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57話 この方は・・・

よろしくお願いします。

 「.......?カースト様?何をなさっておられるのですか.....?」

 「静かにせい.....!今、人界の者と大事な話をしておるのだ!」


 天界の上層部に位置する神界......用があって訪ねてきたカーストの従者である大天使 ラファエルは瞑想のようなポーズを取り、いつにも増して静かなカーストに恐る恐る尋ねるとカーストは人差し指を口に当てて静かにするよう言ってきたのでその通りラファエルは黙り込む。

 カーストの言う人界の者との大事な話とはなんなのかは滅茶苦茶気になるが、主の言いつけを破るわけにはいかないとカーストをじっと見守る・・・・・・・


 〈えっ!も、もしかして.....カースト......様ですか?〉


 [あぁ、そうじゃとも.......久しいな。]


 〈い、いや、会ってから1日、2日しか経ってませんよ.....?〉


 [ふむ.....?そうであったかな......まぁ、それより!お主に話しておきたい事があっての!]


 〈ぼ、僕に......ですか?〉


 ちょっとした不安を感じながら通された厨房に置いてあった椅子に腰掛け目を瞑り意識を集中させながら話すフィルス。何処からどう考えても無礼があってはならない人なので考えたことが分かってしまう心の中で無闇な発言はできず、なるべく向こうが喋ってくれるように上手く誘導する。


 [ふむ、お主......キーリスを知っておるな.....?]


 「なっ!?」


 間違えて声に出してしまう程にフィルスは驚いた。何故、創造神であるカーストがキーリスという名を知っているのかと.....


 〈し、知ってるもなにも仲間で友達です.....!で、ですが......〉


 [あやつは死んでなどおらぬよ......まぁ、生きてもおらぬがな......]


 〈......??〉


 カーストの言っている意味が理解できず首を傾げるフィルス。生きているのに死んでいる??一体、どうなっているのだろうか?

 そんなフィルスの感情が読み取れたのかカーストは再び話始める。


 [キーリス.......いや、今はシンクスの側近である大天使 キーリスじゃな......あやつはこちらで元気に働いておるわい。]


 〈っ!?き、キーリスが......よ、良かった.....居るべき場所を見つけれたんだ......良かった.....本当に......〉


 瞑った瞼の裏から溢れでる涙は頬を伝い喜びを噛み締めていた。自分が不甲斐ないばかりに死んでしまったと思われたキーリスは彷徨うことなく居るべき場所を見つけることが出来たのだと思うと嬉しくて......嬉しくて......涙が止まらなかった。


 [あやつは頭も良いし、戦闘センスも抜群じゃわい。シンクスもそんな側近ができて大喜びじゃし、ワシ等としても仲間が増えて嬉しく思っておる。キーリスも楽しそうじゃしの。]


 〈そ、そうですか.......本当に良かった.......もしかしてそれを言いに態々........?〉


 一通り喜びに浸りそれを態々言いに来たのならば優しい神だと心底思っただろう......だが、違っていたという.......


 [いや、これは土産話というやつじゃ......その~.....ワシにもクレプーとやらを作ってくれぬか?]


 〈........はい?〉


 [い、いや~......ワシは大の甘党での~.....どうしても食べてみたいのじゃ。]


 〈そんな物ばかり食べてたら糖尿病になりますよ!?〉


 確かに、普通の老人が甘味物を大量摂取すれば糖尿病を患うだろう......普通の老人なら......だが.....


 [ワシを誰と心得る!この世界を治める創造神であるぞ!食べ物など食べずとも生きていける!つまり!食べ物とは趣味の1つに過ぎないのだ!]


 〈そ、それで......?それと糖尿病にならない理由がどう関係しているのですか......?〉


 話を区切ったところが可笑しかったのかまだ理解ができないフィルス。カーストは自信満々の声で再び話始める。


 [ワシの体はどんな食べ物でも不要物となってエネルギー.....つまり、力や魔力へと変換されるのだ!]


 〈えっ!そ、そんな事が......!で、でも、食べるってど、何処で......?〉


 「ここでじゃが?」

 「.......どわ!!び、ビックリさせないで下さい!!」


 突如として目の前に現れた黒い浴衣姿の長い黒髪と黒ひげの老人に驚愕のあまり椅子から転げ落ちるフィルス。恨めしそうにフィルスが睨むその老人は転げているフィルスを見て高らかな笑い声を厨房に響かせていた.......


 【へっ!か、カースト様!ど、どうしてここに??】

 「ん?おお!久しいな!サティウスよ!」

 「誰?このおじ......うぷ!」


 フィルスとサティウスはノンシーが言おうとした言葉を慌てて口を塞いで止める。確かにノンシーは防衛戦の時、遠方に居たから気づかなかったであろうがそれでもおじいさんだなんて言って良い存在ではない。


 「なに!なによ!別に疑問に思ったことを......」

 「しっ!疑問に思ったとしてもこの方に無礼があったら世界が滅んじゃうよ!」

 【そうだよ!あの方スッゴい気性が荒いんだからね?!】

 「......お主たち......聞こえておるのだぞ?」


 〈はっ!そ、そうだよね......創造神様ですものね.....や、ヤバイ!なんとかしないと......〉


 あたふたするフィルス達が滑稽に思えたのか再び大笑いをしだすカーストに少し胸を撫で下ろすフィルスとサティウス。訳が分からず首を傾げるしかないノンシーが少し寂しそうに見えるのは気のせいではないだろう......


 「えっと.......この人......いや、この方はね.....」


 結局教えて良いとの許可がカーストから出たので改めて自己紹介をすることに......ノンシーの反応が楽しみでならないのはフィルスだけではないだろう......

 少しの沈黙を置いてフィルスはゆっくりと口を開いた.....


 「創造神の一人である.....闇の神 カースト様だよ......」

 ありがとうございました。

 く、区切りが見えずに彷徨ってたらここが着地地点となりました・・・・・・・・少し可笑しかったですかね(;´∀`)

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