77話 死にたくない!
よろしくお願いします。
【青龍が言ってた呪いっていうのはね.....】
珍しく真剣な表情のサティウスに、ただ事ではないのは分かるが、自分が他の者と何が違うのかは分からない。1つ違うと言えば.....
【使者は知ってるよね?何処からともなく成人すると現れる不思議な人種.....】
「そ、そりゃあ、この世界では有名だからね」
【.....じゃあさ──チキュウ、知ってるよね?】
「っ!?」
聞き覚えのある.....というか、自分が前世で暮らしていた世界だ。突然、何故、地球と言う言葉を持ち出してきたのか分からないが、答えとしてはYes なので首を縦に振る。
しばらく、この月夜に照らされた砂浜には静寂がやってきた。
波の音と、潮風が吹くなかで、俯くサティウスの顔は儚くまた、美しかった.....
【それで.....ね。ここからが本題で、使者は全員、そのチキュウから来た人達なんだ】
「なっ!──は、初めて知った.....」
サティウス曰く、地球人は人をあまり信用しないから、妙な発言はしないのだそうだ。言われてみれば、フィルスもあまり人を信用する質では無いかもしれない.....
だが、結局何が言いたいのだろうか?フィルスには何も分からず、首を傾げているとそれを察したサティウスは暗い顔のままで口を開く。
【....使者は世界を救うと何処にいくか知ってる?というか、使者がなんの目的でこの世界に送り込まれてるか知ってる?】
「.....世界を、救ってもらうため?」
【うん。当たってるけど違うかな.....
使者はね.....世界を『救わすため』に送り込まれてるんだ。強制なんだよ】
「......」
確かに、使者は現れると全てが全て、世界の危機に関わることを防いできた。たまたまだろうと思っていたのだが、これは創造神の意図したことだったらしい。
つまりは、断りたくても断れない──それを呪いと言っているのだろう。
【....呪いはね、まだあるんだ。例えばフィルスが息絶えたとする。そしたら、創造神がいらっしゃる限り、君は甦り続けるんだ】
「.....それは嫌だね」
別に命を懸けて世界を救う旅は了承の上だが、死んでも甦るのは聞いていない。というか、もうこの世界で死んだら甦るのは御免だ。何故って?そんなのゾンビみたいな真似をしてるみたでなんか嫌だし、それなら違う人たちを生き返らせてほしいと切実にフィルスは思うからだ。
相変わらず下を向くサティウスは何も言わずに黙り込んでいた。今まで言わなかった事を後悔してたり、申し訳なく思ってたりするのが原因だろう。
「.....甦りっていうのは嫌いだから、嫌だけどさ。サティウスも知ってるでしょ?僕は人のためにならこのちっぽけな命なんてポイ!って捨てるからっ。」フィルスは悲しいまでの溌剌な笑顔でそう言って、表情を崩すとサティウスに真剣な眼を向ける。
「でもさ、それでいいと思ってる──ううん、それが良いって。だからさ、そんな気負わないでよ。僕は今、幸せなんだから」
【フィルス......君の命は尊いよ?そんな簡単に捨てて良いものなんかじゃない。君が本当に誰かを救いたいって、護りたいって思うならさ.....僕達の傍に居てよ。それだけで僕は....僕たちは救われるから......】
〈......あぁ、そうか。護るって、命を捨てるだけじゃないよね。もっとこう.....心とか、身体とか、どちらを護るにも護る相手が居ないと──護りたいって思う人物が居ないと無理だよね。なんか.....さ〉
月は照らした。切ない眼差しでフィルスを見つめるサティウスを....そんなサティウスを見て、自然と涙を流すフィルスを.....海は波の音を抑え、潮風で二人を包み込んだ。雨は空から見守り、青龍は深い海底で口角を上げたまま目を瞑る。水の加護を受けていても流れる涙は止めどなくフィルスの頬を伝った。
そんなフィルスは砂浜に両膝をつき泣きながらこう言った。
「.....サティウス.....死にたくない.....!君を!仲間を護りたいし、一緒に居たいから!」
月は照らした──小さな体でフィルスの頭に抱きつくサティウスを....優しく包み込むノンシーを.....後ろから抱きつくクロを......今日の三日月はいつも以上に輝かしく見えたフィルスであった。
ありがとうございました。
少し重々しい感じに・・・・・・・(´・ω・`)
ま、まぁ、こういうのも大事ですよね!ね!じ、次回は青龍と別れて王都を目指します!お楽しみにっ!




