ある令嬢の思惑
「ワタクシは誓ってリリアナ様を貶める行為はしていません。ですが此度の婚約破棄は謹んでお受けいたします」
凛と涼やかなに伸びる声がホール全体に響く。
彼女の何もやましい事は無いかのような自信に満ちた佇まいにイラッとくる。
爵位も容姿も教養も素敵な婚約者も何もかもを得ている令嬢が今、王子様に婚約破棄を突きつけられているタンドリー・ローズだ。
何もかも持っているのだから一つぐらい貰ってもいいじゃない。と思い婚約者の王子様に近づいた。
王子様との距離は面白いほど早く近づいた。
なのに!あの女は涼しい顔で日々を過ごし私の事なんて取るに足らないかの如く存在を無視したのよっ!!
それからはすこーっし誇張して王子様にお話した。
『沢山の令嬢に振る舞いがダメだって言われて・・・。今までそんな事言われたこと無かったのに急に』
そして王子と蜜月を過ごし今日、やっとあの女の歪む顔を拝めると思ったのに。
思わず力が入りキュッと王子の袖を掴む。
「リリアナ、私のリリィ。怖かったかい?これでもう大丈夫だよ。」
蕩けるような表情で王子が私に問う。この完璧だと言われているこの人をあの女から奪えたのだと思えば溜飲が下がる
。それに私は王妃になるのだ。誰からも羨ましがられる存在に。そう思うだけで
花が綻ぶ様な笑顔を王子に見せ
「ありがとう。貴方がいてくれてよかった」
心の底からそう思える。




