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ごんぶとエルフ転生~人間に搾取された異世界で魔王になった~  作者: 白咲犬矢
ごんぶとエルフ魔王誕生編
2/14

Part2 ごんぶとエルフと神話級アイテム

2話、書き直しました(´・ω・`) 次は3話だっ……

 ハーゼルが降り立ったのは、大陸の東に位置する異種族が暮す土地だった。

 彼はエルフの国であるデガリア王国と、魔族の国であるタルンドル魔王国との

ちょうど中央に位置する不干渉地帯の平原に居た。

 草原を走りまわった続けた彼は、空腹に喘いでいた……

 転生してからは水も食べ物も何も口にしていない。


「あれ?そういえば説明も何も受けてなかったけど、

俺、考えてみたら完全に手ぶらだよな?お金も食べ物も寝床も何もないや…」


 途方に暮れていたところで、目の前に突如として、

〈ON-AIR〉の文字が浮かび上がった。


『ハーゼルさキ―――ン ホワンワンワン……』


「えっ? ハウリング?」


 聞こえてきたのは大天使様の声だった。


『ゴホン、失礼しました、少々出力が高すぎたようです』


(天の声って、機材使ってるんだね……)


 それからきこえた二度目の声は程よい音量で、

どういう原理かわからないが、空間エフェクトがきいていて壮大な感じがした。


『ハーゼルさん、こちらの世界の説明を忘れておりました……』


「あっ、はい、お願いしますっ!」


『早速ですが、長谷川さんの持ち物についてご説明致しますね、

オーディン様が用意したアイテムは"アイテムボックス"に収納されております。

"アイテムボックスオープン"と、念じてみてください』


(ほほぅ、アイテムボックスとはファンタジーっぽいね!

アイテムボックスオープン!)


 フォン!と、電子チックな音がして、半透明のウィンドウが表示された。


『中身の詳細に関しては、私には知らされておりませんが、

おそらくは、この世界で必要となります武器、回復アイテム、

食料等が揃っていることでしょう。

項目ごとにソートすることもできますので、

まずは"食料"のタブに触れてみてください』


 言われるがまま、食料のタブに指を伸ばすと画面が切り替わった…


(カロ〇ーメイト × ∞)

(い〇はす    × ∞)


 と、表示されたるが、これを見た大天使様が、

『――うわ~…ないわ~』と、小さくつぶやいた……


「いえっ、大好物です! 2年前までの俺の主食ですよ!」


 ハーゼルがオーディンを擁護すると、大天使様が深いため息をついた。


『はぁ~っ…… オーディン様ったら、これじゃ、ハーゼルが可哀そうよ、

良質な食事こそ健康の源なんですからねっ!』


 小声で『美貌が損なわれたら……』などとブツブツ文句を言っているが、

ハーゼル自身はカロ〇ーメイトが大好物なので、問題はなかった。


「大天使様、どうすればよろしいでしょうか?」


『そうねぇ~……』


『では、あなたに"狩り"のスキルを授けます。食べられる獲物の見分け方や、

さばき方がわかるようになるでしょう』


「おぉ! 冒険者っぽいですね! それでお願いします!」


『では、スキルウィンドウを開いてください』


「スキルウィンドウ?」


『はい、アイテムボックスと同じで、念じるだけででてきますよ!』


(スキルウィンドウオープン!)


 フォン! と、音がしてもう一枚のウィンドウが出てきた。

ウィンドウには"アクティブスキル"と"パッシブスキル"の二つのタブが見えた。


『パッシブスキルのタブに触れてください』との大天使様のお声に従って、

ウィンドウを開くと、そこには……


(ごんぶと    Lv ∞)

(オーディンの愛 Lv ∞)

(エルフの魅力  Lv ∞)

(魔法使い    Lv ∞)

(狩人      Lv -)


 このように表示されている。


『ハーゼルに狩人のスキルを授けますので、狩人のLv表示に触れてください』


「んっ? これかな?」


 軽くてを触れると"Lv -"と表示されていた部分が"Lv 10"に変化した。


『私の権限ではこれ以上の付与は許されておりません、でも大丈夫ですよ、

狩りをするだけの最低限の知識と技術は身についているはずです。

狩りをすることでスキルのLvは上がっていきます。

あなたがプレイしていた"エルフ転生記"とシステムはほぼ同じですわ』


「なるほど、わかりやすくて助かります」


『しばらくは貴方がこの世界で困らないように、私も見守っているわ、

この世界にはモンスターや盗賊もいるから、自分の身は自分で守ってくださいね』

 そう言い残して〈ON-AIR〉の文字と共に、大天使様の声が途絶えた……


(とりあえずカロ〇ーメイト食おう)


アイテムボックスを開いて、∞と表示された項目をクリックすると、

手元にカロ〇ーメイトが一箱出現した。


「懐かしい味だなぁ……口の中パッサパサになるけどね」


 今回出てきたのはフルーツ味だったが、ほかの味もあるのだろうか?

 一箱だけでは足りなかったので、続けて二箱出してみると、

チーズ味とチョコレート味が出てきた。

 どうやらローテーションしてくれるシステムらしい。

 さすがに喉が渇いたので、アイテムボックスから"い〇はす"を取り出して、

一気に飲み干した。これもローテーションで出てくるみたいだ。

 ゴミはまとめてアイテムボックスに収納することができた。


(さて、どうしようか、このまま目的も無くあるきつづけていて大丈夫かなぁ、

折角エルフに転生したのだから、エルフの村や町にも行ってみたい)


 歩くことおよそ一時間、森が近づくと一本の街道に出ることができた。

太陽は高らかと天頂にあり、まだ日が暮れるまでは時間がありそうだ。

 街道には荷馬車が通った後のような轍もあるので、

このまま歩き続ければ人里に出ることができるかもしれない。

 さすがにモンスターが居るらしいこの世界で、野宿するのは危険だろう、

できるならば人里で夜を過ごしたい。


「そういえばアイテムボックスに"武器"のタブがあったよね……」

 

(アイテムボックスオープン!)


「へっ?…… これだけかや!?」


 アイテムボックスに入っていたのは、


(オーディンの弓  × 1)

(グングニールの矢 × ∞)


 たったこれだけだった……ほかには回復薬のようなものがあったのだが、

今はまだ使うことがないだろう。


 取り出してみると、特大サイズの豪奢な弓と槍のような大きさの矢だった。

 ハーゼルはこれが神話級のアイテムだとは思わなかった。

 だからこそ、武器に慣れる意味で、試し打ちをすることにした。

 ……いや、してしまった……


「うわぁ……この弓、めっちゃ張力があるんじゃないか? 俺が弱いのかな?」


 パッシブスキルの"ごんぶと"とは、オーディンが付与したものであり、

通常の屈強な男の1万倍も筋力がアップするスキルだった。

 しかし、ハーゼルが引く弓は、神話級のアイテムであり、

その張力は250トンに達する。

 力いっぱい引き絞った状態で、街道の先にある木の一本に狙いを定める……


 ドパァン!  

 

 ヒィィィーーーン!!


 バキバキバキバキバキバキバキバキ…… ズゴォォォオオン!


 強烈な破裂音と共に、一筋の閃光が現れたかと思うと、

街道の木々を次々と吹き飛ばしながら、どこかへ飛んで行った。


(やべぇ…… これ使っちゃダメなタイプの奴だった……

射線上に誰も居ないよね? 見つかる前にしまって置こう……)


 この時ハーゼルが解き放った矢も、オーディンが用意した神話級アイテムで、

貫けないものは無いといわれる"グングニールの矢"だ。

 この様子を大天使が見ており、射線上の人々をすべて数メートル程転移させ、

ギリギリ回避させていたことを、ハーゼルは知らない……

 



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 ところ変わって魔王国の首都タルンドルでは大事件が発生していた。



「魔王様、大変です! 西側街道からの攻撃で城壁の一部が破壊されました!」


「何っ! 西からじゃとっ? エルフの奴らめ、協定を破りおったのか?

被害状況の詳細を報告せよ!」


「はっ! 敵の正体は不明! こちらの被害状況は、西側城壁に大穴が開き、

警備にあたっていたゴーレムが大破しました! 死傷者は出ておりません!」


「なんと! 城壁には魔力防壁板も組み込んでおったはず、

それをたやすく抜くとは…… デガリア王国からの宣戦布告はあったのか?」


「はっ! 魔王様! デガリア王国からの宣戦布告もありません!

残留魔力の検出もなく、物理的な攻撃かと思われます!」


「……物理攻撃ならば敵は近くに潜んでおるかもしれぬ! 人族が疑わしい! 

フットル将軍を呼べ! 西側城壁周辺の警戒を厳せよ! 

それと直ちに先遣隊を派遣し、敵戦力の掃討および状況の把握せよ!」


「はっ、直ちに取り掛かります!」


 この日夜を徹し、西側の外壁周辺をくまなく調査したものの、

魔王軍が敵を見つけることはできなかった。

 魔王国将軍フットルは、即座に連絡用ガーゴイルをデガリア王国へ飛ばし、

事実確認を行ったが『貴国を責める理由はない』との返事が返ってきた。

 

 事態を重く受け止めた魔王は、先遣隊に西の街道の調査を命じた。

 先遣隊の隊長の任を務めるのは、フットル将軍の娘である"エリーゼ"だ。

 彼女は魔王や将軍、そして部下に信頼されており、

誰もがこの任務を完遂するものと信じて送り出したのだが、

 彼女が魔王国の運命を大きく左右することになるとは、

誰も予想することができなかった……



どなたか存じ上げませんが、なろうのブックマーク、および、

ブラウザのブックマークでチェックしていただき、誠にありがとうございます。

ものすっごーく、嬉しいです。ヽ(゜∀゜ )ノやったー! 


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