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無気力高校生の異世界救済  作者: SUZUKING
第二章 旅立ちと始まり
56/68

53 賢者の試練?

サンブレイクが辞められない止まらないのです

 扉の中に入ると、何やら広い空間が広がっており下を見ると底が見えない程深い事が分かる。

 その中心には宙に浮いている人が数人余裕で走り回れそうな足場があった。


「な、何だか不思議な空間ですね……」

「……そうだな」


 レイナの言葉に頷きながら、優太はその光景に既視感を覚えていた。

 どこか見覚えがある、そう思いながら足場へと進んでいく。


 ガシャン


「あっ! 橋が……」

「完全に孤立した訳か……」


 橋が無くなり、浮かぶ足場に取り残された三人の前に何か現れる。


「この試練のばんにん……?」


 優太は絶句の表情を浮かべ、レイナはそんな優太を心配そうに見つめる。


「ユウタさん?」

「い、いや、何でもない……」


 優太が絶句するのも無理はない、目の前に現れた敵は赤い服装にオーバーオール、真っ赤な帽子に立派なヒゲ……どう見ても配管工兄弟の兄にそっくりだった。

 更にはピンクの悪魔、永遠の二番手が飛び出してくる。


「な、何でしょうかこの人達は?」

「やー!」


 戸惑いながらもルナとレイナがピンクの悪魔と永遠の二番手に攻撃する。

 しかし、余り攻撃が通っている感覚がしない


「丈夫ですね!」

「むー」


 そんな二人に唯一その存在達の事を知っている優太が二人に声を掛ける。


「レイナ、ルナ! 攻撃を続けろ、何食わぬ顔をしているが確実に効いてる」

「わ、分かりました!」

「おー!」


 優太の言葉通り、ルナとレイナは2体に攻撃を再開する。

 そして、優太も配管工(兄)と相対する。


指魔法フィンガーマジックピストル」


 優太の指から放たれた魔弾は配管工(兄)に直撃する。

 しかし、配管工(兄)も負けじとこちらに強烈なパンチを仕掛けてくる。


「何度その動きを見たと思ってる?」

「!?」


 しかし、優太はそのパンチを軽く躱すとお返しに身体強化込みの蹴りをお見舞いする。

 更に吹き飛んだ配管工(兄)に指二本を銃のようにして向ける。


指魔法フィンガーマジックマグナム」


 強力な魔弾が配管工(兄)に当たると配管工(兄)は凄まじい勢いで足場の外へと吹き飛んでいった。




 一方、レイナはピンクの悪魔と戦っていた。


(どれだけ攻撃しても不自然に跳ねるだけで倒れない?)

 スゥゥゥゥゥ


 ピンクの悪魔を不可解に思っていると、何度めかの謎の吸い込みを仕掛けてくる。

 しかし、レイナはしっかりと距離を取って居るため吸い込みには当たらない。


「どうしたらいいのでしょう?」


 レイナが困っていると見かねた優太が声を掛ける。


「レイナ、奴から煙みたいなものが出ていないか?」

「煙ですか? そう言えば何かモクモクしてますね……」


 それを聞いた優太は簡潔にアドバイスを送る。


「思いっきり叩き飛ばせ」

「分かりました!」


 レイナは頷くと目にも留まらぬ速さで間合いを詰めると、全力でピンクの悪魔を剣で叩き飛ばした。


「はあぁぁぁ!!」

「!!」


 ピンクの悪魔が場外に消えると同時に、ルナの方から緑の何かが弾け飛んで来た。


「お父さん! やったー」


 どうやらルナの戦いも終わったらしく、嬉しそうにルナが駆け寄ってくる。

 そんなルナの頭を撫でると、優太は少し険しい表情をする。


 ガシャン


 そうこうしていると、橋が再び出現して先に進めるようになった。


「ユウタさん、先に進めるみたいですよ」

「ああ……」

「……?」


 優太の様子にルナが心配そうに見上げてくるが、優太は「心配ない」とルナの頭を撫でてて先に進んでいく。

 その後ろにレイナ達も付いていく。


『いやーようこそ賢者の試練に!!』

「!?」


 橋を渡ると新たな扉の前に辿り着いた。

 すると、突然何者かの声が聞こえてきた。


『ヤッホー! きっこえってるー?』

「ユウタさん、何も無いところ声が聞こえます」

「……」


 驚いているレイナを余所に声の主は『テステス、あ~』とマイクテストをしている。

 そしてしばらくすると、声の主は落ち着いたのか一方的に話し始めた。


『さて、まずは歓迎するよ……異世界からの訪問者。って言ってもこの世界じゃ珍しくないけどね!』

『いやー、ほんとにね! たまたま入り込む人は居るけど大抵大乱闘に弾かれる人ばかりでねー丁重に記憶消してリリース祭りだったんだけど……』


 怒涛の勢いで話し続ける人物は嬉しそうに更に話を続ける。


『そうして待ちに待った突破者が現れたのさ……そう! 君達がね!』


 大興奮で歓迎の言葉を話し終えた声の主に優太が話し掛けようとすると、声の主が『ちなみに』と話し始める。


『この放送は一方通行なのです! よって、聞きたいことが有るなら直接来るしか方法は無いよ!』


 声の主はそう言うと『バイバーイ』と言って声が聞こえなくなる。

 レイナは優太に視線を向けると、優太は諦めた様に頭を横に振る。


「ユウタさん、どうしますか?」

「やるしか無いだろう……行くぞ」


 優太の言葉にレイナ達は頷くと後に続いて扉の中へと入っていく。




 扉を通ると、広い空間に通路が張り巡らされている場所に出た。

 良く見ると、頭上に一筋の光が見える。


「なるほど」


 光の先には鏡があり、どうやら鏡の角度を変えて光を誘導させる必要が有るようだった。

 優太は先に進み鏡の位置を確認していく。


「確かにRPGのダンジョンなら定番だな」


 そして、最後には上部に鏡が一枚飾られた扉が存在しており、その鏡まで光を誘導させる必要があるようだった。


「はぁ、面倒だな……」

「ユウタさん手伝いましょうか?」


 レイナの言葉に優太は首を横に振る。


「問題ない」


 優太はそう言うと、指を鳴らす。

 すると、全ての鏡が次々と向きを変えていき、最後の鏡まで光を導いていく。


「凄いです!」

「でもあかないよ?」


 光が扉の鏡まで届いたのに扉は開かない、ルナの言葉に優太は少し考える。

 そして視線を扉の反対側へと向けると剣を掲げる戦士の像が置かれていた。


「ほう?」

「ユウタさん?」


 優太はもう一度指を鳴らすと全ての鏡の向きが変わる。

 すると、光は全て剣士の剣に集まり扉の鏡を光で満たしていく。


 ガシャン


 扉が開き次へと進める様になった。


「50点、ヒントが少なすぎる」

「凄いですユウタさん……でも、その点数は何の話ですか?」


 優太は何も言わず扉を潜っていく。




 次のエリアでは無数の扉が並んでおり、何れが正解か分からなくなっているが。

 優太にとっては関係無い。


「レイナ行くぞ」

「え? ま、待ってください」


 優太は一つの扉に向かっていき躊躇うこと無くその扉を開ける。

 その先には通路があり、先に進めるようになっていた。


『知恵、直感、観察力も申し分無いみたいだね! それじゃあ最後の試練だよ』


 再び聞こえた声の主がそう言うと、目の前に現れた扉が開かれていく。

 その向こうでは、一体の魔物が立っていた。


『よくぞ来たな挑戦者たちよ!!』

「……」

「……」

『さあ、最後の試練をくれてやる……私を倒して見せよ!!』


 そこにいた魔物は大げさな動きと、棒読みの声の主でかなり滑稽だった。

 優太は無言のまま、両手を構えると指に付けているリングが光を放ち始める。


指魔法フィンガーマジックマシンガン」

『さあ! ぜんりょくくくくくくく、待って、ちょちちち! ずるい! そんなのずるい!』


 間髪入れず全力全弾発射でしゃべる暇も与えず、無数の弾幕が立っていた魔物を容赦なく蜂の巣にしてしまう。

 蜂の巣になった魔物は当然立ち上がることは無くそのまま消えていった。


「おー、かわいそう?」

「ルナ、あれは自業自得と言うのですよ」

「……下らない時間だった」


 優太達は魔物が守っていた扉へと近付くと扉は勝手に開いていく。


「良く来たね! 試練を乗り越えてご苦労様だね!」


 そこには一人の少女、年齢は優太達より少し下、短く切り揃えてある髪型に、活発そうな少女がそこに座っていたのだった。

試練? を乗り越えて到着した場所にあったものとは!?

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