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58話 だ、大丈夫かな?

 よろしくお願いします。

 「こ、この方はね......」

 「う、うん.....」


 あまりのフィルス達の慌てように戸惑いと共に嫌な予感を感じたノンシーは固唾を飲んでフィルスの言葉を待った。暫しの重苦しい空気が流れ、フィルスはゆっくりと口を開く。


 「創造神の一人である闇の神 カースト様だよ.....」

 「......またまたぁ~.....そんな訳はないでしょ?天界に居るのよ?そんな.......そんな.....」


 徐々に声が小さくなり冷や汗を流し始めるノンシーは目に見えて動揺しており見ていて少し面白い。だが、このままだと気絶するのではないかと思うほどに顔を真っ白に染め小刻みに震えているのを見て慌てて落ち着かせようと声をかける。


 「な、なな、なっ!?な、なんでそ、創造神様がこ、ここ、ここに?!」

 「ふむ、ちと休暇が入ってな.....っと、言っても長いはできぬ.....今日中には帰るつもりじゃ。」

 「き、休暇が入ったら人界に降りてきて良いのですか?」

 【.....そんなわけ無いじゃん.....はぁ~.....カースト様!『また』サボってますね?!!】


 〈ん?聞いてはならない事を聞いた気がする.....サボる?また?常習犯なのかな??〉


 [ハッハッハ!参ったものじゃろ?!ちょっぴし抜け出しただけで殴り飛ばされるからな!]


 〈そ、それはカースト様が悪いのでは?!それに!勝手に心に話しかけるの止めてください!ビビります!〉


 高らかな笑い声と共に心の中に話しかけてきたカーストに呆れた声で咎める。殴り飛ばされるというのは少し.....というか、物凄く気にはなるがそれよりも心の中に話しかけてくるのは心臓に悪いので取り敢えず止めてもらいたい。

 そんなフィルスの肩をバンバンと叩いてワシの分も作ってくれと言ってくるので仕方なく了承する。


 「で?創造神様はこれからどうなさるつもりですか?あまり外を彷徨かれると危なそうなのですが.....」

 「な~に、ワシは厨房の隣にある部屋で茶菓子でも嗜んでおるよ。気にせず、出来上がったら言うてくれ。」


 〈せ、世界の頂点が隣で茶を嗜んでるのに気にせずにいられるとお思いですか?!そ、それに!クレプーはデザートなので夜になっちゃうし.....〉


 [おっ?そうなのかの?.....なら、夕食も御一緒しようかの。]


 〈......えっ!そ、それはまずくないですか?!て、帝王様も居ますし.....〉


 [お主の知り合いとでも言っておけばどうにかなるじゃろ?]


 確かにフィルスの父親は貴族なので顔は広く、知人が多くいても可笑しくない......だが、不安もある.....


 〈そ、それだと.....帝王様より地位が下であると見なされてある程度の無礼は許さなくてはならなくなりますが......耐えられますか?〉


 [ハッハッハ!ワシは創造神じゃぞ!いつでも心は広くあらねばならぬものよ!]


 〈うぅ~.....そ、そこまで言うなら信じますよ?〉


 [どぉ~んと任せておきなさい!ハッハッハ!]


 大分不安を感じるのはこの軽い口調だけではないだろう。サティウスもカーストは短気だと言っていたし、見た感じは穏やかで元気な老人であるが、万が一と言うこともあるので無礼は許すように言っておいた。それも自信満々の声で返してきたので最早信じる以外の道はなさそうだ。

 そんな状況にため息を吐いて肩を落としながらノンシー達にも事情を伝える。するとノンシーは驚き、サティウスはヤレヤレといった感じで呆れている。


 「そ、それなら提案があるのですが.....」

 「む?ノンシーと言ったか?して、どのような提案じゃ?」


 恐る恐るといった感じで手を挙げながらノンシーは提案があると言ってきた。初めて会うはずのノンシーの名前を知っているのは流石、創造神と言えるだろう。そしてカーストが提案の内容を言うように促すとゆっくりと口を開く。


 「.....フィルスはCランクの冒険者です。それ相応の教師がいて、それで強くなったとあっても可笑しくないかと.....」

 「ふむ.....つまりは、その教師がワシだという設定でどうかと言うことかの......?」

 「は、はい.....書物でしか見たことがありませんが、カースト様は剣術の使い手だとか.....」


 〈えっ!そ、そうだったんだ.....それは知らなかったな.....〉


 [ワシの剣術は凄いぞ!ちなみにシンクスは槍使いじゃな.....グングニルを所持しておるわい。]


 〈ぐ、グングニル?!えっ?で、でもあれは地球の神話に出てくるオーディンが持っていた物じゃ.....〉


 確かにグングニルというものは詩文の神である流離人オーディンが持っていたものであると言われている。知識に貪欲であるとされ、全知全能の神、戦神、知恵者等々の呼称を持つ。


 [そうじゃな、そんな神話もあるようじゃがな.....それは人間の創った空想上の話でしかないわい.....まぁ、オーディンは実在するがの.....]


 〈.....へ?えっ?うん?お、オーディンは実在するんですか?!ま、まさか.....〉


 グングニルはオーディンが手にしている物ではないのだという.....だが、オーディン事態は存在するという初耳情報である。これに驚けるのは地球を知るフィルスだけであるため共有ができず、一人で驚いている。


 「ま、まぁ、僕の師匠という設定で良いですか?」

 「あぁ、構わんよ.....なら、道場の名前か、ワシの名前と異名でも考えるとするかの~.....」

 【......乗り気だね~.....はぁ~.....まったく.....ラファエルが不憫でならないよ。】


 〈さ、サティウスでも呆れるカースト様って.....ほ、本当に上手く誤魔化せるのだろうか.....?〉


 不安しか募らない中、折角厨房を借りているので買ってきた材料を取り出して調理を開始するフィルスであった.....

 ありがとうございました。

 オーディンに関してなのですが・・・・・聞きかじりの情報なので多少の誤差があるかと思いますがご了承ください(´д`|||)

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