レベル上げ2
酒場を出て向かったのは適正レベルが2の場所だった。スライムの時とは違い、森だった。出てくるモンスターはゴブリンらしい。
「ここなんだが一つだけ気を付ける事があるんだ!木が軋む音がしたら全力で逃げろ!」
「どうしてだ?」
「たまに強いモンスターが出てくるんだよ〜。たしかレベル10の人が2人がかりで勝てないくらいの。」
「へー。お前らって何レベ?」
「俺は8!」
「僕は7だよ〜」
「やっぱ先に始めてるだけあって俺より高いな」
「流石にな!」
「5レベ頃から上がり辛くなっていくんだよね〜」
「最初の街に人が少ないのはそう言うのが理由だ!次の街に次の街にって進んで行った方がモンスターからの経験値が多いからな!」
「まあ、人に関してはサーバーが負荷に耐えきれないかららしいよ〜。だから多分もう少しで急に増えてくるよ〜。それと一緒に大勢を受け入れるためのアップデートとかもあるんじゃないかな〜。」
「なるほどな〜」
「話はそれぐらいにしてゴブリン退治に出発だー!」
「「おー!」」
歩いているとゴブリンの集団と遭遇し、戦闘に入った。
「トモ!ゴブリン、そっち行ったぞ!」
「任せろ!〈スラッシュ〉!」
「援護するね!〈ファイアーボール〉!」
「ラスト1匹だ!〈スラッシュ〉!」
最後の1匹を倒し、経験値を得た。
「ナイス!めっちゃうまいやん!」
「うんうん!とってもセンスいいよ!」
「そうなのか?ありがと!」
「どれだけレベル上がったんだ?」
「今ので6だな。お前らのおかげだ。」
「僕も8レベになれたよ〜」
「レベル上がってないの俺だけかよ〜」
「けどもう少しだろ?」
「それがまだまだなんだなー。実はレベル8から極端にレベルが上がり辛くなるんだ!」
そう言えば、レベルといえば称号が手に入ったんだったな。
「なるほど!レベル上げと言えばなんだが集合時間まで待ってる間、ずっとスライムを狩ってたらこんな称号取れたんだ」
そう言い、俺は手に入れた称号〈スライムキラー〉を2人に見せた。
「何だ!?このぶっ壊れ称号!?」
「こんなのどうやって手に入れたの!?」
「実はだな...」
手に入れた経緯を2人に話す。
「マジか!?じゃあゴブリンとかでももらえるんじゃね!?」
「可能性は結構高いね!」
「けど上位勢は何で知らないんだ?」
「んー毎回自分と実力が拮抗した敵としか戦ってないからじゃ無いかな?争奪戦に勝ってまでエンジョイするプレイヤーは少ないだろうし。そう言った意味では必ず買えるのは田舎の数少ない利点だろうね〜。」
「なるほどなー。どんどん進んで行かないとレベル上げれないしな!」
「2人は称号自体は知ってたのか?」
「ああ!上位勢の奴らが新しい町を発見したら取れるってのが有名な話だからな!」
「にしてもアプデ前でよかったね〜。人がいっぱい来たらその分序盤のそういった隠し要素が見つかっていきやすいからね〜。」
「ゴブリンキラーも取りにいくか!」
「「賛成!」」
かくして、ゴブリン大虐殺が始まった。しかしどれだけ倒しても称号が貰えなかった。そして時間だけがすぎ、時計も12時になるところで...。
「うおー!手に入ったぞ!しかもユニークだ!」
「おめでとう!」
「おめ!」
「ありがと!」
ナオはこの場で踊りだすのでは無いかというほど上機嫌だ。
「2人は手に入ったのか!?」
「僕はまだだね〜」
「俺もだ」
「時間も時間だしあと一回狩って終わるか!」
「そうだな」
最後の狩りの間にゴブリンを倒すと〈ゴブリンキラー〉を手に入れることができた。それと同時に
「やった〜!取れた〜!」
と、後から聞こえてきた。
「俺もだ」
「2人とも手に入ったのか!おめでと!」
「ありがと!考えたんだけど、称号を手に入れる方法って一回の狩りで指定された量のモンスターを狩ることなんじゃ無いかな?これなら僕と一緒にトモ君が称号取れたことも説明がつくし」
「じゃあこれから称号を取りに行くのをメインに活動するか!」
「「了解!」」
「それじゃあ今日は解散するか!」
「オッケー!また明日ね〜!」
「明日なー」
「またな!」
それぞれログアウトしていき、俺もログアウトした。そしてすぐにベッドで横になり、深い眠りについたのだった。