48/100
## 零細生活者の生態### 第二十二章 青幕の夜明け②
**【朝焼けの橋下】**
「おはようございます」
花音の控えめな挨拶が朝靄に溶けていく。
紗月と柚希も既に目を覚まし、
三人は毛布を畳みながら中央で眠るヨシオを観察していた。
「すごい」
紗月が感嘆する。
「本当に熟睡してる……」
「昨日は全然眠れなかったのに」
柚希の声には安堵が滲んでいた。
「私たちが押さえつけていたせいで……」
「正確には」
花音が訂正する。
「温め合っていたんです!」
三人の少女たちは無意識に近づき、
ヨシオの寝顔を覗き込んだ。
普段の緊張した表情とは違い、
今は穏やかで無防備な姿だった。
「こんな顔初めて見る」
柚希が囁いた。
「子どもみたい」
紗月が微笑む。
「守ってあげたい気持ちになりますね」
花音が感慨深げに言った。
---
**【マクドナルドにて】**
「おごるから」
花音が財布を開く。
「昨日は色々あったし」
店内は朝のサラリーマンで賑わっていた。
四人は隅のテーブルを確保する。
「悪いな」
ヨシオは遠慮がちに言った。
「昨日から世話になってばかりで」
「気にしないで」




