76話 代々の呪い
よろしくお願いします。
「何奴ダ。我ガ眠リ妨ゲル者ハ.....」
〈え、こ、この人は王道RPG のボスかな?そうなのかな?うん、そうみたいだね....で、でも、帝王様が跪けと言うほどにスゴい魔物だというのは分かるし.....喋る魔物は初めて見た.....〉
「い、いえ、私の注意不足でした。このような浅瀬にまさか──《青龍》様が居られるとは.....」
「フム、礼儀正シイ小僧ダ。ココ最近、海ガ荒ブッテオッテナ。オチオチ眠レモセヌノヨ」
落ちていく夕陽を眺めながら愚痴を溢す青龍。
青色の鱗は水に先程まで入っていたこともあってかキラキラと輝いており、赤色の瞳は夕焼けに溶け込んで、靡く髭までもが美しく、見とれてしまう。
フィルスはすこし茫然としながら青龍を眺めていると目が合って我に返り、深々と頭を下げる。
「フフッ.....フハハハハハッ!!ナントモ面白イ!ヨイゾ、面ヲ上ゲヨ......小僧。我ガ恐ロシクナイノカ?」
「い、いえ!とても威厳あるお姿につい見とれてしまいました」
ここで恐ろしくないと言えば無礼に当たるだろう。なので嘗めてなどいなくて、美しくて見とれていただけだと述べる。まぁ、事実なのでなんの問題もないのだが.....
すると青龍はまたもや豪快に夕焼けの海上で胴体の大半を海中へ沈めて笑った。滑稽なものでも見るような目でフィルスを見て大きな口を開く。
「小僧。名ヲ申セ」
「ふ、フィルス.....フィルス・クレイアです。ストームを打ち上げていたのは僕です!本当に申し訳ございませんでした!」
「ソウカ、ソウカ.....フム、正直者デ将来カナリノ困難ガ待チ受ケテイルデアロウ、フィルスニコレヲ授ケヨウ」
〈えっ!何?いきなり.....授ける?やめてよ。人から貰うの好きじゃないんだよなー.....人じゃないけど〉
そんなことを思っていると小さな前足を身体の中心部分まで持っていき、スレスレまで両前足を近づけて力を練り始める。
何かとてつもなく強烈な魔法でも出てきそうな雰囲気に固唾を飲む。
「我ガ加護ヲ受ケルニ値スル者ヨ。ソノ名ヲ再ビ申セ」
「.....フィルス・クレイアです」
「フム、我ガ司リシハ水ノ力──海ヨ!川ヨ!池ヨ!雨ヨ!コノ者ヲ護リ愛セ!!我ガ加護ニオイテ、コノ命令ハ絶対ダ!破リシモノニハ容赦セヌ!誓エルモノハソノ身ヲ持ッテ即今示セ!!」
突然のどしゃ降りの雨──波は強さを増し、砂浜に魚の群れを打ち上げる。他にも変化は起きているであろうが、現時点で目視出来るのはこのくらいだ。だが、雨はなかなか好ましくない、と思って服を見て思った.....
「.....雨が、ふって.....え?な、なんで?服が──濡れてない」
「ソレガ、水ノ加護ダ」
〈うへー.....皆がびしょ濡れだから可哀想だけど、凄い便利.....傘が要らないってことだね!〉
そんなフィルスの心中を察したのか青龍はフィルスに顔を近づけ、首根っこを噛んで海に放り投げる。
「なっ、なんでぇえぇええぇえええぇえ!!」
飛ばされていくフィルスはそう叫びながら海へ強制ダイブした。だが、あんなに打ち付けられて落ちたのにも関わらず、痛くなく、逆に心地いい。そして何より──
「.....海の上.....歩ける」
「ソレガ、水ノ加護ノ力ダ。役ニ立ツ時ガ必ズ来ルデアロウナ.....代々ノ呪イダカラナ.....仕方ガナイト思ッテクレ」
〈代々の.....呪い?仕方がない?何を言ってるんだろ?青龍様は......〉
結局何も聞けずに青龍が去っていくのを見送って色んな料理を振る舞っていた。一段落ついた頃合いにサティウスが少し違和感のある笑顔で【二人で砂浜を歩こうよ!】と言ってきたので、断ることなく了承して夜の砂浜を二人で歩いた。
「.....呼んだ理由は分かってるから。話してよ。」
【う、うん....青龍が言ってた呪いっていうのはね.....】
ありがとうございました。
なんとも気になる終わり方でしたね!次回!フィルスにかけられた呪いとは?!お楽しみにっ!




