13話
「・・・あっちで剣の稽古でもしていたのか?」
「そ、それはー(な、何で、コイツがここに居るんだよ!?今書斎で仕事してるんじゃなかったか!?)」
ゼオンは、棒のように固まったままフィリベルトを見ているのでインメルトラウトしかこの状況を打破できる人間は居ない
「奥様。」
今日は、コリーがインメルトラウトの世話をしてくれる日だった。
コリーは比較的扱いやすいのだ
「コリー、私の国から届いた国産のフルーツを使ったパウンドケーキが届いたから貴女もどう?」
パウリーネからパウンドケーキが届いたのだ
長持ちするのでたまに送って来てくれるのだ
「そ、そんな奥様のを恐れ多いです。」
コリーはこの公爵家でも新人の方だ。実家は祖父の代で2代目の騎士爵になるが子だくさんでコリーは少しでも生活の足しにと思い公爵家のメイドになったのだ
「いいのよ。私1人で食べきれないわ。」
インメルトラウトは、王女ながら気さくな性格だ
工芸品でも有名なテッキトハウザー王国の姫なので手先も器用だ
「い、いいんですか?」
「ええ。」
パウンドケーキを載せた皿を出す
「お、奥様、それは私がしますので!!」
コリーは慌てて言う。
「言いのよ
その代わりにお願いがあるの。」
「な、何でしょうか?」
「少し、1人で庭に行きたいの。」
「そ、それはー「お願いね。」・・・はい」
コリーは絶品のフルーツパウンンドケーキにつられて引き受けるのだった
「ゼオン。お待たせ」
「い、いえ」
「じゃ、私の素振りの通りにやって見て、ありがとう
摸擬剣だけど無理言って持ってきてもらって」
「い、いえ。」
模擬とはいえ剣を手にするのは
(16年ぶりだな
姫生活じゃ、こんな触れないし)
インメルトラウトとして模擬剣に触るのは16年ぶりだ
「こんな風に」
「はい。」
レフだった時を思い出しながら素振りをする
レフ・ウトキンとしてやる事はひたすら剣の腕を磨くだけだった
それでしか存在意義を示す事が出来なかった
「・・・あっちでも剣の稽古をしていたのか?」
「フ、フィリベルト様!?(なんでコイツがここにー今書斎で仕事じゃ・・・)」
「公爵様!?」
ゼオンはそう言い棒のように固まった
「い、いえ、見よう真似です。」
「その割には、動きは素人ではないな。
まるで、歴戦の者だな。」
フィリベルトの言葉に
「そ、そうですか?フィリベルト様に言われるとは光栄ですわ。
では私はこれで、」
「・・・」
(な、何とか誤魔化せたか?)
安心してその場を去ろうとした時だった
ピュン
グサ!!
「あ、危ねぇな!!当たったらどうしてくれんだよ。」
短剣が飛んで来たのですぐ避けると木に短剣が刺さった。
「・・・それが素か。インメルトラウト・フォン・キッテトハウザー王女。」
「・・・」
投げた相手ーフィリベルトはつい素の口調になったインメルトラウトを見たのだった




