## 零細生活者の生態 ### 第二十五章 黄昏の残影
**【午後の作業】**
「さて……」
ヨシオは河川敷のゴミ捨て場に向かった。
昼下がりの暑さが容赦なく降り注ぐ中、
彼は空き缶を探すために動き始めた。
「一万円稼げるって言ったよな……」
彼は自分に言い聞かせた。
午前中だけでも数時間かかる労働だ。
足を引きずりながら橋の下から用水路沿いへと進む。
「空き缶……空き缶……」
汗が額から滴り落ちる。
何度も休憩を取りながら、少しずつアルミ缶を集めていく。
しかし期待していた大量の収穫はなかった。
「この辺はもう回収済みか……」
彼は別の場所へと移動した。
公園の端や住宅街の裏道など、ありとあらゆる場所を徘徊する。
時には注意されたり罵声を浴びせられたりしながらも諦めずに続けた。
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**【夕暮れ時】**
日が傾き始める頃、ヨシオは小さなビニール袋を手にしていた。
中には二十個ほどの空き缶
**【駅前での虚無】**
「結局これか……」
ヨシオは袋の中の空き缶を見つめた。
僅か二十本のアルミ缶が鈍い光を放っている。
これを売っても精々100円にもならないだろう。
「一万円……なんて馬鹿なこと言ったもんだな」
彼は乾いた笑いを浮かべた。
見栄を張る自分が情けなくもあり、
それでいてそうせずにはいられなかった。
少女たちに弱みを見せたくなかったのだ。
「花音にカップ麺でも奢ってもらえばよかったな」
誰に聞かせるでもなく呟く。
彼女の申し出を断ったことが悔やまれた。
あのお金を受け取っていれば、少なくとも一日の食事くらいは確保できたはずだ。
「いや……違う」
ヨシオは首を振った。
それはプライドではなく単なる意地だった。
施しを受けることへの抵抗感と、
何より自分から離れさせたいという思いが入り混じっていた。




