが魔王城突破後の隠しステージ扱いだしな』
で、その魔王城はどんな感じに鬼畜仕様なんだ?
『魔王城から一定の範囲内に入ると問答無用で鳴り響く警報』
ビィイイイ!
警報が鳴ると同時に襲いかかって来たワイバーンを話しながら瞬殺し、城門の前に立ちはだかった古龍の尻尾を掴み投げ飛ばす。そして門番である古龍の身体で先程説明した城門と城壁を崩壊させた謎の声。
謎の声は何の躊躇いも無く、魔王城に踏み込む。
『雑魚のくせに壁抜けして襲ってくる敵』
謎の声、後ろ!
『大丈夫大丈夫』
ザシュッ!
謎の声は振り返りもせずに、突如壁から現れたエルダーゴーストを手刀で切り裂いた。
ゴーストを物理で倒すなよ…
『てか、変わらず謎の声か…どうせなら覇王と呼べ、それが一番気に入っているからな』
ん?王と名乗ったか?こいつ。
『覇王の方だぞ?覇者は被る奴がいるからな』
よく分からんが、王って…支配者やってんの?
『何を言っている、神の上だぞ?非の打ち所の無い支配者階級だろう?そもそも、王ってのは本来支配者という意味ではなく「最も強い者」という意味だ。そう考えれば問題無いだろ?』
支配ってか、蟻の巣を破壊する人間くらいの規格外だからな。
『蟻相手だろうと、敵対するならビッグバンくらい普通に起こすぞ?勿論範囲を狭めて威力を跳ね上げた上で使うから、安心ろ』
わーい、それなら安心だー(棒)
こんなやりとりをしている間にも、歩みを止めずに進み続ける俺と覇王の所には前から後ろから、途切れる事無くオーガやオーク、ワーウルフやドラゴニュート等が押し寄せてくる。
時々火竜や天竜、地竜等々の明らかなボスクラスの敵が複数体纏めて来ているが…覇王は全く歯牙にもかけていない。
覇王が手を一振りすると
光の奔流が、闇の濁流が、灼熱の業火が、空を裂く落雷が生じ、敵の全てを消し去っていく。
それなのに、壁にはヒビ一つ着いていない。
覇を競い合う者共の頂点、覇王の二つ名は伊達じゃないらしい。
『お、魔王城大広間の扉が見えてきたな。あそこに魔王がいる筈だ』
俺、完全に場違いだな……帰っていい?
『駄目だ』
とても良い笑顔で俺の頼みを一蹴すると、覇王は大広間の扉を開け放った。
くそ!また不整脈だ!
王の本来の意味が「最も強い者」というのは、この世界の中だけの事ですのでご注意下さいm(__)m




