こんなに○○○な子が俺のクラスメイトなんかじゃない。(意☆味☆不☆明)
怪人組織2
衝撃の真実から3年が経ち、俺はあの日の事は一切口に出さず(思い出したくもない)日々を過ごしている。
俺は高校生となり自宅付近の高校に通うこととなった。
其処はかなりの生徒数を誇るマンモス校であり色々と危険な東京ではなく付近の県の学校に通わせるのが常識となっている。お陰で東京の学校という学校は全て無くなり代わりに多くのヒーロー達の秘密基地としてその土地を使われることとなった。
それと同時に3年前から「マジンドー」が活発化している。
基地に侵入してはヒーロー達と戦うもヒーロー達が負け越すことが多くなっていった。
噂によると敵側に何者かがヒーロー達の力の源、変身ツールを横流ししているかららしい。
それも何れも強力な力を持つツールで誰も装着者の存在しない物ばかりで近々新メンバーと共に前線に出るはずだったとか。
正直ヒーロー集団はしっかりしてほしい。彼等が活躍しないと………ホラ、アレだ。朝食のニュースで母の際どいハイグレや齢15歳になろうとする妹のコスプレがテレビに流れる事になるのだ。正直辛い、しかもそのネタが学校でも話されることになるのでさらに辛い。てなわけで俺の家族に危害がない辺りで頑張って欲しいのだ。
現在進行形でテレビのニュースを見終えた俺は自室についているテレビを消しいつも通りの朝を迎える為に一階に降りる。身支度を済ませリビングに入ると皆既に起きており朝食の準備を整えていた。
父は席に座りながら新聞を読み母は白米を盛って皆の分並べる。妹は箸などを出す手伝いをして自分の席に着いていた。
「おはよー」
「ん?おぅ、おはよう」
「んー」
父は顔を上げて挨拶を返してくれ妹は箸を口に加え携帯を弄っている。返事にはちゃんと返してくれている為無視はしていないようだ。
俺が席に着くと丁度よく母が戻ってきて全員で食卓に着くこととなった。これが俺の平凡な日常の象徴なのだ。この時だけはヒーローや怪人などを忘れることが出来る。
食事中両親と妹が帰りが遅くなると言っていた。その為今日の夜は適当に済ませてくれとのことだった。
何をしに行くのか知っている俺は深くは聞かずただ頷いて学校に行く準備をした。
途中までは妹と同じ通学路の為一緒に学校に通う。
互いに余り話をせず静かに歩き続ける。妹が小学校の頃までは騒がしい程にくっちゃべっていたので少し寂しくも思うが思春期なのだろうと納得しておくことにした。
「それじゃ、お前も勉強頑張れよ」
「………」
軽く頷いたのを見て俺は自身の高校の道を進む。今日も今日とて頑張って1日を乗り切ることにしよう。
「おはよう間堂君!」
校門前に着くと後ろから元気良く挨拶してくれる1人の女性徒。
桃春光、この学校でも1、2を争う程の人気者だ。明るい性格に可愛らしい笑顔、それに彼女の整った容姿にココの男共は魅了されている。
彼女とは中学からの付き合いで良く良く話をすることが多い。
「おはよう桃春さん。今日は何時もより早いね」
「あ、ははは。うんまぁね。」
苦笑いを浮かべる彼女。
まぁ俺としては桃春さんの副業を知っている為余り深くは追求しないが。
そんな話をしていると後ろから桃春さんを呼ぶ声が聞こえてくる。
「おぉい、光!おは、げっ?!」
その男子は俺の顔を見た途端奇妙な声を上げた。
この少年、赤馬烈火とは高校に入ってから出会った。絵に書いたような熱血漢で本人は隠しているようだが隣にいる桃春烈火に好意を寄せているらしい。他にも彼が何時も連んでいる青葉海、緑間風、黄三鷹雷という男子生徒も桃春さんに好意を向けているようだ。
「ちょっと烈火!その反応はないでしょ?!間堂君に失礼でしょ!」
桃春さんが赤馬を叱る、好きな人にこうやって注意されるのはきついだろうなぁ。
「だってよぉ、何かしんないけど俺はこいつが苦手なんだよ」
比喩もせず直球で苦手だと告げる赤馬(馬鹿)。その反応に更に桃春さんは怒りその後俺に対して頭を下げるように促す。
しかし意地か何かか赤馬は頭を下げず代わりに彼女が頭を下げてそのまま3人で学校に向かう。
今日の授業が全て終わり俺は寄り道する気も起きずさっさと自宅に帰ろうとし、
「ねぇ間堂くん!一緒に帰らない?」
桃春さんに呼び止められた。
特に用事もない為俺は頷こうとして、再び遮られる。
「光!奴らだ、行くぞ!!」
「ええ!?ちょ、ちょっと!今良いところだったのに!ご、ゴメンね間堂君、用事が出来たから、明日は絶対一緒に帰ろうねぇぇ!!」
彼女は赤馬に引っ張られて行った。
まぁ仕方がないだろう、なんせ彼女は………………ヒーローなのだから。
「赤い炎、ファイヤーレッド!」
「青い海、オーシャンブルー!」
「緑の風、リーフグリーン!」
「黄色い稲妻、サンダーイエロー!」
「桃色の光、ライトピンク!」
「世界を支える5つの力、属性戦隊!」
『アトレンジャー!!』
「この、ピンク、レーザーぁぁ!!」
桃色のビームが怪人と戦闘員を呑み込んだ、しかしこれは普段ならば必殺技でありそう連発出来る物ではない。しかし、
「ピンクレーザー、ピンクレーザー、ピンクレーザー、ピンクレーザー、ピンクレーザー、ぁぁぁ!!」
その日、ライトピンクは怒りに任せて怪人という怪人を、戦闘員という戦闘員を永遠と自身の力が尽きるまでビームによるハメ技を食らわせた。
「……今日の光、荒れてるな。」
「何があったのだ?」
「さぁ?」
仲間達も彼女の暴れっぷりに軽く引きながらも戦闘に参加した。
次の日、久々にヒーローの大活躍がニュースとして放送されライトピンクの大暴れが世界に拡散したのであった。
当然、間堂もそのニュースを見ているわけで。
「うわぁ………桃春さんえげつなぁ」
身元がばれている上に引かれてしまった。