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第肆章 9 任務終了と謎……不気味なんだよ

 9 任務終了と謎……不気味なんだよ


 ナナはその大きな広間にて動くことなく突っ立っていた。

 自分自身も先ほどの話の全てを理解できたわけではない。むしろ、そんな簡単に理解できるわけもないし、ましては理解していいものなのかという迷いすら出ている。昔の話に、もはや概念が入り混じる混沌のスピリチュアルが漂っている話を彼はその場で考えていた。

 超上位物体、第五元素。神をも越える力、そして超能力。

 確かに、エーテルの話は正確なのだろう。光に関して研究したこともあるあの天才アインシュタインの文献をたまたま見た時に似たようなことが書いてあった気がする。でも、その物質が、第五元素として世界に存在しているということが不明だ。彼は、自分のことを超能力者と言った。

 そして。

 ナナのことを超能力者だと言った。そんな自覚などあるわけもないし、ましてはそんな話を聞いたことすらない。でも、もしかしたら。

 彼が言う通りのヤバいモノとして存在が確認するのなら、上層部の人間が知っている可能性もある。彼は言った。

『君のよく知るところにも蔓延しているはずだからなあ……』

 と。

 何よりも。

 何故に、名前も顔も、そのすべてが不明な仮面の男が、ナナの本当の名前を知っているのかということに、人生で初めて怖い思いだったのかもしれない。いや、むしろ不思議すぎて考えられなかった。どうしてなのかという疑問の答えは、もはや数えられる数しかない。

 知り合いか、本当の上層部なのか?

 だが、後者はまずありえない。上層部の人間が自ら死の舞台に飛び込むようなものだ。破滅の道へ向かうような行動する奴がトップに成り上がれるわけがない。信念や計画があったとしても意味が分からない行動だとナナは思った。

 そこで、彼は。


 そうか、と。彼は気づいた。

 しかし、と。彼はその気づいたことを胸にしまった。

 この要らぬ考察は、いずれ身を亡ぼすものだろうと考えた。

 なぜなら。

 理由など、もはやこの一点だけなのだ。

 自分も食っていくために、彼女たちを食わるためにも。自分としてやらなきゃいけないことは昔に決まっている。

「なぜなら、俺は、暗殺者なのだから」

 悲しき原因。

起因にして結論。

結論にして本質。

本質にして序章。

 彼を現す三文字はこの言葉だった。



 一方、ナナ以上に消耗している三人はその場にとどまっていた。

 まず、この戦いに勝てたことが大きな功績であり、奇跡であり、そして何よりも謎だった。この男に二人は一回も勝ったことはない。稽古をした上で身に染みていることだ。たとえ手加減をしているときにさえも一撃すらぶつけることもできなかった二人が、一人の加勢で殺すことまで成功したのだ。これが仕組まれていたものだというような感覚にもさせるような異様な瞬間を味わっていた。

なによりそこで粉々になっている男は正体を明かすことはなかった。いいや、可部という男の本当の姿を明かさなかった。スパイではあるが、この組織の人間を殺していることでここの人間ではないのだろう。となると、考えられるのは一つ。

 他にも、「PARALLEL」を狙っている組織がある、ということだ。

 そこら辺で秘密に触れた可哀そうな人間ではなく、確実に目的のために関わっている強者であろう。と考えられたことが、何よりもその収穫点がその謎だった。

「大丈夫か? クハ?」

 もはや死にかけのよれよれの姿のゴロは開くこともままならない手を彼女に添える。

「ええ、あな、たこs……や、ば……ぃ」

 右目からの出血が一時的に止まったとはいえ、ここまで動けることが凄かった。彼女の根性には見守る二人も驚いたものだ。

「ニヨンも、行けるか?」

「ん、私は余裕じゃい‼ 腕の骨が一本二本折れた程度だよ!」

「まあ、そんな、元気出して言うことじゃないけどな……」

「というか、動いてどうするんだ? 動けんだろ」

 ボロボロの雑巾のような体をなんとか立たせようとするゴロはまだ必見据えていたことがあった。

「もしかしたら、生き残っている構成員がいるかもしれない。そいつらを叩かないと俺らの情報が、洩れる……」

「待て待て! だからと言って、お前は動けないだろ!」

「だが、ここでやらなければ……俺たちのメンツも」

「はあ、暗殺者がメンツとか言うなんて、だいたい、ナナの生存も分からないだろ? クハの目が壊れたからにはどうやっても危機は続いてるんだ、ここで変に動けば全滅する可能性があるしな」

「ま、でも、連絡しないと」

 ゴロは心臓の位置にしまっているスマホを取り出し所長に連絡を掛ける。

 数秒間待って、電話を切ろうとした瞬間。


「なんだ! ゴロか‼‼」


 耳元で強烈な音量が耳の鼓膜へ一直線。そのまま鼓膜をぶち破る勢いの彼女の言葉は喜びの色に満ちているのような気がしたゴロはこう言った。

「嬉しそうですね」

「何言ってんだ! 任務完了だよ! お前ら凄いなやっぱ」

「はい?」

「はい? じゃねえよ! こっちの妨害なしにやってくれたな! ずっと通信できなくてな、ちょうど困っていたところで復旧したんだよ! おそらく奴ら凄い機械持ってるよこれは……参ったよ」

「はぁ、じゃあ、データは大丈夫なんですか?」

「ああ、もちろんよ! でもどうした、そっちは?」

「いや、こっちは負傷者多数、クハは意識を失っていて俺も歩けない、まあ、頑張ってナナとも合流してそっちに向かえばいいですよね」

 すると、そのスマホを横から取り上げたニヨンガこれまた大きな声で言い放つ。

「テンはどうなんだ‼‼」

「っ⁉ びっくりした……なんだ、ニヨンか。ああ、テンも今は休んでいる。お前も一緒に帰ってこい」

「分かってるぞ‼‼」

「じゃあ、また」

「ああ、頼むぞ」

 ブチッと電話を切ると、意識が遠のいていく感覚がゴロを支配した。

 ますますと視界は暗転し、聞こえているはずの声が徐々に遠のいていく。

「やばい」と思った時すでに遅し。

 次に目が覚めたのは「PARALLEL」の医療室だった。


「ああ、ここがいわゆる見知らぬ天井か……」


 皆さん、昨日今日とすみません!

 大学の講義とレポートが忙しくてなかなか書けませんでした。。。明日は普通いだすので読んでくれたら嬉しいです! ブクマもお願いしたいです! 

  

 これにて第肆章も終わりです。

 第伍章からはまさにクライマックスへと向かいます! ここからは最高に辛く、面白い世界へ!

 皆さんを連れていきます!!

 では、また会いましょう!

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