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81話 痛みを短剣に

 よろしくお願いします。

 「フィルス!散歩!行くよ!!」

 「ふぁ~あ.....なんで僕だけなんですか?」

 「もう!何回言えば分かるの?!二人の時は──「敬語を使うな.....でしょ?」──分かってるならちゃんと実行してよね!」


 〈分かってるだけで了承した覚えはないんだけどね.....まぁ、断れないのは目に見えてるけど〉


 護衛と帝王という関係上、敬語を使わないなど無礼以外のなにものでもないのだが、今回は例外だ。帝王が敬語を使うなと言っているのだから......

 だが、フィルスはそれを了承していない。寧ろ、断ったのだが帝王はそんなのお構い無しに帝王が決めた時点で、即決定となってしまったようだ。

 そんなフィルスはハッキリ言って眠い。約一週間の長旅故に疲労は溜まりに溜まって、王都に到着した安堵感で今、急激に疲れが溢れ出しているのだ。だが、元気な帝王にそんなことは関係なく、フィルスに拒否権もないので護衛を続行中なのだ。


 「さっ!どこ行く?」

 「仮にも僕は護衛なんだ。決めるのはハーリスだよ」

 「くっ!そこで護衛を出してくるとは.....卑怯な!」


 〈直ぐに帝王の特権出してくるハーリスに比べたらましだと思うし、散歩したいって言ったのはハーリスなんだけどなぁ〉


 帝王のいつも、自分勝手な言動に呆れた眼差しとため息を吐くフィルス。だが、相変わらずな感じにホッとしたりいつもの事だから、と苦笑してしまう。


 「じゃあ、フィルスの好きな所へ行こう!」

 「僕の、好きなところ.....?」


 ニッカニカの笑顔でフィルスが首を傾げる姿を見る帝王は愛らしいが今はなんかムカつく。

 そんな感情が湧いてくるが、自分の好きな所へ連れていってくれると言うのだ.....悪い話ではない。


 「ここがフィルスの好きな場所!へ、続く近道!で、あってほしい!」

 「.....行く気あるの?それにこんな──薄暗い通路通るの?」


 〈はぁ.....やっぱり、誰かに変わってもらった方が良かったかな〉


 帝王の呑気で頼りなさに護衛を変わってもらえば良かったと心の中で後悔するフィルス。

 だが、逆に自分が護衛で良かったと思ったのは数十秒後の事であった.....


 「ホント、薄気味悪いね......」

 「そう思うんだったらなんでこんなところを通るの!?」

 「ホントっすよ。そしたら──命を亡くさずにすんだのに」

 「「っ!?」」


 突如として通路に響き渡る声は幼く、冷たく、殺意を感じさせた。


 「帝王、ハーリス・トリウスっすよね?悪いっすけど、貴方にはここで息絶えてもらいますッス」

 「ハーリス!僕の後ろへ!」

 「う、うん....先ず、君は誰で、なんで僕の命を狙うのか教えてもらえる?」

 「ハーリス!今はそんなことより──「そんなこと?!民の意見はどんなものであろうと大事なんだ!後ろで震えて護られるのが王様じゃないんだよ!」.....」


 〈これが帝王の威厳.....凄い威圧感で、逆らう気力が湧いてこない.....〉


 帝王の見せたもう1つの顔......いつもの穏やかな表情とは一転、険しく幼いながら放たれる威厳は国王にも負けず劣らずのものであった。

 そんな帝王を前にして言葉を詰まらせるフィルス。すると帝王の目の前にそれは姿を現した。

 その姿はフィルス達と同年代であり、その手には短剣が握られていた。


 「教えてやりますっすよ。あんたのせいで.....帝国が武力で国を治め、王国が交渉で国を治めたことでできた反乱を!それで苦しむ者達の痛みを!!」

 「っ!?」

 

 何処からともなく現れた少年は短剣を振りかざし帝王へと斬りかかった。


 ザクッ


 何かを切り裂く音がこの薄暗い通路へ響き渡った。

 ありがとうございました。

 この少年・・・・・アルファポリス様で書かせて頂いている小説を見ていただければ誰だか分かるかと思います・・・・・・・次回!帝王が斬られてしまった?!お楽しみにっ!

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