第二章
私が再び体育館の入り口に戻ってきた時、空には薄く灰色の雨雲がたまり、細かい雨を降らせ始めていた。
緑野日記は膝を抱えて、入口の階段に座っていた。幸い、頭の上にはひさしがあり、雨水は彼女に届かなかった。体育館の中の人もすっかり帰ってしまったらしく、卓球部の面々は見えなかった。
私は傘を持っていたが、彼女はまだあの時のトレーニングウェアのままだった。一人で帰るべきかどうかもわからず、やはり階段の上に立つしかなかった。少し離れた外壁の脇に自販機が立っているのを見て、ようやく考えが浮かんだ。傘をさしてそこまで行き、ホットコーヒーを二缶買った。
これはまさに一石三鳥の計画だった。少し距離を置いて間を作り、もし彼女がコーヒーを受け取ってくれれば、おそらく傘を持っていないという証拠になる。はあ、社交の駆け引きだ。
彼女は缶を受け取ったが、ただ手に持っているだけで、腕を伸ばして外の雨水が缶に滴りつくに任せていた。
「彼女は誰?」
「部活の先輩です」
彼女の言うことは、私の考えとほぼ同じだった。なぜ対立したのかを直接聞くのは良くないかもしれない。やはり遠回しに聞こう。
「今日の雨で、部活には影響なかったですか?」
彼女は首を振り、ボブカットの髪が揺れた。「うちの部活は人数が少ないんです。今日は混合ダブルスの選考があって、その時点でもう終わっていました」
ああ、混合ダブルスか。テレビで見たことがある。男子選手と女子選手がペアを組んでダブルスを戦うものだ。ただ、この年頃の少年少女が、テレビのプロ選手たちよりも複雑な思いを抱えているかどうかはわからない。
「ゴロゴロ」遠くで雷の音がした。雨が本降りになるのを恐れ、私は一緒に帰らないかと直接尋ねるしかなかった。彼女はうなずき、ドア内の隅から自分のショルダーバッグを手に取り、こちに向かって歩いてきた。
これでわかった。彼女には傘も、レインコートも、長靴もなかった。足元はまだメッシュの入ったスポーツシューズのままだった。私は別に特殊な趣味があるわけではないが、人の性格を判断するために、どんな靴下を履いているのか観察するのが好きなのだ。
彼女が今日履いていたのは、白い薄手のショートソックスで、靴の縁から数ミリだけ見えるタイプのものだった。
私はカバンから、備えていた防水シューズカバーを取り出した。妹がいつもこういう小物を詰めてくれるのだ。今日は雨だったので、私はわざと厚底のキャンバスシューズを履いて出てきていた。このシューズカバーはちょうど彼女に使わせることができた。
彼女はこの新しい小物のために、ずいぶん気分が良くなったようで、傘の反対側でよくつま先を立てたり、足を上げたりしながら観察していて、とても得意げだった。私のことを気にしていなければ、とっくにパシャパシャと水たまりを踏みに行っていたかもしれない。
校門を出て、地下鉄の駅に近づいた時、彼女は突然私に尋ねた。
「今日、私があそこで泣いているのを見たでしょう?」
「うん」
私は彼女に答えながら、こう考えた。
「どうして私はいつも泣いている女の子に出会うのだろうか?」




