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無気力高校生の異世界救済  作者: SUZUKING
第3章 四賢者の試練巡行
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58 帝国入りと立ち往生

待ちに待ったスーパーマリオRPGが……やれるぞー!

 馬車を帝国へと進める事数日、何度か夜を過ごしたが不思議なことに魔物に襲われる事はなかった。

 因みに夜の見張りは全て千夜ちよが請け負っていた。


「身の程知らず以外は近寄らせすら致しませんわ」


 千夜は笑顔でそう言って居たが粒子魔法で周りを索敵している優太は知っている。


(こっちに近付いてくる気配が高速で何処かに消えている……)


 しかし、優太は何も言わない千夜の笑顔の圧で静にする美人の笑顔は怖い。




 早朝早めに出発してしばらく進むとリルティア王国の青を基調とした鎧とは違う黒を基調とした鎧の兵士が立っている門が見えてきた。


「停まれ、証明書になるものは有るか?」

「商人ギルドの証明書だ確認してくれ」


 兵士は証明書を受け取ると「少し待て」と近くの小屋へと入っていく。

 その間にルートは残った兵士に話し掛ける。


「随分と最近は忙しそうだな」

「全くだよ、何でも反乱分子が居るとかで入国も出国も面倒な手続きが増えてな……」


 兵士の話しは途中から愚痴になって大した情報は得られなかった。

 そうこうしている内に小屋からさっきの兵士が出てきて、ルートに入国許可証を渡す。


「問題無し……入って良いぞ」


 特に問題は起こることなくハガン帝国へと入国する事ができた。




 入国してから所々小さな町に寄りつつ馬車を進める一行の視線に大きな城と城下町が見えて来たのは昼頃だった。

 寄って居た町で作って置いたビッグボア(月明祭で結構余った)のとんかつにソースらしきものをかけてタレスとサンドしたパンを四人で食べながら止まらず進んで来たので少し早めに城が見えて来たのだった。


「いつも見たいにスープだと停まって調理しないと行けないが確かにこれなら挟むだけで片手で食えるから便利だな……しかもうまい!」


 ルート曰く急ぎの商談だとわざわざ停まる訳にも行かず昼抜きで馬車を進める事も多々ある様でサンドウィッチは目から鱗だったようだ。

 他の三人もとんかつのサンドウィッチに良好な反応を見せている。


「ま、まさか矮小な魔物がこの様な美食に……? 砂漠の鉱石よりも余程ウマイ」

(サウザンドセンチピードって鉱石食べるのか……)


 千夜の言葉にルートが遠い目をしているのを尻目にレイナとルナは夢中でかぶり付いている。

 衝撃で素に戻っている千夜は「はっ」とすると優太達に城が見えた事を報告する。


「んんっ……ご主人様、城が見えて参りました。もう数刻したら城門に着くかと……」

「そうか、分かった」

「もう着くのですね」


 千夜の言葉に優太は返事を返す。

 レイナも緊張の面持ちで城をみている……カツサンドを両手に持ちながら。


「レイナ、両手の物を先に食べたらどうだ?」

「レイナお姉ちゃんだいしょうぶ?」

「はうっ、す、すいません」


 何ともシリアスになりきれないレイナに優太の表情も心なしか柔らかい様に感じる。


「へぇ……兄ちゃんもあんな顔するんだな」

「……」


 そんなやり取りをしている内に馬車は城門へと辿り着いた。




 城門に着くと国境の門番と同じ黒い鎧の兵士が馬車へと近付いてくる。


「国境の兵士から聞いている……乗り合いの馬車、護衛の冒険者……よし聞いていた通りだな、問題は起こさないでくれ」

「どうも」


 兵士は確認を終えると他の兵士に合図を送り城門を開けさせる。

 城門内に入ってから優太は一つ気になることをルートに質問する。


「国境でもだがこれだけ大きい国なのに入国する人間が少なくないか?」


 そんな優太の言葉にルートは軽く返す。


「国境の兵士が愚痴を言って居ただろ?」

「なるほど……」


 つまり、反乱クーデターがいつ起きるか分からない国に入りたがる商人は居ない。

 その為大国であるにも関わらず人の往来が少ないのだった。


「それにレイナに気付く様子もなかったな」

「私は病気で籠って居たので知っている人はお父様や叔父様と関係が深い人のみでしたので……門番や兵士の方々はほとんど知らないと思います」


 更に言ってしまえばルナへの反応も薄かったが城門を抜けるとその理由はすぐに分かった。


「ルナと一緒……」

「獣人か……」


 帝国の城下町ではリルティア王国では見なかった獣人がちらほら居るのが見える。


「あっちでも言ったが獣人は他の種族を嫌って居るが多いがこうやって人種意識があまり無い奴等はハガン帝国に渡ってくる事がある」

「なるほど縄張り争いから避難してきているのか」


 人種意識が無いものはきっと縄張り争いで同種族同士で殺し合うのを好まないだろうだから逃げて来たのだろう遥か異種族の国へと。

 帝国に留まるのは何時でも国に帰れる様にしているのだろう、大陸へと行く船は帝国からしか出ていない。


「極稀に帝国から出ていく奴等も居るらしいが大多数はここに留まってる。そう言う所も帝国の資金に繋がって居るみたいだな」

「なるほど」


 しばらく馬車に揺られると数分、揺れが収まり馬車が停まった様だった。

 馬車から降りるとそこにはそこそこ大きい宿が佇んでいた。


「今日はもう暗いからなここに泊まるぞ、明日から俺は居ないが先ずは商人ギルドに行ってくれ」


 ルートはそう言うと優太に商人ギルドの場所を印した地図とルートの名前の書かれた紹介状を手渡した。

 ルートは渡すものを渡すすぐに自分の部屋へと行ってしまった。


「じゃあ、俺達も今日は休むか」

「そうですね……」

「ルナもねむいー」


 優太達も明日に向けて早めに休むことにしたのだった。




────────────────────────────




 翌朝、優太が目を覚まして外に出ると既に起きて素振りをしているレイナが気が付いて挨拶をする。


「あっ、ユウタさんおはようございます」

「ああ、おはよう……寝て無いのか?」


 優太はレイナの様子からそう質問すると、レイナは少し申し訳なさそうに頷く。

 いつの間にか起きてきていたルナは眠そうに目を擦りながら耳をピクピクさせている。


「ええ、少し緊張していて……あんな事が合った後なので」

「そうか」


 あんな事……優太は深くは掘り下げない、魔力欠乏症は優太の魔力リンクで予防出来ている。

 しかし、優太はふと思った事をレイナに話す。


「家族には会わないのか?」


 優太の言葉にピクリとレイナは反応する。

 そして、レイナはゆっくりと首を横に振る。


「今は先にやることが有りますから……それに私にはユウタさんが必要ですから」

「そうか」


 優太はそう一言言うとレイナの隣で日課となった筋トレを始めたのだった。




 日課の筋トレが終わり、風呂で汗を流す……この世界の宿はどこも風呂付きで常に湯が張ってある聞いた話しによるとかつての異世界人がお湯の魔石を作り風呂の伝統を築き上げたらしい。


「さて、早速商人ギルドに行こうか」

「はい! あ、ルナじっとしてください」

「んー」


 風呂から上がった三人は身支度を済ませて商人ギルドへ向かった。




 三人は地図を便りに商人ギルドへと向かう。

 しばらく歩くとクリエスティアの物よりも一回り位大きい建物が見えてきた。

 しかし、クリエスティアのギルドより閑散としており、乗り合い馬車が2、3台あるだけだった。


「な、何と言いますか……すごく静かですね大きさの割に……」

「反乱分子の影響だろうな……入るぞ」


 三人が商人ギルドへと入ると、正面にあるカウンターで暇そうに頬杖をついている女性が見えた。

 優太はカウンターへと進んで行く、レイナも眠くて船を漕いでいるルナを抱き上げてついてくる。


「すまないが紹介状が有る……確認してくれ」

「え? あ、しょ、少々お待ち下さい!」


 優太の声に女性は飛び上がりそのまま紹介状を確認していく。

 しばらくすると、少し困った顔の女性が声をかけてくる。


「すみません……紹介状を確認しました」

「何かあるのか?」


 おどおどしている女性に優太は質問する。

 その言葉に女性は頷く。


「紹介状に貿易船に乗船出来る様に都合して欲しいと有りますね」

「何か問題が?」


 優太の言葉に女性は「はい」と答える


「現在貿易船は規制が厳しくなって関係者以外の人の乗船を許可しないようになったばかりなのです」


 どうやら他種族の賢者への道は一筋縄ではいかないようだ。

次回は不穏な影……がでるかも?

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