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 ゴロやクハ、ニヨンは後から来た影の部隊「S3」に回収されて医療室に運ばれていた。この「S3」というのは「B3」が殺した後の後処理を行う部隊で、暗殺者になり損ねた百桁台の番号が付いた人間が所属している。もちろん、戦闘センスや暗殺技術も身に付けてはいるが本物の暗殺者には一歩届かない。そこら辺にのさばっている格闘家やプロレスラーなどは簡単に倒せる彼らでも届かない壁がそこにはある。

「どうですか?」

 まさに影の部隊らしい紫をベースとしたコートを纏っている女が言った。

「ああ、大丈夫だ。まさか、あのまま気を失っていたとは……」

 彼女の暗い表情を見てゴロは言った。

「あの……心配でした」

「はは、心配って俺は暗殺者だ。このくらい承知してろよ」

「いえ、それでも……先輩はっ」

 途端に目が潤う彼女は「No,105」。

 みんなからトウコと言われる彼女はゴロの二つ下の後輩で、教育機関では昼食を一緒にとったりなど、それなりに長い時間を過ごした特別な存在と言っても差し支えはないだろう。

「泣くなって……俺は死んでねえよ」

 さすがのゴロも後輩の女子が泣いていたら気が引ける。ちょっとした笑みをこぼしながら彼女の手を握った。

「しぇん、ぱい」

「はいはい笑」

 目から零れ落ちた雫がゴロの手のひらまで伝わり、弱弱しく肩を震わせる彼女の右手をさっと包み込んで、体温を感じる。生きているとはすばらしいこと。そんな腐れ文句のようなセリフを言いたい、だが。

 ゴロは暗殺者である。

 死とは何か、という命題を答えることができるくらいには今まで殺しを実行している。そんな矛盾に今更、恐怖すらも感じるほどに、彼女の存在は大きいものなのだ。

「いつも、ありがとう」

「……はいっ!」

 微笑む顔と、涙が交差して心に残る何かがあった。


 なんとか報告も済ませ、体の自由が利くまでは研究機関で数日入院するという形になった。これに関しては、クハやにニヨンも同様で、最新技術の英知を受けつつ回復へもっていくというように決まったようだ。ナナはほぼ無傷と聞いて、さすがだなと嫉妬をたらしそうになってしまうが心を殺してぐっと堪えた。やつとは比べていけない。

でも正直、自分の怪我などよりも今回の不思議な点の方が気になってしまう。

 ナナから聞いたがそちらも謎の男が現れて消えたという報告があったそうだが、その男が本当に師匠に関係するものかは分からない。ただ、師匠が言った言葉は忘れなかった。内部から漏らすのは簡単だと。もしかしたら、自分の知らないところで裏切りがあるのかもしれないのだが、考えても分かるはずがない。ましては、自分たちも許可が下りなければそれを実行することができないのだ。

「考えても分からないか、」

 とにかく重症の三人は完治するまでこの医療室で大人しくしていなければならない。

 そんな、暴走する想像力を働かせて目を閉じたゴロだった。



 ゆりの日記5


 今日は彼がいなかった。

 なんでだろう?

 なんでだろう?

 どこ行ったのかな?

 私遊びたかったけど、それでもいない。

 黒い服のおじさんたちに連れていかれたってシスターさんが言っていた。

 大丈夫かな?

 帰ってくるのかな? 

 会いたいよお

 怖いよお


 他の子と遊んだけど、面白くないよ。

 また遊ぼうよぅ

 私、君がいないと嫌なんだよぅ!


 一旦休憩挟むため、次回は多いキャラ紹介にしようかと思います。

 ではまた会いましょう!

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