第1章 どうして私はいつも泣いている女の子に出会うのだろう?
私はバレーボールを積んだカートを押して体育館へ向かい、車椅子やカート用のスロープに乗り上げようとしたちょうどその時、正面の入口から二人の女生徒が前後に連なって走り出してきた。
先に走っていたのは三年生だった。なぜなら、その後からさらに二人の生徒が入口から顔を出し、「最後の年なのに」といったようなことを話していたからだ。それに、学校の制服は一学年おきに同じ色で、一年生と三年生の服は少し紫がかっている。さらに、追いかけているのは私のクラスメートの緑野日記だった。だから、このあまり見覚えのない女生徒は、おそらく彼女の所属する部活の三年生の先輩なのだろう。
緑野日記は卓球のラケットを握っており、先を走る女生徒も同じく一つを握っていた。どうやら卓球部のようだ。入口から少し離れたところまで走ると、先の女生徒は足を止めた。その時、彼女の肩まで届く髪が前に揺れた。緑野日記は手を伸ばして彼女の肩をつかんだ。
「東海先輩…どうして、どうして…」
緑野日記の声は泣き声を帯び、その後はほとんど言葉にならないほど嗚咽が込み上げていた。
私は遠くにいたので、次第にその声も聞き取れなくなっていった。彼女はもう言葉が出せないようで、ただすすり泣くだけだった。そして最後には、先輩の背中に伏して泣いていた。先輩は少し体を後ろに反らせ、自らの肩をよりしっかりと支えにしていた。
空から小雨が降り始めてきた。私は雨が降りそうだからこそボールを片付けていたのだ。だから、カートを押して体育館の中へ入った。
走りながら、私はたった今目撃した光景を思い返し、こう考えた,
「どうして私はいつも泣いている女の子に出会うのだろうか?」




