12話
あの昼食以降、フィリベルトが帰って来ると共に食事をする事が増えた。
「アイツ、一体何を企んでいんだ?」
インメルトラウトは、メイド達の目を盗んで庭園の四阿に居た
城でもデリアの目を盗んで城下に行ったものだ
「訳わかんねぇ。アイツはー」
思わずあの時フィリベルトに貫かれた脇腹を見たが血など流れていない
「・・・」
(お兄様達元気かな。)
たまに手紙を出しているが返事はちゃんと届く。中身は閲覧されているだろうがさわりもない内容だ
アンゼルムもパウリーネもパウリーネ付きのメイドになったデリアも変わりないらしいがアンゼルムはあだ婚約者を決めてないらしい
「お兄様、優柔不断なところあるしな。」
アンゼルムは少々優柔不断なのだ
ピュン
ピュン
「うん?」
懐かしい素振りの音し、音の方向に行くとインメルトラウトと変わらない年齢だが公爵家の護衛騎士の制服を着た薄い茶髪の少年が居た
「もっと、腰を引くした方がいいですよ。」
「お、奥様!!」
少年は慌てて頭を下げる
「いきなり、すいません」
「い、いえ。」
少年はインメルトラウトの顔を見た
「護衛騎士の方ですか?」
「は、はい。ゼオンと申します」
護衛騎士ーゼオンは言う
「ゼオンさんですか。」
「ゼ、ゼオンでいいです。奥様」
ゼオンは言う
「そうですか。ではゼオン
ここで鍛錬ですか。」
「は、はい。ぼ・・・私はまだ未熟なので」
「そうですか。では、まずは筋肉量を増やしましょう。」
「え?」
(暇つぶしにいいの見つけた)
インメルトラウトはゼオンを見て思ったのだった