夜の介抱
「うわっ!」
足元がふらついたところへ洗濯機の硬い角が迫っていた。
ゴンッと鈍い音が響き渡る。
「ぐっ……」
頭皮を貫くような衝撃。
視界が一瞬で白く染まり、耳鳴りがする。
痛みよりも先に意識が揺らぐ感覚が襲ってきた。
「うそ……そんなつもりじゃ……」
真実の声がかすかに聞こえる。
彼女の慌てた足音。
誰かが倒れた体を抱き起こそうとしている……そこまでしか記憶がない。
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次に意識を取り戻した時、ヨシオは柔らかな布団の上に横たわっていた。
「……ん?」
天井が回転しているように感じる。
頭の右側が異常に熱い。
「よかった!気づいたんですね」
傍らから真実の声がした。
彼女は座卓の前で膝を抱えるように座っている。
部屋の明かりが豆球だけに落とされていた。
「俺は……」
言葉を発すると頭の奥に鋭い痛みが走る。
「洗濯機に頭打っちゃって……」
真実の声には申し訳なさが滲んでいた。
「血は出てなかったけど腫れてたから冷やして……」
彼女が冷たいタオルを頭に当て直してくれ、冷たさが痛みを和らげていく。
「ごめんなさい!私が乱暴に突き飛ばしたから……」
涙声になっていた。
俯いた頬に滴が落ちているのが見えた。
「いや……元はと言えば俺が悪いんだ」
ヨシオは痛みを堪えながら起き上がろうとしたが、真実に制された。
「動かないでください。安静にしてて」
彼女の手が優しく肩を押さえる。
触れられた箇所に温もりを感じた。
「でも……」
「いいんです」
真実の声が震える。
「私も大人げなかった。もっと冷静に対応すればよかったのに……」




