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DEMONSMOB〜勇者に巻き込まれて転移した俺の物語〜  作者: はるりん
第1章 転移、そして目覚め
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二十二・彼女の祈り

……なにが、起きた…?一瞬気を失ってたのか…確かゴーレムと戦っていてリリスの能力で…そうだリリス!リリスの攻撃に巻き込まれたのか!!ゴーレムはどう────なんだこれ…


俺は驚きの余り声を出せなかった。何故なら、洞窟に夕焼けの儚い光が差し込んでいたからだ──────

「なんだ…これ...」


洞窟は半壊していた。天井は無くなり、横壁には原因となったと思われる、能力による巨大な穴が空いていた。


「マジかよ…こんなの反則でしょ…」


「ヒナタ様!ご無事で何よりです!」


「リリス...!これって君がやったんだよね?」


「え、えぇ…す、少し調整を間違えてですね、あはは!」


「”あはは“じゃないよ!!洞窟崩壊してんだけど!!?というか、ゴーレムは倒せたの?」


「それは問題なく!塵一つ残さず吹き飛ばしました。」


あぁ…恐ろしい。俺はリリスを怒らせないようにしようと再度心に誓うのだった。

まぁでも...結果オーライかな。ゴーレムも倒せたし...というか、ゴーレムが護っていたものって一体...?


俺は辺りを見渡した。

すると、崩れかけた部屋の隅に”異質な物体“を見つけた。


「リリス...アレって...」


俺たちはその異質に近づいていった。


「やっぱり…これって…死体!!?」


異質な物体の正体は漆黒のローブを羽織っている白骨化した死体だった。その状態から随分と昔のものだと分かる程の劣化が進んでいた。


「こんな所に死体ですか...あのゴーレムにでも殺られたんでしょうかね?不運な娘だ。」


「むす...め?」


そうか...その骸骨を詳しく見てみると羽織っているローブは女性のサイズ...なにより骨格を見るに線が細い。小柄な少女だったのだろう。


「どうして...こんな所に...」


誰にも知られず、一人で死んでいったのか...

彼女の気持ちを思うと俺は少し...心が締め付けられるような苦い感情になった。



「ん...?これは...文字?」


骸骨のすぐ近くに文字のような模様が刻んであった。

これは…異世界語...?

その文字を見たリリスは解読を試みる。


「えぇなになに...

『私…眠り…貴方…待ち…我師…ソ…』

んんー!!分かる部分だけ読みましたが半分以上が劣化で解読出来ませんね!!いったいなんのことやら!」


確かに…これじゃあ、何を伝えたいか分からない。

ただ彼女は誰かを待とうとしていたのか…


「可哀想に…」


俺は骸骨に更に近づこうとした...がその時



““ズズズザザァァァ””


「な、なんだ?!!」


突如、骸骨を覆っていた漆黒のローブが浮かび上がったのだ。


「ま、まさか死者の怨霊じゃないよな…!?」


”シュルルルル“


すると漆黒の古き擦れきったはずのローブは新品同様の姿に変わり、輝きを放っていた。そのローブは俺の前に浮遊していた。


「なんだこれ…?まさかこれって…」


「主様に着て欲しいのでは…!!」


え、マジで…?だってこれ…死人のローブだよ?罰当たりになりそうだし…凄い…不気味なんだけど…?!しかもこれ…女物だよね!?

…と俺の心の葛藤を無視するかのように着るように勧めるリリス。


「はぁ、分かったよ…着ればいいんでしょ!」


俺は浮遊しているローブに背を任せ、試着する。


「な、なんだ!!?」


俺が着ると同時に女性用で小さかった筈のローブはみるみると大きくなっていき、俺のサイズにピッタリになっていた。


「おいおいマジか…これって魔道具か何か?」


「魔道具のような…それに似た何かのような感じはしますね。ですがヒナタ様!とっても!!!カッコイイですよ!!」


「そ…そうかな?」


明らかに普通では無い服に動揺していた。

もしかして…呪いとか…?うっ!深く考えるのは辞めておこう…


「よし、はやく洞窟から出よ────」


「ヒナタ様!こんな所に何やら杖が!」


リリスの方を見てみると確かに骸骨の横に杖が落ちていた。この骸骨のものなのだろう…それにこの杖、とてつもないオーラを感じる。間違いなく骸骨は只者じゃないな。

その後、リリスにこの杖を貰えと何度も言われたが俺は断った。これは彼女の形見だ。ローブもそうだが、見ず知らずの俺が勝手に貰って言い訳がないんだ。


俺とリリスは洞窟を出た。杖と骸骨を運んで。

意外にも外は明るかった。どうやら、俺達が洞窟に入ってからまだ一時間ほどしか経っていないらしい。


俺達は洞窟のある山の奥先に進んでいく。

すると見晴らしの良い鮮やかな花が色咲いている、草原に出た。


「よし、ここにしよう。」



その美しい景色の草原に遺体を埋め、杖を隣に突き刺し、石碑を建てた。

俺は周りに咲いていた菊のような黄色い花を摘んで、石碑に供えた。


「“どうか…安らかに眠ってください。このローブは少しの間お借りします。いつか必ず返しに来ます…!”

よし…リリス、行こう…!」


そして──────────




俺達は帰路に着く。

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